スケッチブック30

生活者の目線で日本の政治社会の有様を綴る

スケッチブック30(共産党と、気球への巧みなアメリカの対応)

2023-02-07 10:47:43 | 日記
2月7日(火)令和5年
 志位がずっと委員長なのはおかしいと文句を言った党員を、共産党が除名処分にした。小池晃はその理由を「攻撃されたら党を守る必要があるからだ」と述べた。これは端無くも、俺たち共産党は、批判を自分への攻撃だと常に受け取る存在であると、共産党の本質を自分自身で告白した事となった。批判を受ければ普通は言論で応酬するか、批判が尤もだと思えば、自分の襟を正す。それが民主主義社会に存在する人間集団というものである。しかし共産党のやり方はそうではなく、批判した相手を抹消するのである。日本は安定した社会だから、抹消の手段は、除名に留まっている。これがスターリン時代なら粛清であり、宮本賢治時代ならリンチ殺人であり、中国なら「重大な規律違反による調査」であろう。松竹さんも今の日本で良かったね。
 何で共産党は批判を攻撃と受け取るのか。一つの理由は、彼らの価値観が、我々と全く違うからである。我々は資本主義社会の中で、社会に不具合があれば、なんとかそれを改善しようと考える。だから他者からの批判を、自分が気づかない現状を教えてくれるもの、現状認識を促しているものと受け止める。それは批判する他者も自分も、現状を改善しようと志す共通の地盤に立っていると、お互いに認識しているから、出来る事なのだ。しかし共産主義者は社会の改善など目指していない。資本主義社会を破壊して共産主義社会を作ることを、目指しているのである。我々は共産主義者も同じ地盤に居ると思いがちだが、彼らははっきりと、自分たちと我々とを区別している。まあ例えると古代か中世の異民族、異教徒みたいな存在である。そして現状は彼らはマイノリティーである。だから批判を、どうしても、自分たちへの攻撃と、受け取ってしまうのだ。
 二つ目の理由は、彼らの生活が、過酷であるという事だ。内部抗争に負けると殺される、その恐怖を常に持っているからだ。上意下達が徹底された組織では起こりがちな話ではあるが、メジャーな社会では組織から抜けても、別に所属できる組織は幾らでもある。所がマイナーな社会ではその組織を抜けたら、もう行く所がないのである。内部抗争に負けると人生が終わりになるのである。だから抗争は熾烈なものになり、些細な事柄でも常にハリネズミのように刺を立てて身構えるのである。
 こういう共産党は絶対に自分の過ちを認めないし、逆に揚げ足取り的な攻撃をして、責任逃れをする。彼らの行動はある意味パターン化している。それを逆手に取ってバイデンは上手く気球問題に対処した。恐らくだがバイデンは中国に、収集した偵察データを破棄すれば気球はそのまま放置する、くらい言ったのではないか。それに乗って中国は気球が自分の所のものであると、認めてしまった。民間の気象観測気球で、手違いでアメリカに飛んだと公式発表をした。そんな手打ち話が、水面下で出来ていたのだろう。そこまで話が進んでから、アメリカが撃ち落としたのである。
 バイデンは落下物を回収して偵察気球だったとの証拠を中国に突きつける。中国は自分のものだと認めているから、習近平は大いに困るだろう。話が違うといった所で、それは中国が嘘を言っていたと、拡散する事になるから出来ない。今回の件でどこまでアメリカが中国をいたぶるか分からないが、中国の国際的信用が益々低下する事態になる事は間違いない。