よし坊のあっちこっち

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映画三昧 - 太陽の墓場と炎加世子

2011年07月01日 | 映画
炎加世子という女優がいた。この女優を思い出す時、篠田正浩の「乾いた湖」の大看板を思い出す。あの大看板を横目で見ながら、何となく伝わってくるズベ公的なキャラクターに胸がドキドキしたもんだ。彼女は彗星のように現れて、いつの間にか何処かへ行ってしまった。

現代劇の松竹のこの頃は、篠田正浩や大島渚が次々と意欲的な作品を出していた。その一つに大島の「太陽の墓場」がある。

戦後、といっても昭和34-5年頃の大阪のドヤ街に生き、アッサリと死んでいくチンピラ連中の、泥臭く、バタ臭い底辺のどうしようもない、そしてギラギラした生活を描いていて、今観ても面白い。津川はやはり男前だ。弟分でどこか弱そうな佐々木功、在日役の渡辺文雄。その他は、佐藤慶、田中邦衛、小松方正、伴淳、戸浦六宏、小池朝雄など等、今となっては涎が出る連中だ。これにあの炎加世子が加わる。彼女の作品は全て体当たり演技というやつで、汚れ役が活き活きとする。今の時代、こういうタイプの女優は出てこないのか、それとも来れないのか。

秀逸は、北林谷栄だろう。この女優は、何と言っても「おばあちゃん」役がはまりであるが、ちょっと年増のアバズレやワルをやらせると、抜群の迫力がある役者である。

炎加世子よ、何処へ行ったのだ。



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