スケッチブック30

生活者の目線で日本の政治社会の有様を綴る

スケッチブック30(川田稔著「昭和陸軍全史」)

2020-12-06 21:57:04 | 日記
12月7日(月)
 この本は一度読んだ事があるのだが、案の定ほとんど内容を忘れていた。脳の働きが衰えてきているのか、それとも内容が難しいのか。陸軍に焦点を当てた昭和通史とも言うべき本だが、私が昭和の出来事を知らないので書かれている、個々の事項が頭に定着しないという事であろう。予感であるがこの本の内容が頭に入れば、現在のところ一番正しい昭和史を得られるだろうとの感じがする。アメリカが石油の禁輸をして日本との戦争を決意した国際事情とか、石原莞爾が支那事変に反対して陸軍を追いやられた事情とか、興味深い話が淡々と述べられている。ただ「太平洋戦争」との言葉を使っている所だけは気に入らない。「大東亜戦争」であろうが。
 この本を読み、現在の日本の状況をつらつら考えた。現在の日本人のまあ90%くらいの人を捉えている考えは、「戦争は絶対にやってはいけない」「軍備を持つと戦争になる。軍備は絶対に持ってはいけない」「平和憲法が日本を守ってきた」というものであろう。私たちはこれを駱駝の平和だと馬鹿にするが、この本を読んでみると、それなりに日本人の深刻な反省の上に立った考え方かもしれないなあと、思うようになった。
 大東亜戦争の惨劇は国民全員が知る所である。何故あんな無謀な戦争をしたのかとの思いは国民全員が持つところだろう。私もそこを知りたくて色々本を読んでいるのだが、結局日本が強い武力を持っていたから戦争になったと考えるのも、一つの真実だろうと思うようになった。帝国主義の時代は武力がなければ自存自衛できない。そして強い武力を持てば大東亜共栄圏の構想も沸いてくる。更に一回戦二回戦と勝ち上がれば、強大なアメリカと対戦する番になる。日本が武力を持ち自存自衛を図る以上、対立するアメリカと戦争になるのは必然だ、だから武力がなければ無謀な戦争に飛び込んで国を破滅させる事はなかった、との考えである。
 ならば武力なしにどう生きてゆくのかとの問いに、現代人は、アメリカの子分になれば良かったと答えるのである。今まさにそうして日本は幸せに暮らしているではないか、そして70年もの間戦争をしなかった事実が、この考えが正しい証拠である、となるである。
 これは真実であろう。ただ戦後という極めて特殊な時代における真実である。戦前にもし日本が武力を放棄してアメリカの子分になったとして、果たしてソ連や中国からの侵略がなく、アメリカが守ってくれて、幸せな暮らしが出来たかは大いに疑問である。何故なら当時のアメリカは強国ではあるが、今のような超大国ではなかったからだ。アメリカが睨んだからといってソ連や中国が日本侵略の手を控えたとは思えない。
 だが国民は今の現実を見て過去の歴史を組み立てる。戦後の特殊事例に住まう限り、どうしても軍備があったから無謀な戦争に陥ったと歴史を理解し、従って再軍備してはいけないとなるのだろう。
 

スケッチブック30(香港も忘れがち)

2020-12-06 12:48:03 | 日記
12月6日(日)
 周庭さんや藜智英さんが収監されたが、一年前のような衝撃的な気持が起きない。報道もごくあっさりしたものだ。中国は天安門事件の時のような、短期的な派手なことはしなかったが、人心の風化を狙って長期的に、確実に香港を共産主義体制下に置いたという事だろう。王毅外相が日本のメディアはもっと中国の本当の姿を報道をしろと注文を付けた。本当の姿とは宣伝文を書けという事だが、「報道の自由の侵害」だと騒ぐ様子も、見られない。まあ元々日本のマスゴミは中国様には逆わないのだが、一年前の凄まじいデモ弾圧の最中にこんな発言が出たら、流石に朝日新聞といえども中国に抗議する論調が紙面に踊ったであろう。
 醜悪な現実に対して異議を唱え続けることは、その場から遠く離れた所に住む人には、難しいのだ。醜悪であっても現実は現実で、その場に住む人は合わせてゆかざるを得ない。やがてその現実はそれなりに受け入れられて、何時までも異議を唱え続ける人は置き去られる。それも又やむを得ない話なのだろう。
 アメリカのマスゴミは中国に媚びている。それをトランプが打ち壊しかけていたが、逆に自分が葬られようとしている。またマスゴミ支配が強まるかと思うと実に憂鬱な気分だ。眠りの最中に「忘れてはいかん、これだ」と思う時があるが、すぐ思い出せなくなってしまう。
 トヨタ労連が連合の立民一辺倒の姿勢から抜けるとの話だ。これが波及すれば、連合に残るのは自治労などの、官公庁組合だけになる。実に明るい話だ。連合が弱まれば馬鹿野党も弱まり、布いてはマスゴミも弱まるだろう。それを期待する。