よし坊のあっちこっち

神出鬼没、中年オヤジ、いや、老年オヤジの何でも有りブログだ!

親父の歳までやって来た

2015年10月25日 | いろいろ
今日68回目の誕生日を迎えた。漸く親父の歳までたどり着いた。親父は68歳、正確に言えば68年と半年で亡くなった。よし坊38歳の時だった。この時から最初の目標が決まった。68歳までは行こうと。

親父の葬儀では忘れられないエピソードがある。

今と違い、昔は家で葬式を出したのだが、出棺の前に家の前で、喪主の挨拶をした時である。前日暗記していた挨拶を始めたのだが、途中で忘れてしまい出てこない。頭をフル回転したが全く出てこない。そのうち葬儀屋が来て、傍で耳打ちしてくれた。「最後の挨拶の部分へ飛んでください」。この出てこない沈黙の時間は一体どれくらいだったのだろうか。ともかく、最後の部分を言って挨拶をどうにか切り上げた。

忌引き休暇を終えて出社した時の事。参列してくれた会社の面々が口を揃えた言った。「あの時は君もさすがに感極まったんだろうな。いやそんなもんだ」。

そういうことか。あの沈黙は周りから見れば「感極まった」ことになるのだ。そして、状況からして、そう考えるのが自然でもある。葬儀の前日、何回も何回も暗記の練習をした成果があの様だとは言いだしかねて、「いやっ」と頭をかいて場を引き取った。

その晩、いつものアフター5の飲み会で、諸兄の酔いが回り始めたころ合いを見計らって、おもむろに空白の時間のネタ晴らしをさせてもらった。「なんや、そうだったんか」

さて、節目をクリアーしたところで、この先どこまで行ってみようか。今の世の中、長生きをするのが幸せではない。はてさて、どうするか。長生きする人多けれど、巷の動向見てみれば最後のページの最大公約数はどうも70代だ。となればあと10年程度か。それほどの年が残されているわけでもなさそうだ。

毎日毎日、笑って過ごせればそれでよし、か。

歯の話

2015年10月12日 | アメリカ通信
人間、歳を重ねれば知識と経験を身に着け、歳相応の「人間」になれるはずだが、なかなかそうもいかない。よし坊の歯もそのひとつである。

歯医者に行ったという話を聞いたことが無いほど母親の歯は丈夫そのもので、いまだに健在である。母に似たせいか、母ほどではないが、よし坊の歯も割合丈夫できた。その点、弟や妹は父に似たのか、昔から歯が悪かった。よし坊の中に小さいころから、歯が丈夫だから、と言う慢心があったのは明らかだ。

最近になって、つくづく自分の歯の管理、ぶっちゃけた話、歯の磨き方の基本が成っていないことを痛感している。もうすぐ68の誕生日を迎えるというのに、歯の基本に関しては、この体たらくである。

今年の春、隙間だらけになった前歯がぐらついたので、久しぶりに行きつけの韓国人歯医者に駆け込んで、治療してもらったのだが、その時に歯の磨き方の基本を説教され、自分では分かったつもりでいた。4か月後のチェックでこっぴどく怒られた。「あんたの磨き方は失格だ」。顔を見ると本当に怒っていた。67年生きてきて初めて本気で歯磨きに挑戦することになった。次のチェックが12月にある。その時「合格」をもらうために、今必死に歯を磨いている。隙間だらけの歯だから、食事をすると兎に角詰まる。だから、毎回隙間掃除をする。

歯磨きをしていると面白い。いろいろな発見がある。この歳になっての発見もないだろう、と思われるだろうが、これが意外と面白い。歯磨きの前に口を4~5回濯ぐ。口の中は嵐の如くである。これで大概の残骸は流れ落ちる。そしておもむろに歯磨き粉を付けるのだが、極々薄く付ける。

歯磨き粉のコマーシャルでは歯ブラシの上にたっぷり練り歯磨き乗っているが、これほど無駄なことはあるまい。歯磨き粉の役割はなんだろう、と考えると、泡立ち効果によるクレンジングと口臭緩和くらいだろう。そうであれば厚塗りは不要で最小限でよい。最小限をどのくらいの量にするかは各人の判断だが、極薄で十分泡も立ち、口臭緩和も出来る。厚塗りすれば効果あり、と思いこむ落とし穴である。同じサイズの歯磨きチューブを買っても、妻のチューブはあっという間に無くなってしまう。

大人になるまで、それなりに虫歯も治療してきたが、最大の痛恨事は歯槽膿漏だ。日本に居る時、歯茎が腫れて、会社の診療所で提携先の歯医者を紹介された。その都度なおすのだが二三年すると又腫れる。その繰り返しで何回か通ったものだが、基本は自分の歯のケアに落ち度があったのだろうが、毎回通院するたびに、「何故こうも頻繁におこるのだろう」と思っていた。

アメリカに来るとき、歯茎の炎症に効くというナントカ製薬のアxxという市販品を数本持って来た。案の定、アメリカ生活が始まってすぐ歯茎の同じところに炎症が起こった。一生懸命アxxを塗り、マッサージするが埒があかない。限界を超えたので行きつけとなった韓国人歯科へ飛び込んだ。

ドクター・リー曰く、「なんでこうなるまでほっといた」。数日後に抜本的歯茎手術が施された。それが今から約20年前である。以来、炎症も起こらずきたのだが、日本のアノ歯医者は何だったんだろう、と今でも思う。

この12月のチェックでは何とか合格点を取りたいものである。歳をとっても人間、なかなか一人前にはなれない。

Toshiba不正会計に見る日本的問題

2015年10月01日 | ビジネス横丁こぼれ話
今やグローバル市場でも認知度の高いTOSHIBAの不正会計が明るみに出て揺れている。マスコミでは”会計の不適切な処理”という曖昧な、柔らかい表現を使っているが、早い話が”粉飾決算”なのである。しかも、3代の社長に渡って粉飾の陣頭指揮を執ってきたと言うからあきれる。東芝と言えば思い出される二人の社長、石坂泰三と土光敏夫。この二人は東芝にあって格別な存在であり、その象徴であった。彼らの遺志を継いで築き上げてきた栄光の東芝は、今回の不祥事で一挙に”負の遺産”を背負い込んでしまった。

1970-80年代、筆者も営業の最前線にいた。売り上げ計画を策定すると、上から一割や二割増しの目標数値が示され、毎月それに向かって突進となる。計画通り事が運べばよいが、殆どが計画未達で、その都度上司から”お小言”を頂戴したものだ。営業の日常である。だが、お小言の度が過ぎて人事権をチラつかせた”命令”となれば只事ではなくなる。会社組織も上下社会で、常に下が弱者である。パワハラを武器に、すべて承知で下を不正行為に追い込んでいく。これでトップ主導の犯罪的行為集団がいとも簡単に出来上がってしまう。

それにしても社長3代に渡っての不正行為は”異常”の一語に尽きるが、もともとの日本全体の”甘い体質”が見え隠れする。その意味では、日本は先進国とは言い難く、中進国が相応しかろう。欧米から入ってくるコーポレート・ガバナンスとかコンプライアンスを模倣はするが、全く地についていない。昔から監査役制度はあるにはあるが、沈黙のお目付け役である。社外取締役制度も作るが、体裁を重視した名誉職的色合いが濃い。

およそ制度を改善し発展させていく大きな節目はスキャンダルが持ち上がった時である。今回の事件が”不適切会計処理”などと矮小化せず、思い切った改革を産業界全体が目指さねばならない所だが、その逆を目指しているから、中進国から脱出出来ない。

そこで思い起こされるのが、約15年前アメリカで起こったエンロン事件。トップのNo.2が主導し、No.1が黙認した不正取引が内部告発で発覚したこの事件は、その後のアメリカの会計倫理や企業の内部統制問題を大きく変えた。司直はトップ達をムショ送りにし、世界的会計事務所のアーサー・アンダーセンを解散に追い込んだ。不思議なもので、アメリカと言う国は、大きな問題が起こると、それを常に前向きに捉え、前進させようとする力がある。

アメリカのオリジナルを引き取って模倣以上の高品質製品を作る事に存在感を示してきた日本だが、こと制度やルールの面では模倣さえも出来ていない。何故だろうか・・・・・・