よし坊のあっちこっち

神出鬼没、中年オヤジ、いや、老年オヤジの何でも有りブログだ!

映画三昧 - The Girl with the Dragon Tatoo

2012年01月27日 | 映画
スェーデン映画の「ドラゴン・タトゥーの女」を観た。昔の未解決事件をジャーナリストと背中にドラゴンの刺青を入れたミステリアスな女性ハッカーの異色のコンビで解決していく、なかなか面白い映画である。

過去の失踪事件を軸に、ヨーロッパ映画やスェーデン映画に共通のテイストが織り込まれている。ヨーロッパ映画で戦争を取り上げれば、ナチスが出てくるが、スェーデンという中立国は、当時は中立国であるが故にスパイの交差点でもあり、また、ナチス、反ナチスが葛藤する場でもあった。又、スェーデン映画といえば、あのイングマール・ベルイマンの、神と近親相姦のテーマを思い出さざるを得ないのだ。この映画の最後で、失踪者の失踪理由が明らかにされるが、暴力的な近親相姦からの脱出であった。

もうひとつ、欧米映画でも特にヨーロッパ映画を観る時、聖書が隣り合わせである。殆どの日本人は聖書やその物語に馴染みが無いから、もうひとつピンと来ない事が多々ある。日本人が海外に出た時、何が必要かというと、恐らく、ギリシャ神話と聖書に関する若干の知識であろうか。これがあると面白さも倍加するのだろうが、残念にも、よし坊にはそれが欠如しているから、時々分からなくて悔しい思いをするのだ。

現在、ハリウッド製作のダニエル・クレイグ主演のリメイクが上映されているが、リメイクしくなるのがよく分かる。オリジナルを観た今、これを観るべきかどうか、迷う所だ。恐らく観ないだろう。良くも悪くも、基本的にはオリジナルを大事にしたい。

アメリカビジネスの基本ーRESUME文化の重要性

2012年01月23日 | ビジネス横丁こぼれ話
アメリカに進出している日系企業全般に言える事だが、グローバルな企業運営にあたり、決定的に欠落している極めて初歩的な事がある。人は財産である、と言いながら、人の採用にあたってのトップの注目度は極めて低い事だ。そして、その事が会社の足枷になっている事すら気が付かない。人の採用に対しての注目度が低いということは、採用後の人事経営に於いても関心度が低い事を意味し、その結果、アメリカの経営で最も重要視されるべき人事案件で不都合が噴出し、大いに慌てる事になる。

アメリカを語る側面はいろいろ有るが、その一つは、レジュメ文化が基礎にある。日本から企業経営の為に派遣される人の99%がその事に無知であると言っても過言ではあるまい。無知が故にレジュメを軽んじ、例えば、知人に紹介されたと言うだけで何のチェックもせずに採用したり、面接しても、雰囲気と直感だけで採用する等、とんでもない事が今だにアメリカの日系企業で起きている。

人を採用する時、まずResumeを読む事から始め、しかも、よく読みこむ事が肝要である。候補者は会社への最初の接点となるResumeを、渾身の力で書く。採用側もそれに応えて、内容を読み、整理して面接での質問事項を考えておく必要がある。面接の場で、英語の苦手な日本人が米人HRに任せっきりで、全く質問しない事がよくあるが、アメリカ人候補者にネガティブな企業イメージを与えるだけである。英語が苦手なら、通訳を介してでも質問すべきなのである。

実際の失敗例を紹介しよう。
中西部のある日系企業で、日本人セールスを6万ドルで採用しようと募集を出したところ、ある男が応募してきた。この企業の社長は、候補者がハーバード大卒であることのみに興味を示し、日本人だと言う事でガードも大いに下がり、面接も四方山話で終わり、雰囲気がよかったというだけで採用したが、あまりにも営業成績が悪いので、色々調べたら、ハーバード大卒は嘘だったと判明。

相手がアメリカ人であろうと日本人であろうと、レジュメを読み込み、面接時にあらゆる角度からチェックしなければならない。上記のケースは、ハーバード卒で6万ドルのポジションに応募してきた時点で、候補者としてアウトだ。レジュメを読み込む癖をつけていないと、こういう事になる。

”強いアメリカ”は戻るのか

2012年01月17日 | アメリカ通信
世界同時不況が続く中、2012年、世界主要国の指導者交代を真近かに控えて、混沌とした世界経済に出口が見えない。世界の製造工場の役割を一手に引き受け悦に入っていたアジアの大国、中国にも陰りが見えてきた。欧州はユーロ体制の綻びを取り繕うのに必死だ。旧ソ連解体後のロシアが民主化を果たしここまで来たのはいいが、最近の共産勢力の盛り返しでプーチンのチャレンジにも一抹の不安が出てきた。そして何よりもアメリカが冴えない。

身近なところに“弱いアメリカ”を見る。ホリデーシーズンのライトアップ。筆者の住むサブディビジョンでは、2010年末のライトアップは前年に比べかなり寂しくなったが、2011年のそれは一段と寂しくなってしまった。世間では、景気指標が上向いた、などと言う話が飛び交うが、むしろ、日々実感する風は、より冷たくなっているような気がする。

小売業界に目を転じると、不況でも独り勝ちしてきたウォルマートの売り上げが落ちているとの報道が有った。その代わりに、ダラートゥリーに代表される、所謂“百金ショップ”が売り上げを伸ばしているのが2011年商戦の大きな特徴だと言う。

消費経済を支える最大の層はどこの国でも中間層だ。世の中、一握りの大金持ち層と中間層、下層の三つに分けられるのだが、中間層が減れば国力は減退する。日本は“一億総中流意識“の下に右肩上がりを満喫してきたが、バブル崩壊後のこの20年は中間層の減少著しく、その喘ぎが止まらない。アメリカでは、70年代には65%を占めていた中間層は、2007年の時点で44%にまで後退、減少した21%のうち、実に15%が下層へと流れ込んでいる。2008年のリーマンショックは、この中間層を更に減少させているはずである。

世界経済と政治が混沌とする中、全体をリードしていくのは、台頭する中国であってはならないし、共産主義勢力復活の兆しあるロシアでもいけない。やはり‘強いアメリカ’でなくてはならない。‘強いアメリカ’は時として傲慢なくらいに‘正義’と‘法の秩序’を振りかざし、うんざりする事もあるが、やはり‘強いアメリカ’がリードしなければ、世界秩序の維持は難しそうだ。今、共和党の大統領候補者達が舌戦を奮っている。次の米国大統領はその重責を担う事になるが、果たして誰になるか。

イッツ JAZZ-Hubert LawsのFirebird

2012年01月14日 | Jazz
久しぶりにヒューバート・ロウズをフィーチャーしたアルバム「Firebird」を聴いた。

クラッシック曲をまともに聴くのは、スメタナの「我が祖国」くらいだろうか。その他のクラッシック曲は大体ジャズ化されたアルバムから聴くのが好きで、リリカルなナンバーは専らオイゲン・キケロ。バッハだけに限定すれば、ジャック・ルーシェの「プレイ・バッハ」5部作からだ。しかし、たまには少しダイナミックな演奏を聴いてみたい時もある。こんな時、このジャズとオーケストラのコラボ作品である「Firebird」を聴く。

特に、ストラビンスキー作品の「春の祭典」と「火の鳥」を中心に聴き入るのだが、例えば「火の鳥」では、フルートのロウズ以外に、ベースのロン・カーター、トランペットのフレディ・ハバード、ドラムスのビリー・コブハム、パーカッションのアイアート等が参加しており、彼らの音に必死で聴き入る面白さがある。

フルートと言えば、ロウズとは対象的なハービー・マンも聴きやすい。ジャズからラテン、ボサノバへ傾斜していき、イージーリッスニングな、リズミカルな演奏は気持ちがいい。

ハービー・マンは亡くなって久しいが、ロウズはまだ健在だ。

年末年始自動車狂騒曲

2012年01月04日 | アメリカ通信
12月20日、日本からの帰国に合わせて、ニュージャージーに居る娘が帰ってくることになっていた。成田からシカゴに着き電話を入れたが留守電となった。アトランタ行き出発まで2時間ほどあったが、電話がなく、何となく嫌な予感が過ぎった(実はこの頃、娘は自動車の故障トラブルの最中であったらしい)。

アトランタに着いたので、早速電話しようと思ったら、向こうから来た。隣の州、サウスカロライナのグリーンビルでラジエタートラブルで立ち往生、AAA(日本で言えばJAF)に来てもらったが、応急処置でも6万円相当、それで済むかどうかは分からないとの判断。

こういった場合、アトランタの日本人修理に見てもらったほうが確実なので、Towingを頼み、日本人修理屋さんに持ち込むよう娘に伝えた。アトランタまで2時間程度の所での故障なので、助かるには助かった。これが、バージニアあたりで故障していたらお手上げというか、そこで応急処置してもその後の保証は無い。

早速レジエター交換をしてもらったが、やはりエンジンがおかしくなっており、いつ駄目になるかもしれないと言う。1995年モデルのカローラ。娘としては愛着が有るが、既に20万キロも乗っているので、この際買い換えようという事になった。

狂騒曲の第二幕はこれからだった。娘は、事も有ろうか、マニュアルを運転したいと言い出した。かねがねマニュアルに乗ってみたかったらしい。カメラで言えば、オートマがバカチョンカメラで、マニュアルは一眼レフといったところだから、反対する理由はない。問題は、娘は一度もマニュアルで運転した事がないのだ。それを突くと、「お父さん昔はマニュアル乗ってたんやろ」と切り返す。確かに乗っていた。結婚してから5年くらいは、カローラのマニュアルだった。そのあと、カムリのオートマに変えたのだが。当時、オートマに変えたが、確かに面白みが無くなったことを覚えている。

その日から、娘はインターネットで車を探し始め、当然よし坊も連日サーチをさせられた。狙いはもちろん中古。アメリカでは、新車を買う者もいるが、主流は中古だ。最初は50万円クラスを探し、毎日ディーラーへ見に行く。元旦には娘は帰らなければならないから、朝から晩まで車探しの日々となる。中々無いので百万円前後の車に照準を合わせ、連日のディーラー回り。ちょっと気に入ったのが日本車であったので、早速説明を聞きに行くと同時に試運転となった。もちろんよし坊が運転するのだ。ところが、昔取った杵柄が上手く行かない。スタートでエンストだ。これで娘の信頼が一挙に吹っ飛んだ。翌日、娘は近くの運転スクールに電話し、2時間のマニュアルコースを受けてきた。12月30日、漸くいい車に出会った。フォード・フォーカス。しかも5万マイルの2009年物でWarranty付き。これで値段が約100万円はお買い得だ。マニュアル車に相応しい、2ドアクーペ。娘は至極ご満悦であった。

晦日の31日は、近くの広場でマニュアルの猛特訓とあいなった。翌日、娘は昼頃出発し、途中一泊して2日の夕方無事アパートの着いた。ヤレヤレ。今年も何かと有りそうだ。