アタシだって言いたかないよ、言いたかないけど言わせてもらうよ

その時に思った事、面白かった事を書きます

修行時代

2011年05月10日 13時10分13秒 | Weblog
前に書いたけど「G先輩」という人が居た



俺が「ウナギの白焼き」にワサビをつけたら




「多すぎる、お客さんの中には


ワサビを全部溶かして{辛すぎる}と文句を言う人も居る


いいか、客を信用するな」


と言われた事があって



それを30年ぶりに思い出して



(あの人は、俺の事を心配して言ってくれたんだな)と解った









俺が、その店を辞める時に


「別のウナギ屋に、職人として行くらしい」という噂があった(らしい)




それで、そのG先輩が、俺を呼び出して




「お前な、職人で行くというのは大変な苦労があるんだぞ、解ってるのか?


お前は一人前のつもりかもしれないけど、まだまだ出来てないんだぞ」




と言われたから



「いえ、ウナギ屋に行くんじゃないんです、田舎に帰るんですよ


そこではウナギは使ってない、と思います」




と答えたら



「何だ、そうか」と納得してくれた










それも30年たって思い出して




(俺の事を心配してくれてたんだ)と気が付いた







心配しない人達は「あんな奴どうなってもいいわ」


と、声もかけなかった


それどころか、陰である事ない事色々言ってたらしい







今にして思えば、G先輩というのは


「東京生まれの東京育ち」つまり「江戸っ子」だったんだな



だから口は悪かったけど、腹の中には(悪意が)何もなかったんだな







それにしても、人の親切に気が付くのに30年かかるとは・・・


・・・俺だけかな?