山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

ヤマゴボウとマルミノヤマゴボウ 令和6年6月14日

2024年06月16日 | 山に咲く花
 今年はなんとか花を見たいと思っているヤマゴボウであるが、3週間ほど前に訪問した時にそれらしき個体は確認したものの花芽が付いていなかった。咲くとすれば、そろそろ咲いていて良い頃である。午前中は南アルプス市に出張があったので午後から訪れてみる。

    茎が赤っぽい。これはヨウシュヤマゴボウであろう。

    花芽が付いておらず、これは咲かないかも知れない。

    こちらは茎が緑色でヤマゴボウと思わしき株

    こちらも花芽が見えない。ヨウシュヤマゴボウに比べて葉の皺が深いように思う。

    周辺の斜面を探してみると、幸運にも一株だけ咲いているものがあった。

    軸が緑色でこれはヤマゴボウで間違いないであろう。

    結実しかけているが頂部はまだ花が咲き残っている。

    結実した実は溝がはっきりと見える。

    花は葯が赤紫色をしている。これがヤマゴボウの花の特徴であろう。

    葉はやや皺が多い感じはするが、この大きさになるとヨウシュヤマゴボウとの区別は難しい感じがする。

    1株だけだが、なんとか出会えてとても感動したヤマゴボウ

 さて、花仲間が別の場所でマルミノヤマゴボウと思わしきものを発見してきたのでそちらに移動してみる。林道を少し歩かなければならないのだが、現地に近付くと車道の脇に大株が生えているのが目に付いた。

    車道脇に生えていた大株のマルミノヤマゴボウ

    今年見る中で最大の株。花をたくさん咲かせた。

    ほぼ結実しているマルミノヤマゴボウ

    先端部にまだ花が残っている株。

    結実した部分。ヤマゴボウのように溝が深く無く丸くなっている。

    咲き残っていた花。薄ピンク色の花で葯は白い。この葯の色がヤマゴボウとの違いであろう

    沢沿いに生えていたマルミノヤマゴボウ

 今日はヤマゴボウとマルミノヤマゴボウの両方を観察することが出来た。特にヤマゴボウは個体数がかなり少なく食害も受けていると思われ、咲いている花が見られたことはとてもラッキーだった。ヤマゴボウとマルミノヤマゴボウの違いはしっかりと分かったと思う。


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ランを中心に南部町植物散策 令和6年6月13日

2024年06月16日 | 山に咲く花
 数年前に南部町で見つけたムヨウランと思わしき植物はその後何年も姿を見せていなかった。ところが、花仲間が訪問してみたところ、今年は1本だけ茎を伸ばして花を咲かせているらしい。他にも見たい花があり午前の仕事を終わらせて午後から南部町を訪れてみる。現地に到着したのは午後3時になってしまった。

    スイカズラの花が満開になっている。良い臭い漂っている。

    満開のスイカズラ

    こちらはマタタビ

    白い花が咲いておりこれもほんのりと甘い香りが漂っている。

    マタタビは雌雄別株である。これは真ん中に白い雌しべがあり、両性花であろう。

    こちらが雌花と思われる。花弁が無い。

    これはツワブキであろう。花はもうほとんど終わっている。

    カナクギノキ、のはずである。

    春には花をたくさん咲かせていたので実を見たかったのだが見当たらない。

    さて、目的のムヨウランらしきものを見に行ってみるが・・・

    既に遅かったようで立ち枯れしてしまったのか、花は枯れて頂部は脱落してしまっていた。

    ベニシュスランはまだ蕾。咲くのは2週間以上先になりそうである。

    気になっていた着生ランだが、木の本体が枯れてしまっている。

    これはマメヅタランのはずだが、木が枯れてだいぶ脱落してしまっている。

    花が散った後の実になりかけたものが付いている。

    こちらはムギラン

    豆のような偽球茎が見える。花らしきものがいくつか見えているが既に散っているようである。

    道路脇を見ると様々なシダが生えている。これはオオヒメワラビと思われる。

    円形ないしは馬蹄形ソーラスが中肋と辺縁の中間に付き、小羽片は軸に流れて柄が無い。

    触ると固くて痛いイノデの仲間が生えている。オニイノデか、あるいはオオキヨズミシダか?小羽片が軸に流れている。

    茶色い幅広な鱗片はあまり多くは付着していない。これはオオキヨズミシダであろう。

    あまり見慣れないシダが生えている。

    イヌワラビの仲間であろうということは分かるが、これは何?

    小羽片の切れ込みはやや深めで、中肋寄りに線形ないし三日月型のソーラスが付着している。

    鱗片は茶色であまり多くは付着していなかった。これはホソバイヌワラビではないかと思う。

    チャセンシダの仲間がたくさん生えている。

    軸の裏側を見てみると翼が付いている。これはイヌチャセンシダであろう。

    こんなにたくさん生育しているのに今まで気付かなかった。

    場所を移動してハナミョウガを見に行ってみる。もう花が咲いているはずだが・・・

    葉は展開しているが花芽がひとつも見えない。

    千切れているのは食害であろう。個体はたくさんあるので簡単に花が見られると思ったのだがそう簡単では無さそうである。


    こちらにも生えていた。

    軸が緑色でこれはマルミノヤマゴボウ。

    うっすらピンク色の花

    結実した実は溝が少なく丸みを帯びる。これがマルミノヤマゴボウの由来であろう。

 ムヨウランは残念ながら訪問が遅くなってしまい、マメヅタランも終わってしまっていた。しかし新たにイヌチャセンシダの群生や他のシダ、さらにマルミノヤマゴボウも発見出来て、有意義な散策になったと思う。


コメント (3)
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