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絶対悲観主義 楠木建

これまでに全く読むことのなかった人生相談的なノウハウ本だが、知人に勧められたので読んでみることにした。こうした本を読まないのは、言い回しは目新しいが内容が大したことがない、読者に迎合した内容がほとんど、著者自身の自慢話が多い、などの理由からだが、本書はそれと少し違って面白いと思う部分が結構多かった気がする。題名は「絶対悲観主義」と大仰だが要するに「成功を期待しなければ失敗した時のダメージが少ない」というだけのことだし、「終活はカッコ悪いからするな」という話は、理由が曖昧でただ「面倒臭いなぁ」と思っている人にうまい言い訳を提供しているだけのような気がする。「人にペコペコするのは嫌」と言いつつ、仕事でお世話になった人をよいしょする文章が並んでいるし、「自分は凡人で誇れるような人ではないです」と言いながらその行動指針を本にして広めようとしているのは何か違う気がする。こうした点はまさによくあるノウハウ本だが、その思考の根底にある論理はとても面白い。特に本書で謳われている「人を行為主義でみる」「微分派よりも積分派」といった考えはとても参考になると思うし、著者によって引用されている偉人のウイットに富んだ「名言集」は読んでいるだけで楽しかった。(「絶対悲観主義」 楠木建、講談社+α新書)
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