舞面真面とお面の女 野崎まど

著者の作品の７冊目。こちらは主人公の名前が題名になっていて、その名前が「２」に出ていたので、「２」に連なる作品群の１つであることが読む前から判っていた。「２」では、主人公を資金面で助ける大富豪で、お面をかぶった不思議な女性と一緒に登場していた。その人物が主人公となってどのような話になるのか、それが「２」とどのように関連していくのかが興味の中心だ。読んでみると、本書はこれまでの作品とはやや趣の異なる作品だということが判ると同時に、他の作品よりも一段と面白いように思われた。最後の最後のたたみかけるようなどんでん返しにも驚かされて、作者の違う一面をみることができてますます著者の魅力に惹かれてしまった。（「舞面真面とお面の女」　野崎まど、メディアワークス文庫）