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世紀末画廊 澁澤龍彦
澁澤龍彦の河出文庫の芸術評論の本は学生時代から彼が亡くなるまでに30冊以上は読んだだろうか、あらかた全部読んだと思っていたが、本書の裏表紙の文庫ででている本の一覧をみたら49冊もあり、記憶にない題名のものも多かった。いつのまにこんなに刊行されていたのだろう。おそらく澁澤の熱狂的なファンの要望に応えて、死後も少しずついろいろな形で刊行され続けていたのだろう。そうした時間の隙間を埋めたいという気持ちで読んだ本書だが、独特のぺダンチックな文体に久しぶりに接し、本当に懐かしい思いがした。絵画や文学が奔放に語られ、全く知らない画家や作家の名前がたくさん出てくるのだが、それでも澁澤の思考を追いかけるのは本当に楽しくて懐かしい体験だ。
但し、読んでいて思ったのだが、今の読み方は学生時代とはかなり違うように感じる。昔より、彼の思考回路が良く判るような気がするのだ。彼がこうした文章を書いた年齢と同じ年代になったからかもしれない。読んでいて特に面白かったのは、「シュルレアリズム、熱狂の探求」の章だ。その中でも「幻想美術とはなにか」は、今だからわかる感覚もあって本当に面白い。
それからもう1つ読み方の大きな違いは、全く知らない画家のことが書かれていて、どういう作品を残した画家か知りたくなった時、インターネットで簡単にその画家の作品を簡単に調べられるようになったことだ。学生の時は、それを想像で補いながら読んでいたのだろう。インターネットで調べていて1つ驚いたのは、渋沢が語る、私の知らないいろいろ画家や作家が意外なほど最近の人だということだ。中世の芸術や象徴派が彼の興味の中心だとの思い込みもあったのだが、彼は80年代の芸術家を80年代に語っていたのだ。道理で知らない名前が多いはずだが、その現代性には舌を巻かざるを得ない。(「世紀末画廊」澁澤龍彦、河出文庫)
但し、読んでいて思ったのだが、今の読み方は学生時代とはかなり違うように感じる。昔より、彼の思考回路が良く判るような気がするのだ。彼がこうした文章を書いた年齢と同じ年代になったからかもしれない。読んでいて特に面白かったのは、「シュルレアリズム、熱狂の探求」の章だ。その中でも「幻想美術とはなにか」は、今だからわかる感覚もあって本当に面白い。
それからもう1つ読み方の大きな違いは、全く知らない画家のことが書かれていて、どういう作品を残した画家か知りたくなった時、インターネットで簡単にその画家の作品を簡単に調べられるようになったことだ。学生の時は、それを想像で補いながら読んでいたのだろう。インターネットで調べていて1つ驚いたのは、渋沢が語る、私の知らないいろいろ画家や作家が意外なほど最近の人だということだ。中世の芸術や象徴派が彼の興味の中心だとの思い込みもあったのだが、彼は80年代の芸術家を80年代に語っていたのだ。道理で知らない名前が多いはずだが、その現代性には舌を巻かざるを得ない。(「世紀末画廊」澁澤龍彦、河出文庫)
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