ドイツ日記 Les plaisirs et les jours

ドイツに滞在して26年経過。2年後に日本へ本帰国予定。ゴルフを始めて4年半ですが相変わらず下手な初心者ゴルファーです。

2人の関係は?

2005年06月14日 | 日記

この市にはたくさんのダンス教室があるけれど、それらプライベートなダンス教室とは別にダンススポーツクラブというのが2つあって、そこの上級者たちは各種の競技ダンスコンテストに出場してたりするんだけど、私はH氏とそのクラブの一つに所属することになった。ここには普通のクラスのほかに日本人だけのクラスがあって先生も日本人女性。取り合えずこの日本人だけのクラスに所属してすっかり忘れてしまったダンスの特訓をすることにした。で来週の日曜日には日本へ帰国する人と我々新会員の歓送迎会がさっそく行なわれることになったのだが・・。他の会員たちが我々2人の関係を興味津々の面持ちで見ているような・・・。「ご主人様ですか?」と言われた一回り以上年下のH氏はゲラゲラ笑い出してしまうし、「僕そういうふうに見えるのかな・・うれしいなあ・・。」と感激しておる。でもその言い方が女の子っぽいんだわ。実は夫婦でも恋人同士でもなくって単なる知り合いでしかも彼はゲイってことを歓送迎会でどうしらばっくれたらいいものか・・。H氏は「自己紹介とかしなくてはいけないのかな、ドイツ人のグループだったら、2人の関係は?とか誰も気にもかけないし聞いてくることもないけど、日本人との付き合い方忘れてたよぉ~。」と今から今度の日曜の夜のことで頭を悩ましているみたい。

倉橋由美子さんの死

2005年06月14日 | 読書
「パルタイ」を読んだのは高校生の時だったのか大学生になっていたのか・・もう定かではないけれど彼女の書く文体が好きで、あの頃彼女の作品はほとんど残らず、そして何度も繰り返し読んだものだった。「パルタイ」に始まって「貝のなか」「雑人撲滅週間」「婚約」「暗い旅」・・・。
何しろ登場人物がイニシャルだけで、話もカフカ的だったり、カミュ的だったり、所謂日本の私小説みたく湿っぽくないのがとっても気に入ったのだ。同時代に読んだ大江健三郎よりはるかに私の心にズ~ンと共鳴した。そしてその頃から私は女性の書く作品しかちゃんと読まなくなってしまった。男の書くものは嘘くさくって読んでられなくなってしまったのだ。
結局倉橋由美子の小説は捨てられなくて作品集や単行本数冊をドイツまで持ってきてしまった。もう1人のお気に入りの作家金井美恵子の小説・エッセイ等と一緒に。最近は本棚に飾ったままになっていたけれど、これを機会にもう一度彼女の作品を読み直してみよう。拡張性心筋症だったんだ。確か1935年生まれだから今年70歳になるところだったんだ。まだ若いよね。もうあの毒の効いた作品も読めなくなるんだ。彼女は私の青春時代に間違いなく私を夢中にさせた作家のひとりだった。合掌!