真珠子学園

真珠子主催の活動公式公開日記。
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ねぶたときめき函館きらきら恐山

2007-08-11 02:35:01 | 日記
驚いてもオドロキきれない
喜んでもヨロコビきれない
悲しんでもカナシミきれない
愛してもアイシきれない
それが板画です

棟方志功 「わだばゴッホになる」


EIZONE終わった翌日から、夫に連れて行かれるままに
4泊4日の旅に出た。
仙台より北に行ったことがなかった私。
東北の短い夏を訪ねる旅だった。
前日はまた夜更かししてしまい、新幹線の中で眠りこける。
目が覚めるとそこはもう田園風景・・・ああ!田園に死す!
そう、青森には、太宰も寺山もいたのであった!
青森駅に到着。
すごい熱気が感じられる。金魚の張り子、ちっちゃいねぶた人形のお出迎えで、わ~い!写真撮っちゃう!

荷物を増設コインロッカーに預けて、急ぎ足で
すぐさまタクシーに乗り込む。美術館の閉館時間は
早いからだ。棟方志功記念館へ到着。
入り口入って、すぐの棟方さんの等身大写真を見ただけで
うっすらと涙が・・・。
いつもこの方の作品を拝見すると泣きすぎる。
そのことがわかっているので、今日は、とても覚悟して
出向いたというのに・・・
夫は、2度目の来館。棟方さんが画家を志したきっかけを
話してくれた。子どもの頃、転んで目の前にあった花を見て
これを表現すると誓ったそうです。それがなんと、おもだかの花なのですって!!!驚嘆!だって、おもだかやだよ・・亀さま・・・


路上で、焼きそばとか食べてるうちに、
ねぶたが始まった。太鼓の音は、心臓の音。
太鼓を叩き、心臓の音を共鳴させて心を一つに
しようなんて、いったい誰が考えついたのでしょうか!
すごすぎる。
わたしは、この間近所のお祭りをたまたま見かけて、
待ち合わせ中になんとなく御神輿を見ていたら
涙が出てきました。普段は会話もしない人たちが
みんなで力を合わせたり、声を出しているという図を
見ていたら感動したのだと思います。
子どもの頃、ビックリマンチョコレート欲しさに、
お祭りの練習に行っていました。
それは祖父が産まれ育った長崎から取り入れた蛇踊り
というものなんですが、私たち子どもは、ちっちゃいシンバルを鳴らしながら一緒に蛇と練り歩くのです。
赤いチャイニーズドレスを着せてもらってお化粧してもらうのがとてもうれしかった。博多どんたくでは、伯父さんが、
御神輿の上に乗っていました。これはテレビでしか見られなかったのですがこれもとても感動しました。だから今回の、
ねぶたは初めて実際に見る大きなお祭りでした。

終わってからすぐに函館へ。
青森はもう泊まるところがなかったみたい。
翌朝、うに、いくら、えび、いかの入った丼と、
イカそうめんを食べる。わたし、うみのもの大好き。
函館山にロープウェイで登って、夜景を見た。
ちょっと長崎に似ている。
クラシックカー博物館で昔の車をいっぱい見た。
流れるようなデザイン。ドレスみたい。
コール・ポーターや、フィッツジェラルドの風が吹いた。
ガラス工房で、アクセサリー作り体験をした。
「よし子」というチョウチョの形のブローチを作って
夫がプレゼントしてくれた。

水曜日、青森に戻り、恐山へ。極楽のように美しかった。
宿坊に泊まる。20畳はある部屋。テレビなし。
無音。聞こえてくるのは、
雨が小石に当たる音と、人間が唾を飲み込む音と、
人間の胃袋が消化している音だけ。
精進料理を食べた。お寺の中に温泉が湧いていた。
硫黄のお風呂に入る。

最後の日、本当は青森市内を見て回ろうかとしていたのだけど
、どうしても弘前に行きたくなって、予定変更して普通電車で出かける。
「次は大釈迦だす。」という車内アナウンスに感動。
ものすごく静か・・・
誰一人としておしゃべりしていませんでした。
そして、ホームで煎餅をずっと食べていた若い男の子が
印象的でした。売店の看板には、「せんべいの広場」という
POP。煎餅の需要の高さを思い知りました。

東北の女性は、みんな寺山修司のお母さんに見えました。
息子と約束した夕食の時間。帰ってくるまで、炭になるまで
フライパンでハンバーグを焼き続けたお母様・・・
東北の神秘性を、棟方さんは、乳のようなねっちりとした魅力とおっしゃっていた。

弘前のお城周りをタクシーで回ってもらう。
桜の絶景な場所、そして二人の弘前高校も見られた。
私は18歳の時、太宰&寺山とは妄想の中で一緒に心中していた。
この弘前という土地にどれだけ憧れていたことか。

弘前駅から寝台列車に乗った。
お弁当を買いに行っている夫を待っている間、
改札でぼんやり電光板を見ていた。
「あけぼの 上野行き」
なんて甘やかな響き。
私には、幸福行きに見えた。
ここは東京という天国と繋がっていたのだ。
そこが天草とは違うところだ。天草は霧の中。
東京はどこかにある夢の国。電車がないから。
こんなダイレクトな乗り物ない!
この一本のレールを辿っていけば確実に天国は
あるという希望のなんと羨ましいことよ!

二人も通ったに違いないこの改札をわたしも
くぐり抜けた。





写真:ねぶた。ゴッホが描いたひまわり。
青函連絡船にあった何通りかの織り毛布サービス。
恐山の宇曹利湖。おもだかの花。
コメント
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