花を好きな人たちは普通にラン科植物を追いかけていると思う。華やかでは無いものもあるが、たいていのランの花は美しい花を咲かせるからである。もちろん、私もランの花は好きで追いかけてはいるが、絶対にこの花を見つけてやろう、というまでの意気込みは現在は無い。無理に探して自然環境を痛めてしまうのは問題があるし、むしろ稀少な花たちをいかに守って行くかという方に興味を持っている。2018年版山梨県レッドデータブックに登録されている絶滅危惧ⅠA類のラン科植物は26種類あり、そのうちの20種類を見ているが、残っているのは探すのが難しいものばかりである。1種類は既に場所が分かっているので今年は咲いている花に出会えると思う。また、情報不足(DD類)となっているキンセイランが昨年発見されて次回の書き換え時にはⅠA類になるのが確実となり、またヒメスズムシソウが新たに特定指定種に指定されこれもⅠA類ということになる。おそらくこれからも次々に新しい花が発見されてくる可能性があり、レッドデータブックは書き換えられて行くことになるのだろう。
アツモリソウ
言うまでもないがラン科植物の代表的な花である。三ツ峠はランのブームで盗掘が多くなった当初から保護柵を設置して、全国的にもいち早くこの花の保護に乗り出した場所である。ボランティアを募って清掃登山なるものを毎年実施しており、また三ツ峠ネットワークを中心に積極的な高山植物保護活動を行っている先進的な保護地である。別の山域では、保護柵設置の効果が現れてアツモリソウが復活してきた場所があることは嬉しいことである。
復活した草むらの中で咲くアツモリソウ。右側には昨年の種が見えている。
保護柵の効果が現れて復活したアツモリソウ
ホテイラン
アツモリソウがランの王様ならばこの花はお姫様だろう。針葉樹林の苔の生えた林床を好んで生育する美しい森の妖精である。
針葉樹林の林床に咲くホテイラン
可憐なる森の妖精
ウチョウラン
岩場の隙間にある草地を好んで生育する薄紫色の花で、大きさは小さいが花が咲くと目立つ。一見するとスミレのように見える。盗掘により激減してしまったが、あまり人が入らない山中では少しずつ個体数を増やしている。
岩場の草地に生育するウチョウラン
可憐な薄紫色の蝶が舞う花。
ハクウンラン
針葉樹林帯の林床を好んで生育する小さなランである。気象変化か、あるいは鹿の食害による二次的変化のためか森の斜面が乾燥化しつつあり、個体数は減少している。
ハクウンラン。小さな虫のような白い花を咲かせる。
これほどたくさん咲くことはきわめて珍しい。
セイタカスズムシソウ
草地に生育するのだが、広葉樹林の森と草地の境目あたりに好んで生育している。スズムシソウよりは背が高くなるがさほど大きくなるわけでは無い。
草むらの中に咲いたセイタカスズムシソウ。富士山北麓の林道脇で出会った。
こちらは忍野村で出会った個体。あまり大きく無い。
半透明の唇弁は不思議な魅力がある。
フガクスズムシソウ
広葉樹林の苔の生した木に生育する着生ラン。山梨県では富士山麓でしか見かけたことが無い。
苔の生えた木に着生するフガクスズムシソウ
高い木の上に居るので見つけにくい。
超望遠レンズで撮影したフガクスズムシソウ
クモラン
山梨県県南部に生育する着生ランである。梅畑の梅の木に着生している姿は良く見かける。まさに蜘蛛のように足を延ばすランである。
梅の木に着生したクモラン
もうすぐ咲きそうな小さな小さなクモランの花。
トラキチラン
葉緑素を持たない菌従属栄養植物で、半透明の花弁が妖艶な雰囲気を出しているランである。生育地が限られていて個体数も少ない。毎年咲くとは限らず、個体数も減少傾向にある。
半透明の幽霊のようなトラキチラン。富士北麓で見たものであるが年々数が減少して見つけるのが難しくなっている。
ショウキラン
トラキチランと同じく菌従属栄養植物である。決して綺麗なランとは言えず、一見すると奇妙なキノコのように見える。富士山麓に生育しているが個体数は減少しており、最近鳳凰山でも発見された。
鳳凰山の沢沿いで発見されたキバナノショウキラン。個体数は少ない。
言われればランのような形をしている。
コハクラン
2005年版レッドデータブックでは情報不足(DD類)であったが、八ヶ岳で新たに生育が確認され2018年版からⅠA類になった。個体数はきわめて少ない。
針葉樹林帯の林床だが、少し草の生えた場所を好むコハクラン
まさに琥珀色のラン
ヒメスズムシソウ
全国的にも生育地が極限られており個体数も少ないランである。数年前に発見され、今年山梨県特定指定種、かつ環境省でも保護種に指定されている。
全国的にも生育地が限られ個体数も少ないヒメスズムシソウ
ジガバチソウに似ているが唇弁が下向きに反り返る。
キンセイラン
薄黄色の美しい花を咲かせる上品なランである。2005年版ではⅠA類だったが自生地から消滅し、2018年版では情報不足(DD類)となってしまった。しかし2019年に別の場所で生育が確認され、さらに別の山域でもそれらしき葉が確認されている。
スギやヒノキの植林帯を好んで生育するキンセイラン
薄黄色の上品な花である。
いよいよハナネコノメソウが咲き出し、山梨県にも花のシーズンが到来である。ランをはじめとする花を咲かせる植物は確かに美しくて可愛らしくて心が和むだろう。今年はそれに加えてシダの調査も同時にやって行きたいと思っている。保護柵の修理ももう待った無しの状態である。時間が足りるのかどうか?その前に自分自身の体力と気力がどうなのか?いよいよ忙しいシーズンの到来である。
アツモリソウ
言うまでもないがラン科植物の代表的な花である。三ツ峠はランのブームで盗掘が多くなった当初から保護柵を設置して、全国的にもいち早くこの花の保護に乗り出した場所である。ボランティアを募って清掃登山なるものを毎年実施しており、また三ツ峠ネットワークを中心に積極的な高山植物保護活動を行っている先進的な保護地である。別の山域では、保護柵設置の効果が現れてアツモリソウが復活してきた場所があることは嬉しいことである。
復活した草むらの中で咲くアツモリソウ。右側には昨年の種が見えている。
保護柵の効果が現れて復活したアツモリソウ
ホテイラン
アツモリソウがランの王様ならばこの花はお姫様だろう。針葉樹林の苔の生えた林床を好んで生育する美しい森の妖精である。
針葉樹林の林床に咲くホテイラン
可憐なる森の妖精
ウチョウラン
岩場の隙間にある草地を好んで生育する薄紫色の花で、大きさは小さいが花が咲くと目立つ。一見するとスミレのように見える。盗掘により激減してしまったが、あまり人が入らない山中では少しずつ個体数を増やしている。
岩場の草地に生育するウチョウラン
可憐な薄紫色の蝶が舞う花。
ハクウンラン
針葉樹林帯の林床を好んで生育する小さなランである。気象変化か、あるいは鹿の食害による二次的変化のためか森の斜面が乾燥化しつつあり、個体数は減少している。
ハクウンラン。小さな虫のような白い花を咲かせる。
これほどたくさん咲くことはきわめて珍しい。
セイタカスズムシソウ
草地に生育するのだが、広葉樹林の森と草地の境目あたりに好んで生育している。スズムシソウよりは背が高くなるがさほど大きくなるわけでは無い。
草むらの中に咲いたセイタカスズムシソウ。富士山北麓の林道脇で出会った。
こちらは忍野村で出会った個体。あまり大きく無い。
半透明の唇弁は不思議な魅力がある。
フガクスズムシソウ
広葉樹林の苔の生した木に生育する着生ラン。山梨県では富士山麓でしか見かけたことが無い。
苔の生えた木に着生するフガクスズムシソウ
高い木の上に居るので見つけにくい。
超望遠レンズで撮影したフガクスズムシソウ
クモラン
山梨県県南部に生育する着生ランである。梅畑の梅の木に着生している姿は良く見かける。まさに蜘蛛のように足を延ばすランである。
梅の木に着生したクモラン
もうすぐ咲きそうな小さな小さなクモランの花。
トラキチラン
葉緑素を持たない菌従属栄養植物で、半透明の花弁が妖艶な雰囲気を出しているランである。生育地が限られていて個体数も少ない。毎年咲くとは限らず、個体数も減少傾向にある。
半透明の幽霊のようなトラキチラン。富士北麓で見たものであるが年々数が減少して見つけるのが難しくなっている。
ショウキラン
トラキチランと同じく菌従属栄養植物である。決して綺麗なランとは言えず、一見すると奇妙なキノコのように見える。富士山麓に生育しているが個体数は減少しており、最近鳳凰山でも発見された。
鳳凰山の沢沿いで発見されたキバナノショウキラン。個体数は少ない。
言われればランのような形をしている。
コハクラン
2005年版レッドデータブックでは情報不足(DD類)であったが、八ヶ岳で新たに生育が確認され2018年版からⅠA類になった。個体数はきわめて少ない。
針葉樹林帯の林床だが、少し草の生えた場所を好むコハクラン
まさに琥珀色のラン
ヒメスズムシソウ
全国的にも生育地が極限られており個体数も少ないランである。数年前に発見され、今年山梨県特定指定種、かつ環境省でも保護種に指定されている。
全国的にも生育地が限られ個体数も少ないヒメスズムシソウ
ジガバチソウに似ているが唇弁が下向きに反り返る。
キンセイラン
薄黄色の美しい花を咲かせる上品なランである。2005年版ではⅠA類だったが自生地から消滅し、2018年版では情報不足(DD類)となってしまった。しかし2019年に別の場所で生育が確認され、さらに別の山域でもそれらしき葉が確認されている。
スギやヒノキの植林帯を好んで生育するキンセイラン
薄黄色の上品な花である。
いよいよハナネコノメソウが咲き出し、山梨県にも花のシーズンが到来である。ランをはじめとする花を咲かせる植物は確かに美しくて可愛らしくて心が和むだろう。今年はそれに加えてシダの調査も同時にやって行きたいと思っている。保護柵の修理ももう待った無しの状態である。時間が足りるのかどうか?その前に自分自身の体力と気力がどうなのか?いよいよ忙しいシーズンの到来である。
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