ちょっと妙なタイトルなんだけど・・・・。
9月下旬に、用事で名古屋まで出かけた時のこと。
用事を済ませると夜も遅くなったので、宿泊先までの移動にタクシーを使った。
運転手さんは、大阪から働きに来たというおっちゃんだった。
ーお客さん、どちらから?
わたしは、ちょっと迷ったが、思い切って答えた。
あのう・・・、福島からです。
あ、でもね、「放射能」は付いてませんから。σ(^◇^;)
こう、冗談めかして答えたら、
ーあぁ、そうですかぁ。福島からおいでんなったですか。ワシ、全然そんなこと気になりまヘんデ。
そうですか、ありがとうございます。
わたしは素直に礼を述べた。
運転しながら、おっちゃんはさかんに景気のこととか世間話をした。
ー名古屋はトヨタがあるもんで、景気がいいと言われとるけど、震災を受けて自粛自粛で、
まぁ、ワシらの商売も上がったりですワ。
ーホントなら、こういう、関係ないとこの住民は、いつもとおりにお金遣ってもらわな、
日本の経済が上向きになりませんワね。
ーこんなこと言うたら気ぃワルくするかも知れんけど・・・・、気にせんで聞いてナ。
お客さんには、ワルイけどな、本音言うたら、わたしらからしたら、震災も原発事故も、人ごとですねん。
阪神大震災の時、ワシは大阪におったけど、あんなに近くても、大阪人からみたら、神戸は人ごとやった。
ニンゲンなんて、そんなモンですワ。
まぁ、そうでしょうねぇ・・・。
と、わたしはうなづくしかない。
おっちゃんは続けた。
ーだいたいナ、当事者でもないのに、わかりますかいナ。
本音は人ごとのくせに、ああせい、こうせい、言うほうが、ウソくさいですワ。
ー人ごとやから、なんもできんけど、義援金は募金しましたデ。少ないですけどナ。
福島のモモも買いましたデ。安くて農家は気の毒やワ。
(おっちゃん、いいひとやんか!!)
わたしの心の声も名古屋弁になって、それはありがとうございます、と答えた。
ーせやから、お客さんが福島から来ようがどこから来ようが、ワシには関係ありませんねん。
ーワシらは普通にしとっったらええんですワ。
結構な長距離になったせいか、おっちゃんは目的地の1キロぐらい手前で、料金メーターを倒した。
そして降りる時に、
ーお客さん、負けずに頑張ってや。
こう言って、さらに料金を少しまけてくれた。
狭い車内での、小一時間にも満たない、初対面の、おそらくは1回こっきりの出会い。
「(あの)福島」から来たというわたしに、
「(震災や原発事故は)他人事だ」ときっぱり言い切ったおっちゃんは、
大阪の人だから(関西人だから)というより、もしかしたら、ちょっと変わり者かもしれない。
会社のタクシーではなくて個人タクシーだったから、これはわたしの想像だけど、
そのおっちゃんにも、よそさまには「他人事」でしかない、いろんな人生があったのかもしれない。
「人ごとですねん」という言葉に、不思議なんだけれど、なぜか安心して聞いていられる自分がいた。
人ごとだから、普通に接してくれる。
こういうのも、優しさなんだと思う。
9月下旬に、用事で名古屋まで出かけた時のこと。
用事を済ませると夜も遅くなったので、宿泊先までの移動にタクシーを使った。
運転手さんは、大阪から働きに来たというおっちゃんだった。
ーお客さん、どちらから?
わたしは、ちょっと迷ったが、思い切って答えた。
あのう・・・、福島からです。
あ、でもね、「放射能」は付いてませんから。σ(^◇^;)
こう、冗談めかして答えたら、
ーあぁ、そうですかぁ。福島からおいでんなったですか。ワシ、全然そんなこと気になりまヘんデ。
そうですか、ありがとうございます。
わたしは素直に礼を述べた。
運転しながら、おっちゃんはさかんに景気のこととか世間話をした。
ー名古屋はトヨタがあるもんで、景気がいいと言われとるけど、震災を受けて自粛自粛で、
まぁ、ワシらの商売も上がったりですワ。
ーホントなら、こういう、関係ないとこの住民は、いつもとおりにお金遣ってもらわな、
日本の経済が上向きになりませんワね。
ーこんなこと言うたら気ぃワルくするかも知れんけど・・・・、気にせんで聞いてナ。
お客さんには、ワルイけどな、本音言うたら、わたしらからしたら、震災も原発事故も、人ごとですねん。
阪神大震災の時、ワシは大阪におったけど、あんなに近くても、大阪人からみたら、神戸は人ごとやった。
ニンゲンなんて、そんなモンですワ。
まぁ、そうでしょうねぇ・・・。
と、わたしはうなづくしかない。
おっちゃんは続けた。
ーだいたいナ、当事者でもないのに、わかりますかいナ。
本音は人ごとのくせに、ああせい、こうせい、言うほうが、ウソくさいですワ。
ー人ごとやから、なんもできんけど、義援金は募金しましたデ。少ないですけどナ。
福島のモモも買いましたデ。安くて農家は気の毒やワ。
(おっちゃん、いいひとやんか!!)
わたしの心の声も名古屋弁になって、それはありがとうございます、と答えた。
ーせやから、お客さんが福島から来ようがどこから来ようが、ワシには関係ありませんねん。
ーワシらは普通にしとっったらええんですワ。
結構な長距離になったせいか、おっちゃんは目的地の1キロぐらい手前で、料金メーターを倒した。
そして降りる時に、
ーお客さん、負けずに頑張ってや。
こう言って、さらに料金を少しまけてくれた。
狭い車内での、小一時間にも満たない、初対面の、おそらくは1回こっきりの出会い。
「(あの)福島」から来たというわたしに、
「(震災や原発事故は)他人事だ」ときっぱり言い切ったおっちゃんは、
大阪の人だから(関西人だから)というより、もしかしたら、ちょっと変わり者かもしれない。
会社のタクシーではなくて個人タクシーだったから、これはわたしの想像だけど、
そのおっちゃんにも、よそさまには「他人事」でしかない、いろんな人生があったのかもしれない。
「人ごとですねん」という言葉に、不思議なんだけれど、なぜか安心して聞いていられる自分がいた。
人ごとだから、普通に接してくれる。
こういうのも、優しさなんだと思う。