遍路ではないが、寺参りにでかけた。
京都高雄の神護寺
記憶にあるのは、学生時代つまり50年以上前に一度と
二十年ぐらい前にもう一度。
学生時代に、愛染明王を見た記憶が残っていた。
二十年ぐらい前に行った時には、会えなかった。
私が何処か他のお寺と間違えていたのかも知れぬ。
最近になって、数年前かな土門さんの本『寺と仏像手帳』を見ていたら
神護寺に愛染明王しかも重文の仏像があるとあった。
それ以上に薬師如来立像に惹かれた。
土門さんの手になる薬師如来立像の写真が素敵だった。
蒙古皺襞(土門さんの本ではこう書いてある、おそらく蒙古襞のことだろう)
深く覆いかぶさるような目頭の皮膚が、切れ長の眼を印象づけている。
一度実物を見てみたい。
神護寺にあこがれが募っていた。
問題は体力。あの石段が昇れるか?
思い立ったが吉日と、昨日でかけた。
体力が落ちてる後期高齢者があの階段を古色然とした石段を登れるだろうか?
迷いながらも
これまたエイヤとばかり行ってみた
途中割愛
愛染明王は私の思っていたのとは違った
おいてある場所も違うが、もっと迫力があった
それよりも
国宝の薬師如来立像だ
暗くて見えない、
特に目のあたりがよく見えない
土門さんがあれほど強調されてた蒙古襞、何にもわからない
裸眼視力1.5の私が分からないのだから
見ようとして見えないのだから
ほとんどの人はわからずに通り過ぎる
見なかったのと同じだ
会えなかったと同じだ
土門さんの本の帯に
『生涯の
一仏
一寺に出会う』
とあったが
これは土門さんのようなプロの写真家だけの特権だろう
我等素人の好事家はせいぜい博物館でお会いするぐらい
寺では
それらしい
香りを嗅がせてもらうぐらいじゃなかろうか
最も一部のお寺ではじっくり対面させていただける
観音寺もそうだったし、渡岸寺の十一面さんも
昨日はもう一つ、槇尾西明寺へ回った
こちらの愛染明王は良かった
五十年前の記憶はこちらだったのかも知れぬ
ただ何処にも写真が無い
慶派の手になるらしいが……