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江美さん編『明日カノ』言いたい放題・その2。

2023年03月01日 | 言いたい放題
【ルナちゃんと江美さんの点、な友情】

前回記事(→・江美さん編『明日カノ』言いたい放題・その1。)の続きです。

今回は留奈ちゃん編における江美さん(源氏名・菜々美さん)のパートから。

吉原の先輩お姐さんである江美さんはルナちゃんの恋の相談をきっかけにしてうっすらながら友情を育んでいきます。

隼人さんと悲しい別れを選んでしまった直後に江美さんがルナちゃんに連絡をする場面美しかったですねー…

「お金は私をぜったいに裏切らないんだ」

と自分を励ましても、悲しみと孤独感に押しつぶされそうなルナには街のイルミネーションが、仲良しの家族が、幸せそうな女性二人組が輝いて見えて仕方がない…。

ここで男女カップル・夫婦をそんなに輝かせずに、女性二人を選んでいるのがをのさんらしいなーと思う。

親友なのか恋人なのか婦婦(ふうふ)なのかは絵だけではわからないけれど。

恋!エロス!じゃなくて家庭=帰れる場所、と仲良しの同性ってのがまたねえ。

江美さんの連絡を受けた留奈ちゃんがどんな表情なのか、何を考えているのかは詳しく描かれませんが、まー優しき愛を感じる美しい場面なのよ

隼人さんとの悲しい別れに至るまでの思いがけない事故を話す居酒屋の場面は二人の友情が深まって、とても幸せで素敵…だったんだけど

「あたしが今のあたしになれたのはレター先生のおかげなんだ。

 今の伊織ちゃん(留奈の源氏名)ならレター先生紹介したい!

 ねえ、引き寄せの法則って知ってる?」


とカルト宗教だかスピリチュアル商法だかに洗脳されているのがわかってしまい、ルナも読者も震撼させました

ルナはお金にとても苦労しているキャラクターなので、そりゃあやっぱり…

「お金搾り取られる!!」

って警戒しちゃうよね。

本名でする仕事でもそうだけど、仕事での友情って点と線なら点の関係といえる弱く瞬間的なもの。

でも…これがなかったらうっすら友情が続いたのかなーと思うと実に悲しい、江美のルナ編最後の登場場面でありました。

個人的に二人の友情は復活してほしいなあ…隼人さんとの愛情と同じに。

最終章の最後に少しは描かれるであろう場面でにおわせてほしいわー(笑)。

【江美から見たあの日の光景】

ルナ編エンディングを迎えてから、江美編のスタートです。

レター先生なる者とのオンラインセッションで江美さんの口から

「あの日、伊織(ルナ)ちゃんにこう思っていた」

と語られます。

ルナから見れば感情を荒ぶらせることなくフラットに優しく話を聞いて、中立の立場から意見をのべていた江美さんは実は最初に

「彼と別れました、こういう経緯(いきさつ)で」

と聞かされ内心

「もう嫌な自分がぶあって出てきちゃって。

 なんでそんなバカなことしちゃうの?!

 すごい人とつながれて感謝しないの?!

 叩かれるくらいガマンしたらいいじゃん、どうしてそんなムダなことして時間つぶしちゃうの?!」

と怒りびっくりしていたそうです。

(江美さんがこう考えるのはなるほどねーってのが後に描写されるアマチュアバンドメンバーと関係を持ち、寄生され、捨てられたって過去ですね)

「でも、レター先生に自分の嫌いな自分にならないって言われてたから、そんな嫌な自分は心のゴミ箱に捨てた。

 そうしたらその子の話をちゃんと聞けた」

と。

幸せそうな笑顔でしめくくられるオンラインセッションですが、それが行われる江美の部屋は汚部屋。

重症じゃないけど立派に汚部屋です。

「心のゴミ箱」

に捨てたと言うけど、実際にはもうゴミ箱はゴミでぱんぱん、入りきらないゴミが部屋中に侵食して生活をめちゃくちゃにしちゃってるよ、という比喩なんですよね。

上手いっ!

伏線はっておいて回収する描写本当に好きです。

江美がルナに思ったけれど伝えられなかった気持ちは、相手とけして対等になったことがない過去の恋愛から出るものでしょうね。

それって人間同士の恋愛じゃなくない?と私は考えてしまうよ。

私だったらあの時点のルナちゃんにこう伝えるかなあ。

「私は、好きになって両想いになっても幸せな関係ってそんなにないと思うから…もう1回くらい会って彼と話してみてから別れるか決めてもいいんじゃないかな」

と。

「それでルナちゃんがやっぱり別れたいなら別れればいいし、一緒にいたいなと思ったら別れないでいた方がいいよ」

って。

採用するかは相手次第だけど、言い訳与えることで相手にチャンスができたらいいのになって。

私の話しちゃってごめんなさいね。

セッションが楽しくて笑って締めくくっても、江美が実際に生活する部屋は汚部屋。

彼女の現在地がよくわかる描写を経て、吉原を辞めます、というオープニングでした。

【なんか不快なお葬式文化】

次に描かれるのが

「辞めます」

に至るまでの物語で、故郷のお父さんが亡くなってお葬式をして…というもの。

コメント欄でも

「本当に嫌だよね」

「こうだよね」

と共感されまくっていた、なーんか不快な葬式文化。

結婚しないの、結婚しない奴はヤバイ、という定番の保守的セクハラ仕草しかり、綺麗うんぬんしかり(江美さんは美人なので褒めてはいるのだけど)、故人を偲ぶはずなのに酒と精神的サービス…うん、なんか嫌ですよね。

私が下戸だからこう考えるのかもしれないけど、結婚式にしても葬式にしても長く続く法事にしても、酒がぜったいついて回るのなんなんでしょうね。

酒がからむと気持ち悪い本性を見せる人が必ずいるのがきっつい。

結婚式もお葬式も、大変な人たちがお酒注いで回って気遣いしまくって…なんなんだろう。

モヤモヤ。

生前のお父さんはホステス業に偏見があり忌み嫌ってはばからなかったそうですが(お母さんの口から語られている)、冠婚葬祭でホステス仕事を無償で強いているじゃないね。

ぐったり疲れる葬儀を終えて実家に着くと、母親が自分の部屋をそのまま綺麗に掃除しながら残してくれていたこと、

「江美もいつか帰ってくるかもって思ってね」

「本当はお父さんもずっと江美のこと気にかけてたよ」

と話してくれる、老いて猫背に縮んだお母さんを見て思いが静かに込み上げてきた江美さん。

「もう今更かもしれないけど、嘘なんてつかずに真っ当に生きていきたい」

この願いが江美編を作るのだ。

幸せな過去をなつかしむのを

「ダメダメ、過去の波動にひっぱられちゃ!」

なんて思ってる描写が

「ああ、ろくでもないのに洗脳されてんなあ」

とハラハラしますけどね

幸せな過去をいとおしむ、良いことだよー別に逃げに使ってるわけじゃなく、今が辛いから美化してるわけじゃない。

むしろこっちが心の栄養だよエミー(笑)。

【冷ややかな意見もあった“なりたい自分ノート”が実はすごく大事】

…という経緯で桜の花咲く頃に実家へ引っ越して来た江美は自分の部屋でカリカリ

「なりたい自分ノート」

を書く。

・ウソをつかない自分になる!

・人に言えない仕事はしない!

・身も心も若い気持ちを忘れずに!


このノート、コメント欄ではけっこう冷ややかに言われていて

「そんなの子どもの目標ノートじゃん」

「田舎に美容皮膚科なんてないよ」

「エミー、幼すぎるよ」

など笑われていそうな勢いでしたが。

完結してからここを読み返すと、これこそが江美編を創造した想いなのだと私は想います。

それに江美は少なくともこの3大テーマを叶えています。


引き寄せの法則は昔から伝わる人生の法則なのだけど、あれで荒稼ぎした教祖さまや成り上がって没落した界隈有名人たちがいたおかげでイメージは最悪になっちゃったよね…だからこういう言葉を書くのはやや辛いけど、やっぱり江美がこう願って引き寄せたからこそ、江美はあの幸せな未来を作ったし助けられたのだと私は思う。

この願いがあったからこそレター(先生って書きたくない)の洗脳が解けるのだ。

「ノート…ええ…」

と連載時感じた人ほど、この視点を持って江美さん編を読み返してほしいです

さてさて、やっぱり長くなっちゃったのでここで切ります。

次からはもっとサクサク書けるように頑張りますね。

ここまで読んでくださってありがとうございます

続き書きました!
  ↓
・江美さん編『明日カノ』言いたい放題・その3。

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