12月7日(月)
この本は一度読んだ事があるのだが、案の定ほとんど内容を忘れていた。脳の働きが衰えてきているのか、それとも内容が難しいのか。陸軍に焦点を当てた昭和通史とも言うべき本だが、私が昭和の出来事を知らないので書かれている、個々の事項が頭に定着しないという事であろう。予感であるがこの本の内容が頭に入れば、現在のところ一番正しい昭和史を得られるだろうとの感じがする。アメリカが石油の禁輸をして日本との戦争を決意した国際事情とか、石原莞爾が支那事変に反対して陸軍を追いやられた事情とか、興味深い話が淡々と述べられている。ただ「太平洋戦争」との言葉を使っている所だけは気に入らない。「大東亜戦争」であろうが。
この本を読み、現在の日本の状況をつらつら考えた。現在の日本人のまあ90%くらいの人を捉えている考えは、「戦争は絶対にやってはいけない」「軍備を持つと戦争になる。軍備は絶対に持ってはいけない」「平和憲法が日本を守ってきた」というものであろう。私たちはこれを駱駝の平和だと馬鹿にするが、この本を読んでみると、それなりに日本人の深刻な反省の上に立った考え方かもしれないなあと、思うようになった。
大東亜戦争の惨劇は国民全員が知る所である。何故あんな無謀な戦争をしたのかとの思いは国民全員が持つところだろう。私もそこを知りたくて色々本を読んでいるのだが、結局日本が強い武力を持っていたから戦争になったと考えるのも、一つの真実だろうと思うようになった。帝国主義の時代は武力がなければ自存自衛できない。そして強い武力を持てば大東亜共栄圏の構想も沸いてくる。更に一回戦二回戦と勝ち上がれば、強大なアメリカと対戦する番になる。日本が武力を持ち自存自衛を図る以上、対立するアメリカと戦争になるのは必然だ、だから武力がなければ無謀な戦争に飛び込んで国を破滅させる事はなかった、との考えである。
ならば武力なしにどう生きてゆくのかとの問いに、現代人は、アメリカの子分になれば良かったと答えるのである。今まさにそうして日本は幸せに暮らしているではないか、そして70年もの間戦争をしなかった事実が、この考えが正しい証拠である、となるである。
これは真実であろう。ただ戦後という極めて特殊な時代における真実である。戦前にもし日本が武力を放棄してアメリカの子分になったとして、果たしてソ連や中国からの侵略がなく、アメリカが守ってくれて、幸せな暮らしが出来たかは大いに疑問である。何故なら当時のアメリカは強国ではあるが、今のような超大国ではなかったからだ。アメリカが睨んだからといってソ連や中国が日本侵略の手を控えたとは思えない。
だが国民は今の現実を見て過去の歴史を組み立てる。戦後の特殊事例に住まう限り、どうしても軍備があったから無謀な戦争に陥ったと歴史を理解し、従って再軍備してはいけないとなるのだろう。
この本は一度読んだ事があるのだが、案の定ほとんど内容を忘れていた。脳の働きが衰えてきているのか、それとも内容が難しいのか。陸軍に焦点を当てた昭和通史とも言うべき本だが、私が昭和の出来事を知らないので書かれている、個々の事項が頭に定着しないという事であろう。予感であるがこの本の内容が頭に入れば、現在のところ一番正しい昭和史を得られるだろうとの感じがする。アメリカが石油の禁輸をして日本との戦争を決意した国際事情とか、石原莞爾が支那事変に反対して陸軍を追いやられた事情とか、興味深い話が淡々と述べられている。ただ「太平洋戦争」との言葉を使っている所だけは気に入らない。「大東亜戦争」であろうが。
この本を読み、現在の日本の状況をつらつら考えた。現在の日本人のまあ90%くらいの人を捉えている考えは、「戦争は絶対にやってはいけない」「軍備を持つと戦争になる。軍備は絶対に持ってはいけない」「平和憲法が日本を守ってきた」というものであろう。私たちはこれを駱駝の平和だと馬鹿にするが、この本を読んでみると、それなりに日本人の深刻な反省の上に立った考え方かもしれないなあと、思うようになった。
大東亜戦争の惨劇は国民全員が知る所である。何故あんな無謀な戦争をしたのかとの思いは国民全員が持つところだろう。私もそこを知りたくて色々本を読んでいるのだが、結局日本が強い武力を持っていたから戦争になったと考えるのも、一つの真実だろうと思うようになった。帝国主義の時代は武力がなければ自存自衛できない。そして強い武力を持てば大東亜共栄圏の構想も沸いてくる。更に一回戦二回戦と勝ち上がれば、強大なアメリカと対戦する番になる。日本が武力を持ち自存自衛を図る以上、対立するアメリカと戦争になるのは必然だ、だから武力がなければ無謀な戦争に飛び込んで国を破滅させる事はなかった、との考えである。
ならば武力なしにどう生きてゆくのかとの問いに、現代人は、アメリカの子分になれば良かったと答えるのである。今まさにそうして日本は幸せに暮らしているではないか、そして70年もの間戦争をしなかった事実が、この考えが正しい証拠である、となるである。
これは真実であろう。ただ戦後という極めて特殊な時代における真実である。戦前にもし日本が武力を放棄してアメリカの子分になったとして、果たしてソ連や中国からの侵略がなく、アメリカが守ってくれて、幸せな暮らしが出来たかは大いに疑問である。何故なら当時のアメリカは強国ではあるが、今のような超大国ではなかったからだ。アメリカが睨んだからといってソ連や中国が日本侵略の手を控えたとは思えない。
だが国民は今の現実を見て過去の歴史を組み立てる。戦後の特殊事例に住まう限り、どうしても軍備があったから無謀な戦争に陥ったと歴史を理解し、従って再軍備してはいけないとなるのだろう。