ひとみさんのおうちごはん 「よろしゅうおあがり」

自然の恵みをいただいて、こころとからだが心地いい暮らし

映画「天のしずく 辰巳芳子 “いのちのスープ”」の試写を観てきました。

2012年08月04日 | ごはんよもやま話

 

7月30日(月)、東京・牛込箪笥区民ホールで「2012夏期学校給食学習会」があり、参加してきました。

横浜市は給食があるのは小学校の間だけ。

私の子どもたちはもうとうに給食を食べることはなくなり、普段は考えることもしないのですが、もう8年も前、PTA会長をしていたとき民間委託の波が押し寄せてきて、このことに向き合うこととなり、この夏期集会にも参加したことがありました。

そのとき、給食はただシステムとして、食育の一環として、決められて毎日提供されるだけのものではなく、子どもたちにとっていろいろ大きな意味を持つのだということ、その反面政治的というかいろんな人たち・立場の思惑によって左右されてもいるのでは・・・ということなど、様々な面を見ました。

なので、本当は2日間あるうち全部のテーマ、講師の先生方のお話を聞きたかったのですが、諸事情があり、今回絶対行きたいと思った理由の「辰巳芳子先生の講演」と「天のしずくの試写会」だけは観たい・・・と思って出かけていきました。

 





2月の「大地を守る会のオーガニックフェスタ」でも辰巳先生のお話を伺うことができ、大変感銘を受けて帰ってきましたが、だからこそ2回目となるこの日は前回よりもう少し冷静に(前回は初めて拝聴する辰巳先生の声だけでも舞い上がっていました)ひとつひとつの言葉をしっかりと聞くことができるかしら・・・、そうしたいと思っていました。

午前中は「福島からの報告」を聞けただけでしたが、震災後の福島の栄養士さんたちの並々ならぬ努力が心に響きました。




さて、午後です。
たまたまとれた席は映写機?のすぐ後ろでしたが、2番目のど真ん中でかぶりつき状態。もうこれだけでドッキンドッキンです。
辰巳先生が登場され、大地を守る会・全国学校給食を考える会の吉田和生さんが聞き役にという形でお話が始まりました。

「学校給食を日本の希望にしよう」が今回の講演テーマでした。

辰巳先生からいくつかの問いかけがありました。

「給食を食べる子どもたちの年齢というものは、人生にとってどのような意味をもつか」

「食べたいもの、食べているもの、食べさせなくてはならないもの」

「いのちとは何か」

「人間にとって『おいしい』という意味はどういうところにあるのか」・・・

みなさんはどういうふうにお考えになるでしょうか。

 

辰巳先生は、この時期の子どもたちの年齢は歯が生え変わるように「身体的生え変わり」が行われている、一生の体力をつくり、人生を支える原動力になる、そういう年代だとおっしゃっていました。

その年代の一日のうち一食を担う給食。

来られていたのは多くは栄養士の先生だったようです。講演の内容は「給食」という観点からでしたが私にもたくさん心に響く言葉があったように、会場にいらした給食に携わる方々にはさらにもっと先生の思いが深く伝わったと思います。

 

毎朝、宇宙の中の自分を感じながら起きるとおっしゃっていた先生、私たちは神仏に手を合わせる謙虚さをもつこと、それが持てないと命を預かることに携われないとおっしゃっていました。

書くのは簡単ですが、その思いを持っていつも食に向かうことは難しい。でも、私も私なりにやってみよう、そしたらもっと見えてくることがあるかもしれないと思いました。

 

講演の中で、日本一おいしい煮干の紹介がありました。

今の日本では煮干でだしを取ることが少なくなっているとのことで、伊吹島の煮干を休憩時間に試食させていただくこともできました。

これが本当においしかったのなんの。

初めはしょっぱさも感じます。でも、口の中で含んでいると甘味さえ感じます。そして、全部食べ尽くしてみると意外なことに喉が乾きません。さっぱりしているのです。魚くささなど全然ありません。

そして、粉末状の袋入りの紹介があったので、私もひと袋買ってきました。

それから味噌汁のだしに使ってみましたが、これを白いごはんにかけるとめちゃくちゃおいしいふりかけになります。何も入ってません、煮干100%。ちょっとはまりそうです。

 

 

さて、そのあと、「天のしずく」の上映です。

美しい映像は、辰巳先生の日常、食べものと向き合うこと、日々のお台所、素材ひとつひとつへの慈しみ・・・などを映し出していきます。

庭の作物を集められるご様子、お料理の様子、お教室の様子、そして心を込めて作られるスープ・・・。

気がついたら知らぬまに涙があふれ、止めようとしても止まらず、それどころかしゃくりあげそうになる始末。

心がふるえたのです、「食べることは愛すること」、その先生のお言葉がそのまま一環して表されている、本当に素晴らしい映画でした。

 

お話を聴き、映画を拝見し、自分自身を省みました。

感動でいっぱいになりながら、自分のいたらないことばかりが浮かび上がり、ぼおっとして帰途についたのですが、こうしてまた大切なことを知ることができた、ふれることができた、それはとても有り難いことです。

これからもっと成長していこう、心がふるえた、感じたことを大切にし、原点からもっともっと勉強していきたいと思います。

 

 

「天のしずく」は辰巳芳子先生のドキュメンタリー映画ですが、お料理に携わる人だけでなく、食、暮らし、人、心・・・さまざまなことを考え大切にしている人、お子さんのいる方、すべての人に観て欲しいと思いました。

11/3より全国ロードショーが始まります。ぜひぜひたくさんの方に観てほしいです。

 

「天のしずく 辰巳芳子 “いのちのスープ”」  → こちら

 

予告編の動画も見られますよ。


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