よし坊のあっちこっち

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胡散臭いトランプでも大統領候補になれるアメリカ

2016年09月28日 | アメリカ通信
大統領選も最終コーナーに差し掛かったが、候補選びに見せた共和党の弱体ぶりはあまりにも酷いと言わざるを得ない。アメリカンドリームと自由の国を謳うアメリカならでは、とも言えるが、それにしても”やり過ぎ”ではないかと思う。

威勢の良いトランプが受けている理由は何かと言うと、長年疲弊して綻びが見える社会システムに置き去りにされた弱者達と政府機関などに勤めていて、そのシステムに矛盾を感じている人達が多い。彼らが見ているのは、今までに無い、既成の政治家には無いトランプの斬新さに憑りつかれているように見える。言い換えれば”目くらまし”に遭っているような感じであろう。

一見、斬新で威勢の良いトランプだが、どんな人物かを考えたら、とてもじゃないが熱狂的フアンにはなれまい。親父の残した大金を受け継ぎ、何不自由なく育ち、不動産王となる過程で、どんなことをして来たか。法律を侵さなければ何をやっても許される、を信条とし、税金を払わないようにあらゆる手を使う。”俺は頭が良くてスマートだから一銭も国税を払ったことが無い”と豪語し、だからビジネスマンとしても優秀であり、大統領となってもそんなクレバーさでやって見せる、と言い放つ。折角何かを変えてくれるかもしれない候補と思っていた浮動層は、何?税金を払っていないし、払うやつはバカだってことか?と愕然とし、あきれ返り、コイツはダメだ、となってしまう。

ヒスパニックへの差別感も相当なものだ。ヒスパニック系のミス・アメリカ代表には”子豚”と蔑むようではアメリカの重要な割合を形成するヒスパニック系の人々の支持は得られない。

いくらビジネスで成功したかと言っても、法律スレスレでやる手腕を自慢するようでは、到底国を任せる器ではない。トランプが大統領になるなら、ヒラリーの方がまし、と考える共和党支持者は増えても減ることはないだろう。アメリカン・ドリームもいい加減似してほしい。

慢心がガウト(痛風)を呼ぶ

2016年09月25日 | アメリカ通信
もう三週間程前のことだが久しぶりに痛風が出てしまった。出てしまったと言うよりは、それ以前から出ていた兆候を軽く見た報いとも言える。兆候を察知し、予防措置をとると言う、かつての戒めは何処へやら消え去り、高をくくった結果である。正しく慢心していたのである。

始めて発症した2006年の痛さに懲り、その後は何かと注意していた。それでも時折兆候が出ては、その都度早めに薬を飲み、水のがぶ飲みを続ければ2日ほどで兆候が遠ざかって行ったのだが、今回は、二ヶ月くらい前に、何となく違和感を覚えていた。痛くないから”慢心”の方が勝ってしまい、ほったらかしとなった結果であろう。

今回は三年前に日本へ行った時に購入しておいたロキソニンSと水のがぶ飲みで何とか一週間で鎮圧が出来たので、ホッとしているところだ。以来、オマジナイではないが、まずビールを控えている。今回は一か月ビール謹慎をしてから解禁とすることにしている。

最近水のがぶ飲みの癖がついて、一日何回トイレに行くことか。それで痛風が出ないならそれも良しとせねばなるまい。

二重国籍問題

2016年09月13日 | アメリカ通信
蓮舫の二重国籍問題は”やはり”と言う結果だった。世間の手前、台湾当局に問い合わせ、併せて国籍離脱の手続きを取った時点で”そういう事”だったわけだ。と言うより、そもそも本人が二重国籍であることは”忘れる”わけもなく、とうの昔から知っているはずなのである。本人は口が裂けても言わないだろうが。

アメリカに住んで20年になるが、この地にも日本人の二重国籍者は多い。アメリカの市民権を取得しても、日本に申告しなければ日本当局は分からないからである。

国籍問題というのは、本人の人生で運命を分けるといっても過言でない程重要だから、そういう環境の親は子の問題に極めてセンシティブであり、そのため子供に対してはその意味をきっちり教えるのがふつうである。子供にとっても最重要課題となるから、しっかり心に刻み込む。昔のことで忘れた、などという事はあり得ないのである。

法律的に二重国籍が許されている国では、例えばアメリカだが、大手を振って歩けるから問題はないが、日本のように認められていない国でも見つからないなら、と二重国籍を保持する理由は何か。簡単な事である。便利でメリットが多いからに他ならない。目先の便利メリットもさることながら、将来”何か”が起こってもそちら側に行ける、サバイバル出来る選択しが増えるからである。蓮舫本人もそういう風に教えられ育ってきたはずだ。特に国際結婚によって生まれた子供は、自己のアイデンティティに極めて敏感である。

さて、蓮舫の二重国籍が何故問題か。一般人ならそれもよかろう。しかし、国を動かす国会議員が二重国籍では、大問題である。どうも本人にはその自覚がありそうにもないが。本人の資質が優れていてどんなに立派な人でも、公的機関に働く者は、その時点で資格は無いと言わざるを得ない。法的に罰する条項が無くても、である。

今年の大統領選の共和党の予備選挙。候補者乱立する中、終盤まで残っていたテッド・クルスに二重国籍問題(アメリカとカナダ)が発覚、この問題だけではなかったが、結局レースから撤退した。二重国籍に寛容なアメリカでも、帰化して大統領を目指すのはまず無理である。それだけ拒否感が強い。あの俳優にしてカリフォルニア州知事を務めたシュワルツェネッガーもそれは出来なかった。名門ケネディのファミリーになっても、それはかなわなかった。

その可能性は少ない、としても第二政党の党首になれば、万一の時には総理大臣になるポジションである。本日現在台湾籍を抜いたから問題ないでしょ、では筋が通らない。それを黙ってみている民進党も、”やはり民進党か”の一言に尽きる。この党は早く党を割らなきゃだめだろう。

蓮方も国籍離脱後の”雑巾がけ”修業が必要なのだが、さて本人はそのなさそうだ。自民党は手ぐすね引いて次の国会を心待ちにしているはずだ。

映画三昧 - SULLY(サリー)

2016年09月12日 | 映画
9月に入ると映画もアカデミー狙いの話題作が続々と登場する。先週の金曜日に封切られた話題作のひとつ、SULLY(サリー)を観てきた。見応えのある映画だった。

事件や事故がメディアを通して報じられて我々は初めて何が起きたのかを知るが、それは断片的な場面の切り取りであるから、その後何が起こったのか、真相はどうだったのか、は知る由もない。

2009年1月15日に起こり、「ハドソン川の奇跡」として時のヒーローとなったUSエアの機長サレンバーガー(愛称サリー)とその事故の概要は、他の事件や事故が常にそうであるように、その後数日間続く新聞やテレビ報道で知る域を出るものではなかった。事故の概要を簡単に言えば、鳥の吸い込みによる二基のエンジン停止ーハドソン川に不時着ー乗客乗務員全員救助ーヒーロー機長の誕生 と言う流れとなり、めでたしめでたし、で終わり、そしていつの間にか我々の前から忘れられていった。しかし、事件であれ事故であれ、その真相と裏で何が起こっていたのかを我々が知るのは、その後の裁判や、公的機関による調査、時にはジャーナリスト魂旺盛な記者による地道な資料などによって、漸く分かるのである。この映画は、当時書きたてられた機長のヒーロー話の陰で、機長が直面する苦境にもがいた人間の苦悩の物語である。

サレンバーガー、サリーを演ずるトム・ハンクスがPTSD(心的外傷後ストレス障害)に悩まされる場面から映画は始まる。

映画は、事故調査委員会での”ハドソン川に着水しなくとも、空港に戻れたのではないか”が争点となる。事故の責任の所在で、損害補償の向け先が変わってくるから、機体製造メーカーや損保会社にとっては重大な関心事となる。

検証委員会では、機長の主張する二基のエンジン停止に対し、委員会側から一基は破損していたとはいえまだ動いていたのでは、との提起があり、それに基づいたシミュレーションで、無事空港に引き返せた事を立証しようとする。

サリーは委員会側の主張を否定し、更にシミュレーションそのものの有効性についても疑義を唱える。フライトレコーダーとボイスレコーダーからのデータを機会に入力してのシミュレーションにはヒューマンファクターが無視されている、と主張する。そして、審議の途中で動いていたとするエンジンが回収され完全に破損していたことが報告され、それに基づいたシミュレーションで、飛行機が空港には帰れない事が判明する。

サリーはこの映画で最も重要な一言を言い放つ。「いまだかつて全エンジンが停止した状態で訓練やシミュレーションして成功した者がいるだろうか。全エンジン停止状態はリアルなのである。シミュレーションではない」。この一言は委員会側に突き刺さる。

早々とオスカーレースに登場した感があるこの映画だが、この映画の関係者により興味深いコメントがある。「撮影の最中、映画を指揮するクリント・イーストウッドは立ちっ放しで指揮を執り、主演のトム・ハンクスも彼の傍らで同じように、あたかもイーストウッドの一挙手一投足と息遣いを感じ取ろうと役作りに没頭していた。」

日本で言えば、高倉健の映画に対するあの姿勢であろうか。

Wells Fargo 金融スキャンダル

2016年09月09日 | アメリカ通信
アメリカのトップクラスの銀行、Wells Fargoで大スキャンダルが勃発した。当初の発表では、売り上げを伸ばす為に導入した報奨金プログラムの恩恵に与ろうと、架空口座を作り、顧客口座から密かにお金を移し、あたかも新規顧客を増やしたかのように見せかけ、成績を上げて報奨金ボーナスを獲得する、との報道であった。そして事件の発覚で5000人以上の社員がクビになったと言うから大がかりだ。大がかりと言う事は、組織的と言う事になる。その後明らかになった実態は、報奨金云々以前の、Wells Fargoが醸成しきた悪しきに起因するらしい。Wells Fargoの企業カルチャーと言えるかもしれない。

Wells Fargoの営業ノルマは、通常レベルとはかけ離れた、非常に高いハードルが設定され、それをクリアするために顧客に無断で、顧客の別の口座を作り、資金を移動させ、その都度手数料を会社の実績に付けていく、と言うやり方だ。

”銀行”は巷では頗るイメージは良い。日本でも”銀行に勤めている”だけで信用度は一挙にアップする。が、お金が集まる所にワルが集まるから、銀行の華やかな表看板とは裏腹に、きな臭い、ダーティなあぶくの異臭が常に付き纏う。

銀行がよく使う手は、例えばローンのレートを誤魔化したり、海外送金等の為替レートを操作したりで、こすっからいことを平気でやるから、困ったものである。一般顧客はただただ信用しているから、そんな不正をちょこちょこやられても検証のしようがないのである。

今回のスキャンダルも、単に下っ端だけの問題ではなかろう。大体、企業で働くと分かるのだが、ここまで集団で発覚したという事は、上が知っていて了解(暗黙でも)してなければ出来ない話だ。

さて、どのランクまで知って知らん顔していたのか。それにしてもジョン何がし とかいうCEOは昨年の年俸が約20億円相当という。こういう連中は責任を取って辞めても、貰うものはしっかり貰って辞めていく。これがアメリカなのだろうな。