建築・環境計画研究室 (山田あすか)

東京電機大学未来科学部建築学科

レイモンド花畑保育園 環境改善(空間デザイン)(2016〜)

2017-05-04 18:07:58 | □研究・設計業績(論文/プロジェクト等)

新築の保育所の環境づくり(途中経過)です。

まだ開設されたばかりなので,保育室の使い方なども練りきれていないところもあり,使い勝手に納得できていないところもあるので‥とのこと。保育室内の動線整理,ゾーニングなどについて一緒に考えました。

 

最初に,ヒアリングや観察調査で課題や要望を聞き取ります。上記は抜粋。

空間を小さく仕切ることでの遊びのゾーニング,生活動線の整理が有効なのではないかと提案。

CGで立ち上げたパースをもとにプレゼンします。

保育士さんたちとの打合せ。

それぞれの保育室ごとで相談も。

質疑応答。ご要望をうかがって,案を固めていきます。

ゾーニングと動線整理について,ご賛同をいただきました。

今回は1歳児の部屋でゾーニングの実施,0歳児の部屋に天蓋を吊ることになりました。

(保育室の形状に対してその軸を使うグリッドと,ナナメグリッドの2案を提案しましたが今回はシンプルな方で)

 

ゾーニングのために提案したのがこちらの家具?仕切り?パーツ。川和保育園さんで惚れ込んだものですが。

今回,法人さんと設計事務所さんのご紹介で手に入る木材サイズをもとに,図面を起こしました。

 

そして作ります。

千葉NTキャンパスの工房です。ここは木工はなんでもできる。

一つずつ,けがいて糸のこ盤で切っていきます。

一番大変なのはやすり。でもこどもたちが怪我をしないように丁寧にかけました。

ちょっと組んでみて確認。

工程を相談しながら進めていきます。

それにしてもたくさん!

 

天蓋のかけ方も検討します。

布は日暮里繊維街で買ってきました。見るだけでも楽しいですけど。

布を組み合わせて空間にしていくのはまた格別に面白いですね。

 

園児の少ない土曜日夕方に施工。

まず部屋の家具を全体的にどかして‥

パーツを配置していきます。

大まかなゾーニングはできていましたが,実際のスペースの大きさ,スペースどうしのつながりなど,保育士さんたちのご意見で組んでいきます。最後の方は保育士さんたちだけでどんどんこうしようああしよう。我々は手足のようにですね,了解こっちに長パーツ!つぎに短パーツ!と動いていきます。

環境を使う人たち自身の「こうしよう」「こうしてみよう」を引き出せたらそれが一番良いですね,使いながらどんどん変えても行けますから。

もともとの家具を組み込んで,完成させていきます。

1歳児の身体感覚に沿う小さい空間ができました。

 

天蓋班。

完成。

上からの見上げ。3種類の布を組み合わせて扇状に垂らしてみました。0歳児のお部屋のお昼寝スペースなので,おなかのなかのあたたかさ,をモチーフに,ふっくらしたあたたかい印象を目指しました。

 

 

完成後2ヶ月後に,事後調査をして提案の成果を確認しました。

観察された場面(効果)です。

 

ざっくりと,途中経過です。

花畑保育園の先生方,ありがとうございました!

 

*このプロジェクトは,東京電機大学総合研究所研究課題「 障がい児を含む児童通所施設の環境づくりに関する実践的研究」の一環として行われました。研究助成に対し記して御礼申し上げます。*

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