ひまわりの種

毎日の診療や暮しの中で感じたことを、思いつくまま書いていきます。
不定期更新、ご容赦下さい。

クリスチャン・ツィメルマン

2009年06月14日 | 音楽
 ピアノ・リサイタルを聴いてきました。
 彼はわたしが中学だか高校生の頃に、史上最年少でショパンコンクールで優勝。
 クラシック界ではちょっとしたアイドルのような存在だった記憶があります。
 FMで彼の演奏が放送されないか、勉強そっちのけでチェックしました。
 
 年間にリサイタル回数を50回に制限しているという彼の演奏を聴くチャンスは、
 めったにないこと。
 機械を通してしか聴いたことのない彼の「ナマ」の音を聴きに、
 わくわくしながら出かけました。

 1曲目のバッハのパルティータ。
 こんなロマンチックなバッハを、わたしは聴いたことがありません。
 古典をロマンチックと表現してはいけないのでしょうけど。
 
 2曲目のベートーヴェン、ソナタ32番。
 なんという深い響きでしょう。

 3曲目のブラームス。
 4つの小品がひとつの物語のように、音を紡ぎます。

 そして4曲めのシマノフスキ。初めて聴く作曲家です。
 ポーランド民謡の主題による変奏曲。
 愛用のスタインウェイはまるで彼の一部のように、というより彼と一体になって、
 あとからあとから溢れるように「音の光」をホール中にちりばめました。
 
 素晴らしい演奏でした。
 月並みだけど、生きててよかった、って気分。

 ピアノの神様って、いるんだな。