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名刀虎徹 小笠原信夫

冒頭から専門用語ばかりが出てきて、初心者を相手にしない書きぶりには少し閉口したが、読み進めていくうちに、段々慣れてきて意味も判るようになってきた。読み終えると、名前だけは良く聞く「虎徹」とはどういう人物だったのか、その特徴は何か、といったことがおぼろげながら判ったような気がした。本書はあくまで「研究書」として書かれたようだが、謎に包まれた人物だが50歳くらいの時に刀を作り始めたらしいこと、、刀の美しさではなく切れ味に拘った刀鍛冶だっこと、近藤勇・勝海舟・桂小五郎といった幕末の有名人がこぞって「虎徹」を愛用したことなど、様々な知識が身につく薀蓄本でもあり、啓蒙書でもあると感じた。(「名刀虎徹」 小笠原信夫、文春新書)

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