よし坊のあっちこっち

神出鬼没、中年オヤジ、いや、老年オヤジの何でも有りブログだ!

”斬首”を言わない日本のメディアのいい加減さ

2015年01月30日 | いろいろ
日本ではISILの日本人人質事件でテレビの新聞も埋め尽くされていると聞く。そんな中、ジャーナリストその牧野 洋氏が、人質だった湯川さんの公開された”死”に関して、日本の大手、あるいは有名と称されるメディアのいずれも、”斬首”されたとは報道せず、あいまい表現で逃げているいい加減さを一刀両断のもとにバッサリやっている。外国人が斬首されたら”斬首”とし、日本人なら別の表現をするという、およそダブルスタンダードを平気でやる神経を疑っていて、まったく同感である。今更ながら日本のメディアのお粗末さ、いい加減さは救いようのないレベルにあるのだろう。牧野氏によれば、それでも若干ましなのが産経新聞で、見出しでは表現しなかったが、記事中で斬首にあたる表現をしたとのこと。

今の大新聞は図体がでかいだけだ。朝日は大昔から偏向報道が酷く、最近大恥を掻いた例の慰安婦問題のねつ造事件は、偏向朝日を象徴する出来事だ。読売も昔から購読者勧誘ばかりに血道を上げるだけの新聞としか思えない。毎日もしかりだ。ただ、産経だけは慰安婦問題を含め他社とは一味違った取り組みをしてきたのは、一読者として実感する。よし坊も相当前になるが、ニュースは産経を中心に見ることにしている。

それにしても、外国人が斬首されたら、そのまま報道し、日本人だとオブラートに包むとは、どのような神経をしているのだろうか。差別報道と非難されても仕方あるまい。それにしても”何故?”が残る。

思い起こしてみれば良い。江戸時代ん武士道の中で、けじめを付ける死に方が切腹だが、トドメは斬首である。犯罪人の死刑も斬首だ。これがヨーロッパではギロチンとなる。見る対象としては確かに残酷に見えるが、死の苦しみを味あわせぬ一瞬の死、を考えれば、最もシンプルにして親切な方法であろう。また、銃が発達したところでは銃殺となろう。いずれの方法でも、刀を使えば、一瞬で打ち落とす技量が必要で、銃なら心臓を外さない技が不可欠だが。

今のアラブ世界では、まだ斬首が一般的な方法として残っている。日本では過去のものとなったが、場所を変えれば現代でも日常に存在する、と言う現実がある。そんな現実が外国人に使われたら平気で生々しく書くことに躊躇がなく、それが日本人となると、途端に「そんな残酷な書き方で日本人を記事に出来ない」となるのか。全く理解に苦しむ日本人のメディアの人間達である。

そんな連中が、何かあれば、報道の自由だとか真実を報道する、等と息巻くが、まことに滑稽な、安っぽい絵のように映る。

映画三昧ーAugust:Osage Countyとメリル・ストリープ 

2015年01月20日 | 映画
メリル・ストリープの映画は、いつ観ても、その演技に感心する。つくづく上手い役者だなと思う。やはり、アカデミー最多のノミネーションに加え、3階のトロフィーを手にしているのが、その証だろう。そのうち、キャサリン・ヘップバーンの4回に並ぶ日が来るのではないか。是非そうなってもらいたいものだ。

August:Osage Countyも見応えのある作品だ。題名の通り、オクラホマのオセージ郡に住む父親の自殺によって集まった家族達の夏の数日の物語である。夫々の生活を背負って集まった娘達と連れ合いや孫、妹夫婦の家族らが交わす会話から、様々な問題がぶつかり合う中で、癌で薬漬けになり精神的にも荒廃していたはずの母親(メリル・ストリープ)が、伊達に人生を生きていない母親の眼力で、夫々が抱える問題の核心を突いていく。

最も印象的な場面は、葬式の晩の全員の会食だ。男どもが思い思いのラフな服装で食事を始めようとするのだが、ストリープ演じる母親が、「そんな服装で死者を送るのか」と一喝する。男達が慌てて上着を手にするのが面白い。恐らく、この場面から、観客はストリープの演技にのめり込むはずである。インパクトの大きい場面だ。

夫の浮気を機に別居している気の強い長女に対しては”丸くなれ”と説く。女好きのダンディな彼氏を連れてきた次女には”ろくでもない危ない男”と喝破して警告を発する。三女が好きになった従兄が実は母親の妹に産ませた異母弟だったことも明るみにでるが、これも既に母親の中では先刻承知の話で、全く動じない。

最後は、新たに得た事実を思い思いの胸に秘めながら、それでも今までどおりの延長線上の日常に皆戻って行くようにみえる。

ストリープに加え、長女のジュリア・ロバーツも熱演である。

生き延びるアルカイダの残党たち

2015年01月14日 | アメリカ通信
今日のCNNが、パリのテロ事件でアルカイダが犯行声明を出した事を報じた。2010年、執念のマンハントでオサマ・ビン・ラーデンを葬られたアルカイダの残党たちは、イェメンに拠点を移したのだが、豊富な資金のもとに着々と次の標的準備をしていたということになる。

今回の事件は2011年から計画されていたと言う。以前から言われているように、オサマ以降のアルカイダのやり口は、地元の不満分子をリクルートし、時間を掛けてHomegrownテロリストを養成することにある。テロリストとして訓練し、地元に帰し、時が来たら事件を起こす。最近話題のシリアのISISもアルカイダの分派で、同じような手法を取っており、真に厄介な仕組みだ。

今回はパリが標的になったが、最も懸念される標的は、相変わらずアメリカだろう。過去の世界の主だったテロはいずれもイスラムの過激派による。アメリカのイスラム勢力は宗教的には第三オ勢力で、キリスト教ユダヤ教に次ぐ。穏健派が多数とはいえ、過激派醸成の基礎は十分である。2013年に起きたボストンマラソン爆破事件も過激思想に転じたイスラム信者の兄弟だった。イスラムグループへの監視が厳しくなるのは仕方あるまい。9.11以降、アメリカでのモスク建設がうまく進まないのは、住民の反対が根強く、当然の流れだろう。

日本でも最近、イスラム親派の某大学教授のリクルートで、恐らくそれ程知識も無い大学生がシリア渡航を試みたとのニュースや、イスラム信者の夫婦がシリアへ渡航したらしいというニュースも出てきたぐらいだから、地下運動が世界的に相当広がっている気配である。

パリのテロ事件の一味で射殺された犯人の一人のガールフレンドがシリアへ脱出したらしいと報じられたが、彼らをサポートする組織が機能しており、脅威である。

彼らテロリスト達は次の標的の準備に入っていると見て良いだろう。”次”が起こらないことを祈るばかりである。

弱いアメリカは見たくない

2015年01月12日 | アメリカ通信
”黒人初の大統領”は何だったのか。そんな問いが現政権終了と前後して一斉に聞かれるに違いない。まだ二年の任期を残すオバマ政権だが、先ごろの選挙で大敗し、レイムダックに陥ったオバマの存在感が希薄だ。

生々しいパリのテロ事件後に結集したヨーロッパ他の主要リーダーの集会にオバマの姿はなく、いささか驚いた。テロに対し、いかなる国よりも憎しみの炎を燃やし続けてきた国であるはずで、良くも悪くも「世界の警察」を自認してきた”強いアメリカ”が消えている。

アメリカ株式会社。会社に例えれば、オバマが社長である。黒人層と人種を問わない新しい世代の期待を担って登場した新進気鋭の若い黒人大統領だったが、殆どの局面で中途半端に終わったのではないか。黒人層からの熱過ぎる期待には、黒人がゆえに躊躇せざるを得ないことが多々あったはずだ。恐らくこの反動は大きく、当分の間、それも相当長きに渡って、次の黒人大統領候補が出てくることはあるまい。オバマは、社長の器ではなかった事と、黒人初という足枷によって、社長業を全う出来なかったと言えよう。

今になって、あの、やんちゃなブッシュが懐かしい。少しやり過ぎではないかとも思えたブッシュのアメリカは、チェイニーとラムズフェルトという二人の強面を従えて、世界に吼えていた。吼えればよい、というものではないが、今のオバマとその政権は”頭が良くてスマート”感が否めない。

次の共和党の候補者に、既にジェブ・ブッシュの名前が出ている。ブッシュ弟だ。何やら因縁めいてきた。

Horrible Boss

2015年01月05日 | ビジネス横丁こぼれ話
企業パワハラを扱ったコメディタッチの表題映画の二作目が最近公開された。実際に起こりうる内容で、結構楽しめるが、現実に自分の上司にこんな「酷い上司」が来たら大変だ。場合によってはその人の人生設計が変わってしまう。

日本に居た頃に間近に見た光景を思い出す。筆者の属する事業部の技術開発部門。空席の部長席に他事業部で余った部長が着任した。着任当初から下の課長に難癖をつけ、辺り構わず大声で課長を罵倒する異常な場面が何度もあり、この課長は辞めていった。パワハラなる言葉が存在しない時代の出来事だった。

パワハラを振りかざす「モンスター上司」は何処にでも居る。この厄介物から逃れるのは並大抵ではないが、アメリカ社会と比較すると日本では独特の難しさが伴う。何しろ、“労働流動性”の低い日本の労働環境での転職はリスクが高く、失敗したらリカバリーが難しい。だから、耐えて耐えて、また耐える。

その点労働文化の異なるアメリカは日本に比べましである。アメリカでも転職にはエネルギーが必要だが、“転職社会”だから日本のようなストレスは少なく、失敗してもリカバリーが利く。だから「モンスター上司」が来たら新しい職場を見つけてサッサと辞めて行く。以下はニュースに掲載された、実際に起こったHorrible Boss例の一端だが、半端ではない。

1.It’s OK when I do itタイプ
所はNY州ロチェスター。この上司(女性・独身)の下で働いた人は、例外なく次の3つのどれかに該当するという。辞める、配置換えを申し出る、初期の神経衰弱に罹る。この上司は部下の女性が子供の病気を理由に自宅ワークを申請しても尽く却下していた。ところが、彼女も結婚し子供が出来た。ある日子供が病気になり家で仕事をすると会社に連絡、その後も同じ事を平然と繰り返していると言うから恐れ入る。自分のやることだけがルールなのだ。

2.The Evil Twinタイプ
所はメリーランド州ベセスダ。ハリエンの上司は彼女にはガミガミ口調、彼女からの電話は途中で切る、彼女を無視して周りの部下と話す。ところが暫くすると、何事も無かったように、にこやかに彼女に話しかける。この繰り返しだったと言う。正に悪魔の双子、ジキルとハイドと言っても良い。