怒りのブログ

憤りを言葉にせずになんとしようか。

家本芳郎さん

2006-12-28 22:02:41 | 教育書
今年亡くなった方。
先日のジェームス・ブラウンも個人的には印象に残るのですが、やはり教育に関係した方で・・・。

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決して熱心なファンではなかったけれども、
「教育力をみがく」
は、教育実習生にも紹介した好書。

他の本も、現場教員の悩みに対して誠実に応えようとするものが多かったと思う。

ブログ停止の影響で年末になってしまったが、改めて記して冥福を祈りたいので記憶する。

変えよう! 日本の学校システム:教育に競争はいらない:(平凡社)古山明男2006.06.12

2006-12-28 19:58:56 | 教育書
mixiの「おすすめの本」に、7月に書いておいた文をそのまま転載する。
当時、このブログは停止中だった。
で、書かれていないわけだ。

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これはたいへんまずいことをしていたので・・・以下、転記。


この本が優れているのは、(徹底して外部の視点なのだが)内部に関してきちんと考察する中で、そこに関わる人の立場にたった意見を述べている点だろう。
表紙のデザインに比して有機的で熱いものを感じる。

教委や管理職、教員の感じている行き詰まりに理解をしながら批判しているので、多くの教育に関わる当事者が読んで、決してネガティブにならない読み受けやすさ(といったらよいだろうか)がある。

内容だが、日本の教育の硬直した部分を的確に説明、批評しながら、きちんと対抗軸を用意して語っている点が素晴らしい。どれも現実的で有効な提言である。

「いいですよ」「こちらが正しいですよ」「がんばっています」になりがちな、現実にある対抗軸の芽にあたる、例えば「フリースクールなどの実践紹介本」などは、実際には護摩臭いものだ。
それらに対しても、今、何がそこに不足しており、必要なものはこういう順序で、という欠落しやすい部分が小気味よく書かれていると思う。

不登校が制度公害であるというところから始まり、教育制度のアナーキズムを語ると思いきや、最終的に教育の民主化を現実的な理想とおく姿勢は一貫しており、そのステップアップや位相間の飛び越え方など、とても納得がいくものばかりだ。

日本の教育システムはこの書によると30年の軋みを受けているということになる。
経済、法律という不可避の論考をスマートに乗り越え、真の教育改革を望む全ての人への官僚主義という妖怪が霧散するアンセムとなること請け合いである。

ポジティブな教育(改革)批判書とはこういうものをいうのだと思う。
2006年にして、ここ10年近い状況に対し、新たな議論のステージが見えてきそうだ。必読!

転記ここまで。

さて、大雑把な書評めいた文なので、細かいところが分かりにくいが、教育のシステム、特に文科省や地方自治体、教育委員会、そして現場などとの関係性や歴史的な法律の整理などによる考察がとても分かりやすい。
他にはない内容で、独自性を誇っている。

今、子安本を読みながら、平行して読み直しをしている。

小安先生が現状をするどく切り取って、次のステージへ向かう斬新なやり方であれば、古山氏の方は、あるいみ正攻法。

次元が違うのだが、比較すると意外に視点を切り替えて読めそう。