横浜映画サークル

サークルメンバーの交流ブログです。

メンバーの鑑賞感想や映画情報など気軽に記述しています。

映画『凶悪』残虐性シリーズ(その4-5)サイコパス化過程とサイコパスまんじゅう他

2016-04-22 07:41:52 | 映画凶悪・戦争のサイコパス残虐性シリーズ

(その4-4)の続き。

(d)サイコパスまんじゅう内部での健常者のサイコパス化過程

(ⅰ)サイコパス化過程の4段階

まんじゅうサイコパスは健常者を自分と同じサイコパスにしたい衝動(サイコパス化衝動)を持つ。サイコパスまんじゅうの内部で健常者は真白化を経てサイコパス化する。それぞれ前期と後期に分かれ、全体として4段階になっている。この4段階は次の項目の「逃走4レベル」と合わせて理解すると理解しやすい。具体例は後の項の例13「北九州監禁殺人事件」例14「尼崎監禁殺人事件」で示す。

真白化

1段階真白前期簡単には逃げることができないこと、逃げることに失敗した時の恐怖から現実を受け入れ、当面の生命の危機を回避するため、逃げる行動をとらなくなる。サイコパスによる監禁だけでなく一般的な監禁状態で生ずる心理状態。「感情喪失」には至っていない。心理学用語の「学習性無力感」がこの状態に近い太平洋戦争で健常者が赤紙(召集令状)を受け取った時期

2段階真白後期サイコパスの行為が理解できず、思考停止(頭が真白)状態。サイコパスが行う残虐な現実を受け入れる以外に選択支がない。目の前の残虐虐待を受けることからから逃げることができない絶望恐怖などの感情が消滅し、何も感じなくなった状態。意志や判断力の喪失。疑似サイコパス準備期と言える。脳では、抑制神経伝達物質GABAなどの放出が強く行われて、扁桃体が機能停止状態に入ったと考えられる。心理学用語「解離」がこの状態に近い。【太平洋戦争で健常者が戦場の残虐さに直面した時期

本シリーズで特記のない真白化は真白後期への移行を言う。真白化は「ロボット化」と同義語。監禁状態で短期間に激しい残虐に直面した場合には前期と後期の境が明瞭でない。例13「北九州監禁殺人事件」では前期、後期の境がはっきりしないが、例14「尼崎監禁殺人事件」川村家では前期、後期の境がはっきりしている。 

②疑似サイコパス化

3段階疑似サイコパス前期:真白化で意思・判断力を喪失しているため容易にサイコパスの指示に従い他者を虐待することやサイコパスの行動を見て同じ行動をとる(サイコパス行動の映し込み)。逃げることができず、残虐な現実の絶望とともに従わないときの制裁虐待が背景。この段階ではサイコパスの言う通りに他者を虐待する。マインドコントロール(呪縛洗脳)下と言える。指示通りにするかどうかを近くでサイコパスが見ている条件下で行う。すなわちサイコパスの意思は「隣在の空気』」となっている。【太平洋戦争で健常者が上官の指示に従い残虐行為を行う時期

4段階疑似サイコパス後期サイコパスの指示がなくても、サイコパスが近くにいなくてもサイコパスの意思通りの行動をとる。外観上サイコパスと変わらない。遥か遠方でもサイコパスの意思を感じることがこの状態になる必要条件。すなわちサイコパスの意思は遠在の空気』」となっている。【太平洋戦争で上官がいなくても健常者が自ら残虐行為を率先して行う時期】。扁桃体は機能停止状態のため長期になるとサイコパスと類似の「逆転快」を感じるようになっている。逃げることができず、残虐な現実の絶望従わないときの制裁虐待とともにサイコパスと同様の「逆転快」が生じていることがこの時期の特徴となる。サイコパスと同様徹底的に残虐になっている。この段階を長期に続けると、事件が解決した後の呪縛解放に長期を必要とすることがある。場合によっては一生完全な呪縛解放は困難になる。呪縛解放とは偏桃体の機能回復のことである。以上をまとめると下記表の通り。 

サイコパス化の段階

健常者サイコパス化移行条件

サイコパスとの関係位置

呪縛解放後、回復必要期間

真白化

真白前期:逃げることをあきらめる。学習性無力感

逃走失敗を考え、当面の生命の危機を回避するため逃げられない。・逃げることができない絶望。

監禁初期。逃げないだけで、残虐行為を見たり受けたりはしていない

偏桃体は健全なままなので、呪縛されていず、救出と同時に自分を取り戻す。

真白後期:残虐や恐怖に何も感じなくなる。解離

・逃げることができない絶望。 ・残虐を受け入れる絶望。

監禁初期。サイコパスの残虐行為を見る、または受ける

短期間に回復。他者へ虐待していないので回復が早い*3

疑似サイコパス化

疑似サイコパス前期:残虐行為を指示下で行う。

・逃げることができない絶望 ・残虐を受け入れる絶望   ・自分が自分でなくなる絶望 ・従わないときの制裁虐待

監禁中期。サイコパスは近くにいる。言われるままに、あるいはサイコパスと同じ虐待行為を他者に行う

一定期間のリハビリが回復に必要。他者への虐待が強い心の傷になる*3

疑似サイコパス後期:残虐行為を指示が無くても自ら行う。

・逃げることができない絶望 ・残虐を受け入れる絶望   ・自分が自分でなくなる絶望 ・人間でなくなる絶望    ・従わないときの制裁虐待  ・「逆転快」が生じている*1

監禁後期、サイコパスは遠くにいる。言われなくてもサイコパスの強い意思『空気』」を読んで他者を虐待*2

長期のリハビリが回復に必要。完全回復困難性有。一生回復できない場合有*3

 *1疑似サイコパスのサイコパス崇拝

 特に疑似サイコパス後期になり、残虐行為に逆転快を感じるようになると、その快感をもたらしてくれるサイコパスを崇拝するようになる。崇拝するまでになった疑似サイコパス後期の人はサイコパスの右腕として、サイコパスと全く変わらない残虐行為を率先して行う。疑似サイコパス後期の存在によりまんじゅう構造は強固になる。真白後期(ロボット化)者や疑似サイコパス前期者でもサイコパスを崇拝することがあるが、それは自分が意思・判断力を失っており、自分に代わって意思決定をしてくれることからサイコパスを崇拝する。あたかも意志決定をする神であるかのように崇拝する。この崇拝は逆転快を伴わないため疑似サイコパス後期者ほど強固ではない。崇拝の具体例は例14「尼崎監禁殺人事件」で示す。【太平洋戦争の旧日本軍の中には上官のサイコパス行動(虐殺行動)を見て「あのようになりたい」と崇拝する兵隊が存在した。欧州でもドイツナチスの残虐行為を崇拝する人が多数出た。現在でも「その快感」を引きずっている人が存在する。これらは後の項「(3)戦時下のサイコパスの特徴行動」参照】

*2:太平洋戦争開戦の『空気』はサイコパスの強い意思

 山本七平の言う太平洋戦争開戦を決めた御前会議の『空気』は、旧日本軍内部の『サイコパスの強い意思』と考えると、「連合艦隊司令長官山本五十六などの合理的な判断による強い反対」を抑えて戦争を始めたことに納得がいく〔『「空気」の研究』山本七平文藝春秋 1983。NHK「山本五十六の真実」〕。サイコパスが合理的理由なく、どうでもいい理由を付けて、戦争を強く渇望することはサイコパスに共通する特徴。サイコパスは戦争実行のためにあらゆる能力を総動員し、サイコパスまんじゅう同士が融合拡大して多数派を形成して『空気』を作り出す。太平洋戦争における「国家のため」「家族のため」という理由は旧日本軍内部に入り込んだ『サイコパスの逆転欲求のため』と置き換えられる場合が相当あると考えられる。サイコパスの欲求は合理的な論理に基づくものでないので『空気』にならざるを得ない。反戦平和の運動をする人にとって「反戦平和の戦サイコパスの空気の影響を政治中枢やマスメディアや自衛隊幹部などから排除する戦い」でもあると筆者は考えている。サイコパス同士が結束し融合拡大することについては後の項「(h)サイコパスまんじゅう拡大の特徴」参照。

*3健常者の呪縛解放時の3つのタイプ:「忘却」「苦悩」「正当化」

①忘却タイプ:呪縛解放忘却真白化及び疑似サイコパス前期が数か月以上の長期の人に多い:自分が疑似サイコパス化して他者を虐待したことを忘れること。「忘れる」より「憶えていない」と言った方が近いかもしれない。長期のために偏桃体がほぼ完全に機能停止しているので行為に感情が伴わず記憶が断片的にしか残っていないことと、残虐行為の理由がよく分からない(カラ理由の)ために生ずる。残虐の苦しみから逃避するかのように忘れ去る。真白段階であれば、他者が虐待されるのを見たことを忘れる。戦場で長期に戦って帰還した兵士には戦場の詳細を思い出せないものがいる。後の例14尼崎監禁事件の真白後期を長期に維持した角田美子などが例。記憶と偏桃体の関係は前項「4)(a)サイコパスの「痛み」が快感になるメカニズム」参照。

②苦悩タイプ:呪縛解放苦悩真白化及び疑似サイコパス前期が数か月以下の短期の人に多い:自分が疑似サイコパス化して他者を虐待したことを自分の意思で行ったと勘違いして苦しむこと。偏桃体機能停止が短期であるためその前後の意思が記憶にしっかり残っているためと、残虐行為のカラ理由を受け入れた自分の記憶が比較的残っているために生じる。なぜあんな残虐なことをしたのだろうと自分に問いかけ苦悩する。真白化段階であれば、他者が虐待されるのを助けられなかった苦悩となる。この苦悩は「自分の意思が機能停止」だったことを理解することが苦悩解消の基礎になる。

③正当化タイプ:呪縛解放正当化疑似サイコパス後期に達した人に多い:他者を虐待したことを正当化すること。疑似サイコパス後期に達した人は逆転快ドーパミンが生じているために残虐行為に不快としての記憶がほとんどないことと、快を与えてくれたカラ理由再認識することから生ずる。疑似サイコパス後期を長期に維持した場合には逆転快ドーパミンを求めて再び残虐な世界を望むことがある。これはもはやサイコパスと変わらない

以上の3タイプは一人の人に混在する場合がある。また、PTSDは3タイプのいずれでも起こりうる。

 PTSDについては後の本シリーズ(4-20)「(I-1)(e)川村家サイコパスまんじゅう形成から衰退の全過程」の表の注*6満足期(川村疑似サイコパス前期へ)の「太平洋戦争で日本へ復員した兵隊」を参照。

「学習性無力感」と「解離」:「学習性無力感」でサイコパス化の全過程を説明しようとすることがみられる。これは大雑把すぎて限界。例えば、健常者がサイコパス化して他者を虐待する状況を説明することができない。「学習性無力感」は真白前期相当とすると、全体がすっきりまとまる。「解離」については西田公昭(立正大教授,社会心理学)の説明「自分がどんな状況で、何を考えているか分からなくなる。何らかの極限的な経験をした人はよく経験していることで、トラウマ的体験という言葉でよく理解されていること」〔瑠衣22回鑑定人証言〕と真白後期に相当する説明。

(ⅱ)犠牲者がサイコパスから逃げる時の逃走レベル:サイコパス化過程の4段階と逃走の関係

犠牲者がサイコパスにサイコパス化過程の上位の段階へ移行することを強制されたときに、上位段階への移行をする形で逃走する。このためサイコパス化過程の4段階に対応して逃走レベルがある。サイコパス化過程は絶望を背景に進行するので、上位段階絶望拒否する逃走でもある。下記表にサイコパス化過程の4段階と絶望に対応した逃走の4レベルを示した。具体例は例14「尼崎監禁事件」で見る。

逃走4レベル

真白化過程での逃走

疑似サイコパス化過程での逃走

レベル1

レベル2

レベル3

レベル4

真白前期になることを拒否する逃走

真白後期になることを拒否する逃走

疑似サイコパス前期になることを拒否する逃走

疑似サイコパス後期になることを拒否する逃走

絶望から見た逃走4レベル

逃げられない絶望にならないよう逃走。物理的拘束を拒否して逃走

残虐を受け入れる絶望にならないよう逃走。虐待を見る、受けることを拒否して逃走

自分が自分でなくなる絶望にならないよう逃走。他者虐待する自分(別人=サイコパス)になることを拒否して逃走。逃走の自殺*1

人間でなくな絶望にならないよう逃走。自律他者虐待する自分(完全な別人=完全なサイコパス)になることを拒否して逃走。逃走の自殺*1

苦痛から見た4レベル

拘束される苦痛で逃げる。逃げられるので逃げる

虐待される苦痛で逃げる。虐待されるので逃げる

サイコの前で人を虐待・殺すようになる自分に対する苦痛で逃げる

サイコがいなくても自律的に人を虐待・殺すようになる自分に対する苦痛で逃げる

捕まった状況で見た4レベル

捕まれば拘束されるが逃げる。拘束されても逃げる

捕まれば虐待されるが逃げる。虐待されても逃げる

捕まれば人を虐待・殺すことになるので逃げる。他者が殺されても逃げる

捕まれば殺されるが逃げる。殺されても逃げる

4レベルの心理状況のまとめ

 

危機回避の一般的な逃走と同様。危険なものには近づかない、離れる逃走

当面の生命の危機を回避するため逃げないでいたが、残虐行為が目の前で、また自分に行われ、逃げないでいることが生命の危機回避にならなくなったため逃走

感情喪失(意志喪失)してサイコパスが作る残虐状況に適応して自己存続を維持していたが、他者を虐待するサイコパスになることを強制され、感情喪失だけでは存在できなくなり逃走

言われるままに他者虐待し前期のサイコパス化することで自己存続を維持していたが、言われなくても虐待する完全なサイコパスになることを強制され、前期サイコパスでは存在できなくなり逃走

*1:真白後期を過ぎると、偏桃体が停止しているため感情が喪失しており、死ぬことの恐怖がない。レベル3、レベル4では、物理的な拘束により逃走できない場合には自殺という形で「逃走」することがある。これは、サイコパスが逆転欲求(心を破壊したい、肉体を破壊したい、死ぬのを見たい)で自殺に追い込んだ結果でもある。レベル3と4の「逃走の自殺」とサイコパスによる虐殺とは一体になっており区別が困難。

軍隊兵士の「敵前逃亡」=逃走レベル4:レベル4の場合が多いと考えられる。自分が殺されても人を殺すことができない、人間であることの究極の逃走である。多くの場合は味方兵に殺される

用語:逃走=その場から急いでいなくなろうとすること。逃亡=逃げて身を隠すこと(goo辞書)。失踪=行方がわからなくなること(Weblio辞書)。本シリーズでは用語を「逃走」で統一する。「逃亡」「失踪」がふさわしい場合も含む。

e)ロボット化とサイコパス化の違い

ロボット化とは:真白化と同義語。感情のない物体のような状態になること。中間サイコパスとまんじゅうサイコパスでロボット化に表面的な違いが出る。中間サイコパスは健常者をロボット化後に自殺を強要することに特徴があり、虐殺、身体解体に至ることも見られる。まんじゅうサイコパスは、ロボット化の後にまんじゅう構造の一部に取り込む。

サイコパス化とは:まんじゅうサイコパスにより、健常者が他者を虐待する疑似サイコパスになること。ロボット化の次の過程になる。広義にはロボット化を含めてサイコパスか(サイコ化)と言う。単独サイコパスは犠牲者をロボット化することもサイコ化することにも興味がなく、犠牲者を物理的に破壊するだけになる

サイコパスは健常者のロボット化衝動、サイコパス化衝動を持つ。監禁虐待でこのサイコパス化衝動がよく現れるので後の項「(2)平和時のサイコパスの特徴行動5)監禁虐待」の具体例で説明する。

(f)サイコパスまんじゅうの構造

下記表が基本構造である。サイコパスまんじゅうは、サイコパスを頂点とし、外部の犠牲者を最下層とした支配の階級構造を持つ。サイコパスまんじゅうはサイコパスの逆転欲求満足を追及するために作り上げられる。中心のアンはサイコパスと暴力装置が一体となって形成されている。暴力装置を使って健常者を支配構造に組み込み、犠牲者を虐待する。暴力装置を使うのは単独サイコパスと共通しているが、まんじゅうサイコパスはさらに強力なものを使うことが多い。暴力装置が無ければ、ほとんどのサイコパス犯罪は成立しない。疑似サイコパスはサイコパスに代わって暴力装置を使うことが多い。疑似サイコパスは自ら暴力装置となり、サイコパスの言いなりに犠牲者に対し殴る蹴るの行為を行うことがある。サイコパスの暴力装置は逆転欲求を実現するための「サイコパスと犠牲者の間に介在する媒介物」のことで、概念が広いので注意してください。具体例で理解して頂くのがいい。

サイコパスまんじゅう基本構造

基本構造内容

中心のアン

サイコパス(一人とは限らない)

暴力装置(道具類、監禁部屋、武器、薬物、火など)

まんじゅうの皮

(健常者や反社会性人格障害者などがサイコパスに取り込まれて、サイコパス化したもの。犠牲者の立場に転落することがある)

疑似サイコパス後期

疑似サイコパス前期

真白化期

外部の犠牲者

資産を取られたり、虐待を受けたりする人

以下のA~Hは例13「北九州監禁殺人事件」のサイコパスまんじゅうの支配構造の特徴をまとめたものであるが一般性がある。

A)階級序列は頂点のサイコパスが必要に応じて自在に変える

B)暴力装置をサイコパスに代わって使うものがサイコパスの右腕として虐待実行の最上位になる。この位置は疑似サイコパス後期者が占める。最上位のものは下位、例えば疑似サイコパス前期のものとともに複数で、外部犠牲者やまだ真白化段階の者を虐待する。

C)B)をまとめれば上位の者が下位の者に対して虐待する。最下位が外部の犠牲者の位置になり、最も激しく虐待される。

D)サイコパスに逆らえば序列の下位に落とされる。「誰かが下位に下がれば他の者は安堵」する(例13北九州監禁殺人事件の公判での純子証言)。「自分より下位が現れて怒られていれば矛先が向いてこないので安心する」(例14尼崎監禁殺人事件の公判での瑠衣証言)。

E)まんじゅう内部ではサイコパスの機嫌を損ねないよう絶対服従するようになる。

F)まんじゅう内部で他者の「問題点」「悪口」を述べれば序列の下位から免れるように仕向けられ、互いが「悪口」を言い合い憎み/憎まれる関係が増幅する【まんじゅう告げ口(密告)システム】。「悪口」を言わないものは下位へ落される。「悪口」はどのようなものでもよく、言われた者は制裁虐待の理由に使われ虐待される。【サイコパスは虐待にどうでもいい理由を必要とする】

G)相互の会話を禁じる。盗聴していることを匂わせるなどで、サイコパスがいない場所で逆らう話しをさせない。逆らう話をしたと思われるものは、見せしめに虐待される。

H)以上のため、まんじゅうの皮を構成する人は数が多くても一致団結してサイコパスに逆らうということが無い

(g)サイコパスまんじゅうのいじめ集団(虐待集団)と反社会性人格障害者のいじめ集団(反秩序集団)

両者は親和性があり融合していることがあるが、基本的に別の集団で下記表の通り。対処の仕方も別になる。

サイコパスまんじゅうのいじめ集団(虐待集団)

反社会性人格障害者のいじめ集団(反秩序集団)

逆転欲求満足の虐待行為が主体

正常欲求満足の金銭略取、万引、暴力沙汰など反秩序行為が主体

青年期の健常者の多くにも見られる万引きや喧嘩などの反秩序行為は17歳ごろをピークに減少する。これは大脳新皮質(社会脳)が脳組織の成長で最も遅れて20歳頃に完成するために生じている。したがって少年法でその間に行う違法行為は特別な配慮がある。反社会性人格障害者は青年期だけでなく20歳を超えても違法行為が止められない。その集団は暴力団との親和性があるというより、暴力団そのものになる〔本シリーズ(その3)「1.15(1)サイコパスと年齢の関係」、サイコパス犯罪は年齢に関係なく一定割合で推移する〕反社会性人格障害者は正常欲求満足(経済的利益や承認欲求など)のために違法行為を行ない、その違法行為で他者に苦痛を与えても気に留めることがないが、苦痛そのものを求めているわけではない。一方、サイコパスまんじゅうのいじめは「恨み/恨まれる」関係形成や犠牲者の苦痛などの逆転欲求満足を求めるところが、大きな違いになる。

単独サイコパスやサイコパスまんじゅうのいじめは、サイコパスについての知識がない教師が健常者の生徒の教育指導と同じように対処しても、全く歯が立たない。歯が立たないどころか、教師のほうが震え上がり、近寄ることができず早く卒業してほしいと、傍観者になる場合もある。また、教師自身がサイコパス特性を持つ場合もあるので、サイコパスの対処法を教育現場とともに社会全体で構築する必要がある。用語としては「いじめ」という軽いものではなく、命が掛かっている。「いじめ集団」より「虐待集団」のほうが実態に合っている。反社会性人格障害者まんじゅうと言える暴力団は、暴力を背景に、法秩序違反の領域で経済活動をする。基本は金で動く

(h)サイコパスまんじゅう拡大の特徴

サイコパスまんじゅう同士は、融合拡大と敵対共鳴の2つの拡大方向を取り、外圧がない限り、限界まで拡大する。

融合拡大:複数のまんじゅうが融合して拡大する。同一まんじゅうのアンの中に多数のサイコパスが存在するようになる。多数の健常者がまんじゅうの皮として、疑似サイコパス化して取り込まれ、周囲に多数の犠牲者がいる。このとき、反社会性人格障害まんじゅうと言える暴力団が融合し、暴力装置として一体化する。サイコパスまんじゅうは暴力団との親和性があり、暴力団はサイコパスまんじゅうから金銭的支援を得て融合拡大の原動力の一つになる。

敵対共鳴:複数のまんじゅうが互いに憎み/憎まれ、恨み/恨まれる関係を創出し、各まんじゅうがそれぞれ逆転欲求満足を味わう共鳴状態を作る。各まんじゅうは一見敵対関係に見えるが、互いに相手の存在によって自己の存在がある。各まんじゅう間で激しい残虐行為が行われ、アンとなったサイコパスの逆転欲求が満足される。

融合拡大は、敵対共鳴を原動力としていることが多い。まんじゅうサイコパスがこれらの拡大を遂行するが、単独サイコパスもまんじゅう内部や外部で逆転欲求満足を追求する。

戦時のファシズムは上記の2つの拡大方向によりサイコパスまんじゅうが巨大化して国家レベルにまで至ったものと筆者は考えている。虐待の恐怖で健常者を支配する恐怖独裁(テロ独裁)国家はファシズムと同様のサイコパスまんじゅう国家。古代国家などをサイコパスまんじゅう国家の視点で捉え直す学問的なアプローチが必要と考えている。サイコパス研究がまだ学問的地位を十分に獲得した状態とは言えず、サイコパスまんじゅうの概念も多くの研究を必要とするもので、ここでは基本的なところだけを述べた。 

以下(その4-6)へ続く。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 映画『凶悪』残虐性シリーズ... | トップ | 映画『凶悪』残虐性シリーズ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

映画凶悪・戦争のサイコパス残虐性シリーズ」カテゴリの最新記事