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展望塔のラプンツェル 宇佐美まこと

今年の色々な賞を総なめにしている話題作。話は、児童虐待に対処する行政職員、家庭内暴力で居場所のない若者、不妊治療に苦しむ主婦という3つの話が並行して描かれていくが、日本社会の暗い部分がこれでもかこれでもかと描かれていて読んでいて息苦しくなるほどだ。この3つの話がどう結びつくのかが読み手の関心事だが、最終的には「そういうことでしたか」と納得の結末。微かな希望を残す結末は小説ならではのものだろう。(「展望塔のラプンツェル」 宇佐美まこと、光文社)
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