山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

マルミノヤマゴボウ(ヤマゴボウ科)Phytolacca japonica Makino

2024年06月21日 | その他の絶滅危惧種
 山地の林内や林道脇を好んで生育する多年草である。ヤマゴボウが帰化種であるのに対してこのマルミノヤマゴボウは在来種である。茎は太くて緑色で、大きなものは1.2mほどの大きさになる大型種である。葉は互生し、長楕円形~卵状長楕円形で先が尖り、全縁、無毛。花序は直立し、次第に真っ赤な棒状になる。花には花弁がなく、萼片が5個あり、初めは淡紅色だが、花柄とともに真っ赤になる。果実は心皮が8個合着して球形になり、熟すと黒紫色になる。 実が分果せず丸くなることがマルミノヤマゴボウの名の由来となっている。山梨県では県南部を中心に生育しており個体数はそこそこにある。

    マルミノヤマゴボウ 2024年5月 南部町で撮影

    マルミノヤマゴボウの花 うっすらピンク色を帯びている。

    花弁のように見えるのは萼片で5枚ある。

    雄しべの葯は白い。

    結実しかけている大株のマルミノヤマゴボウ。2024年6月 身延町で撮影

    たくさん花を付けているマルミノヤマゴボウ。花序は直立し、果期にも垂れ下がらない。

    結実しかけたマルミノヤマゴボウ

    果実は8個が合着して丸くなり、溝が目立たない。

    川沿いに生えたマルミノヤマゴボウ。それなりに個体数はある。




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ヤマゴボウ (ヤマゴボウ科) Phytolacca acinosa Roxb.

2024年06月21日 | その他の絶滅危惧種
 山地の道路脇の林縁や荒れ地を好んで生育する多年草である。ヒマラヤ~中国原産の帰化植物と言われている。茎の高さは40〜80㎝になる。上部で分技し、茎頂に穂状花を密に着ける。花は白色、雄蕊の葯は淡紅色なのが特徴である。果実は 5 〜 8 個の分果。秋に萼片、花柄は紅色になり、果実は黒色に熟し、 目立つ。花穂は直立し、果期になっても垂れない。根の断面は年輪状になる。山梨県では県南部を中心に生育しているが個体数は少ない。

  2018年山梨県カテゴリー:絶滅危惧ⅠA 類(CR)  2005年山梨県カテゴリー :情報不足(DD)   2017年環境省カテゴリー:なし

    ヤマゴボウ 2024年6月 身延町で撮影

    個体数は少なく花が咲いていたのはこの1株のみだった。

    結実しかけているヤマゴボウの花。直立して花が咲く。

    果実は8個の分果に分かれ ており、明瞭な溝が入る。

    花弁は白色で5枚、葯は淡紅色をしているのが特徴。

    葉には柄があって互生し、やや柔らかくて薄い。




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ハシナガカンスゲ (カヤツリグサ科) Carex phaeodon T.Koyama

2024年06月21日 | カヤツリグサ科
 山地の樹林内の斜面や岩場に生育する多年草である。高さ15 ~ 30㎝で、葉はやや柔らかく、幅 2 ~ 5㎜。葉の基部の鞘は赤褐色を帯びる。まばらに叢生し、長い匐枝を伸ばす。頂小穂は雄性で紫褐色、側小穂は雌性でときに先端部に短く雄小穂を付ける。果胞は無毛で嘴は長く、熟すと外曲し、口部は2歯である。県内では旧富沢町周辺で生育が確認されたが、 生育は局所的である。

 2018年山梨県カテゴリー :絶滅危惧ⅠB 類(EN)  2005年山梨県カテゴリー :情報不足(DD)   2017年環境省カテゴリー :絶滅危惧Ⅱ類(VU) 

    ハシナガカンスゲ 2024年4月 南部町で撮影

    樹林内のやや湿った斜面や岩場を好んで生育する。基部は赤褐色を帯びる。

    岩場に叢生したハシナガカンスゲの群落

    頂小穂は雄性で紫褐色、側小穂は2~4個付き、通常は雌性である。

    鱗片は黄緑色~茶褐色を帯びる。

    鱗片が黒褐色のものもある。

    果胞は無毛で筋は目立たない。嘴は長く、熟すと外側に曲がる。




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フトヒルムシロ (ヒルムシロ科) Potamogeton fryeri A.Benn.

2024年06月21日 | 水生植物
  主に貧栄養または腐植栄養質な池や沼の水中に生育する多年草である。地下茎は泥の中を横に這い、先端に越冬芽をつける。浮水葉の葉身基部は円形~浅心形で縁が葉柄にそって流れ、波形のしわをつくる。若い浮葉は赤銅色を帯びることがある。沈水葉は上部の1~2枚を除いて明瞭は葉柄は無い。花は 2.5 ~ 5㎝、穂状花序を直 立する。花期は 6 ~ 10 月。山梨県では分布域が限られており、個体数はさほど多くは無い。

 2018年山梨県カテゴリー :絶滅危惧Ⅱ類(VU)  2005年山梨県カテゴリー :絶滅危惧Ⅱ類(VU)   2017年環境省カテゴリー:なし

    フトヒルムシロの生育する池 2024年6月 北杜市で撮影

    限られた生育地に固まって生育している

    主な花期は6~7月ごろ

    穂状花序を水面に伸ばすフトヒルムシロ

    穂状花序に濁った紅色の花が咲いている

    同じ池の8月下旬の様子 2023年8月撮影

    葉の辺縁が波打つと言われているが葉で判別するのは難しい。

    水中葉が見える。この水中葉には柄が無いはずである。





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ジロボウエンゴサク (ケシ科) Corydalis decumbens (Thunb.) Pers.

2024年06月21日 | その他の絶滅危惧種
   山地の林下のやや湿った所を好んで生育する多年草である。高さ10~20cmになり、地下に1cm大の丸い塊茎がある。根出葉は塊茎の頂端に少数つき、葉は2 ~ 3 回3出複葉で長い柄がある。小葉は 2 ~ 3 深裂する。花茎は 1 球から数本出し、柄のある葉が 2 個つく。花序は長さ1~2cmの紅紫色の花を少数つける。苞は卵形で全縁、先端部が尖る。花期は 4 ~ 5 月。山梨県では県南部に生育し、個体数はあまり多く無い。

  2018年山梨県カテゴリー:絶滅危惧ⅠB 類(EN)  2005年山梨県カテゴリー :絶滅危惧Ⅱ類(VU)  2017年環境省カテゴリー:なし 

    ジロボウエンゴサク 2024年4月 南部町で撮影

    やや湿った林縁や林道脇を好んで生育している。

    花は紅紫色で細長く、長さは1~2cm程度

    苞は全縁で先端部が尖る

    花と苞

    葉は2回3出複葉で、小葉は2~3深裂する




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アシタカツツジ (ツツジ科) Rhododendron komiyamae Makino

2024年06月21日 | ツツジ科
 山地の尾根の明るい樹林下や岩場に生育する落葉低木で、高さ1 ~ 3mになる。花期は5~6月。葉は広披針形ないしは峡長楕円形で、輪状に5枚付く。花は紅紫色で枝先に 2 ~ 4 個つく。雄しべは 5 ~ 10 本。山梨県では、県南部の静岡県境に生育しており、山梨県側は個体数が少ない。

 2018年山梨県カテゴリー : 絶滅危惧ⅠB 類(EN)  2005年山梨県カテゴリー:絶滅危惧Ⅰ B 類(EN)  2017年環境省カテゴリー :絶滅危惧Ⅱ類(VU)

    アシタカツツジ 2024年5月 静岡県境で撮影

    静岡県側には多く生育しているが山梨県側の個体数は少ない。

    紅紫色のアシタカツツジの花

    枝先に2~4個の花を付ける。雄しべは5~10本ある。

    葉は長披針形ないしは峡長楕円形で5枚付く。

    幹は溝が無く、鱗片状に薄く剥がれる。

    アシタカツツジの花と葉






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