「ドキュメント日記シリーズ」の最新刊。これが7冊目だが、巻末の広告を見ると既刊が16冊出ているのでまだ半分以上が未読ということになる。このシリーズは、なかなか本屋で見つけるのが難しく、大半はネットで注文していたが、先日最寄りの大型書店に行ったら棚一列にこのシリーズが並んでいてびっくりした。シリーズを重ねるごとに人気が出ているのかもしれない。本書は、30年近くフランチャイズのコンビニオーナーを続けている夫婦がオーナーとしての日常を赤裸々に語ったドキュメント。色々大変な仕事だという断片的な知識はあったが、ここまで大変だとは予想外だった。年中無休で夫婦とも3年間休みなしで、65%という高額のロイヤリティ、10年ごとの店舗改装で10年間の貯蓄がほぼ全てなくなってしまうこと、廃棄ロスは全て店側の負担になることなど、コンビニのフランチャイズシステムのブラックぶりが満載。更に、どんどん増える業務、顧客からのハラスメント、万引きの横行、暴力団絡みのいざこざ、などが神経を蝕んでいく様は壮絶そのものだ。オーナー側が声を上げて少しずつ改善しているのが救いといえば救いだが、それもまだ道半ば。日頃色々お世話になっているだけに考えさせられる一冊だった。(「コンビニオーナーぎりぎり日記」 仁科充乃、三五館シンシャ)