建築・環境計画研究室 (山田あすか)

東京電機大学未来科学部建築学科

建築・環境計画研究室

この研究室は,2006年4月に立命館大学にて開設され,2009年10月に東京電機大学に移りました.研究テーマは,建築計画,環境行動です. 特に,こどもや高齢者,障碍をもつ人々への環境によるサポートや,都市空間における人々の行動特性などについて,研究をしています.

*当ページの文章や画像の無断引用・転載を禁じます*

日本建築学会賞受賞所感草稿

2018-05-31 19:05:40 | 雑記

これは「受賞所感」の執筆を求められた筆者が,熟考の末,ある分量のテキストを生み出すまでの経緯を言語化し,そのプロセスへの思いをまとめた「執筆所感」です。ご依頼をいただきました分量は「900字以内」です。このテキストは11948文字あります。

一応推敲されていますが,思うところを書き連ねてあるので文体も混ざっています。900字を書くためにどれだけの思考とコンテンツの切り貼り=構成・編集と推敲を重ねたものか,どちらかというと苦悩しているか,考えすぎているか,その一端をご覧ください。文章をまとめて書くのって決して楽にはできません・・少なくとも私には。

こんな思考の途中経過を公開することは後にも先にもこれきりだと思います。

でも文字に残しておくと良いような気がするので残してみました。いつもはこういう途中経過は全部消えて行ってしまいます。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 

 

今年(2018年)の日本建築学会賞といえば,「作品」部門について“該当なし”だったことが大きなニュースとなった。

日本建築学会賞は,論文・作品・技術・業績と4部門あり,論文と作品は学会賞設立当初からの歴史ある賞。建築学会大賞(永年に渡り研究・設計業績を重ねた個人に授与される)という,日本建築学会各賞のなかで最も栄誉ある賞は別格として,日本建築学会賞(作品)は,建築業界全般からの関心も高くその結果は否応なく耳目を集める。新しい時代が顕現した,これまでにない建築の有り様や思想が具現化された作品である,と学会が宣言する・・それは建築業界にとって重要なアイコンであるのだから,注目が集まるのは当然だ。

 

これに対して,研究はそれぞれの分野への分化がどうしても不可避であるせいか,論文部門界隈は穏やかなものだ。多分。

建築作品が統合的でありいわばそびえ立つ山のようである反面,研究は多くの場合,深掘りだ。例えるなら谷だ。遠目で見ても谷の存在はわからない。近づけばその深さや対岸までの絶望的な距離を理解し(理解しきれないということを理解し),言葉をなくしたりするくらいのものではあるが。

なお,建築学会賞(論文)としては,それら深掘りされた谷を集めた「巨大な穴」=多数の論文を再構成した「一連の研究/論文」というものがしばしば受賞対象となる。

 

繰り返す。

2018年の建築学会賞は“該当なし”であったことが大きなニュースになった。人々がその個人的関心を半ば匿名の個人,門が開いた自宅の庭でのおしゃべりとして開陳するTwitterでもそのニュースについての言及が行き交った。

これに対して,建築学会賞を誰が受賞したかというニュースは,管見ではほぼ流布されていない。建築学会大賞について広く話題になっているのは仙田満先生(2013:地球環境、こどもの成育環境等における環境デザインの研究、設計、教育、社会活動に対する貢献),原広司先生(2013:様相概念をめぐる空間理論の体系化と創造的な建築・都市設計による建築界への貢献),伊東豊雄先生(2016:新しい設計言語を通して、社会に開かれた建築を生み出した功績)など,設計実績についてよく知られている先生方である。

その他の分野はそれぞれの分野の方々が,それぞれのアカデミックコミュニティのなかで話題にされるのであろう・・か? 少なくとも建築計画の分野ではそう(話題になる)らしい。

 

というわけで,広い意味では特に話題に登っていない(谷であるからして,むしろ落ちるくらいの方がふさわしいのだ),過日受賞の発表が行われた日本建築学会賞(論文)について,受賞所感を書いてください,というご依頼を建築学会からいただく。これが本題。ここまで枕。

読んでくださってありがとうございます

 

受賞所感は,建築雑誌(8月号)に載るとのこと。

自慢ではないが建築雑誌は7年分は取ってある。ときどき面白い記事があり,そういうものは物理的に手放しにくいのだ。では8年より前のはというと,残念ながら書棚の物理的制限により最大7年分しか取っておけない。

だが吉報がある。これらの記事は発行から1年が経つと,ネットに公開されることになっているのだ。ネットは広大だわ。

じゃあ取っておかなくてもいいじゃないかと言われると,そういうものでもなく,書棚の1ブースを建築雑誌がいつも物理的に占めている,この状況が好きなので仕方がない。現実の物体が持つ圧倒的な説得力と存在感,これは得がたいものだ。

 

さて,おもむろに各年の「8月号」を集め,先輩方がどのような所感を書かれているか調べる。書きたいことはある。しかし,それをどのように表現するか,ということについては,先行研究の読解から始まるのだ

うむ・・。

結果として理解したことは,この「受賞所感」という記事は,受賞に際して感じたこと(所感)をそのまま書くような場ではなさそうだ,ということだ。まず感謝だ。それと概要。最後に今後の抱負。感謝・概要(含・研究の部分ごとの共同研究経緯)・今後の抱負。これが授賞所感の基本三点セットだ

うむ,だいたい理解した。

 

感謝は「受賞所感」の根幹を成すようだ。

それは全く同感である。しかし,この部分は直接関係ある方々=関係集団にはお読みいただけるだろうが,その関係集団を土壌として花開き得られた果実を広く世に還元していくのが研究であるという観点からして,より多くの方々,願わくは非直接関係者に読んでいただき今後の関係に繋げていきたいという意図をもって発表されるのであろう文章としては,おそらくたくさんの紙面を占めると,あまり面白くないのでは? 

次に概要,ないし当該受賞論文の解説や,論文を構成する部分についてそれぞれの共同研究経緯,そして学問体系における位置づけが最も紙幅を割かれる傾向にあるらしい。それは「受賞所感」の欄の上に掲載される,選定理由の文章と重複するのでは? 既往文献の概観によると,選定理由は,おおむね論文の概要(目的・対象・成果)とその論文の研究分野のなかでの位置づけ,そしてこれらから導かれる評価について記載され,授賞の理由として説明されているものだからだ。

最後に,今後の抱負。これは,当該受賞論文(論文という形でまとめられた一連の業績)がある意味で代表する学問分野の今後の可能性や展開についての矜持や宣言,アピールを,公式な記録として発表できるということでもある。これは非常に貴重な機会であり,しかも受賞によって「過去」は一旦踏み固まった土台と客観的にある種のお墨付きを得た上でさあこれから何をするつもりなんだと否応なく突きつけられるのであろう期待と,より深さと鋭さを増すであろう審査/批評の目に対して最初の一手という意味もある。

うむ。

感謝(短めに),概要(ほぼ要らない),今後の展望(大事),ということだ。理解し解釈を整理した。

 

よし,では以上を踏まえて執筆に入る。

やあ,こんなところまで読んでくださって本当にありがとうございます。

 

まず,選定理由と並びその下に載る文章であることから,選定理由での言及と対を成す文章であることが望ましいと思われる。

選定理由を見てみよう。

https://www.aij.or.jp/images/prize/2018/pdf/2_1award_009.pdf

・・・。わあすごい。

もうこれで十分ではないでしょうか。この文章の下に何を書き加えても蛇足になるのではないか。まず概要(目的・対象・成果)は蛇足オブ蛇足であることがわかる。おお,主要なボディ部分を失ったぞ? ああ少し分かった,概要はもう十分に書かれているのではないか,と思われる選定理由の文章と対を成すものとして,それに敬意を表すると,当然ながら選定理由には記載されない謝辞と経緯の説明が重きを置かれるという流れがあるのかも知れない。選定理由と受賞所感を別に読んで理解するというステップは誤りだった。これらは最初から対を成しうるものとして読むべきものだった(選定理由を読むより先に受賞所感を執筆されるケースもあるだろうと拝察されるため,「成しうる」と記述)。

 

もう一度読み直し・・分析して統計取りたくなるのをグッと我慢(そこは時間を使うべきトコロではない。溜まっている論文を書かなければいけない)。

 

それと大きなところとして方針を確定しておきたいのが,美文調で行くか論文調で行くか散文調で行くか,笑いの要素は採り入れるのかどうかだ。どこかでちょっとクスッとな感じかアイロニーな感じかスキを見せることで嫌われないための道化スパイスが必要であるかなど。

このひとって変な人なのかね。まあ大学の人ってだいたいそんな感じあるかも。

くらいの感想を持っていただけるとたぶん一番良いだろう。個人的にはそのあたりがいい。わあ優秀な人〜,も,なにこいつ鼻持ちならない。もほとんど紙一重,受取手との相性一つなように思う。リスキーだ。建築学会員全員に配られる『建築雑誌』の,「建築学会賞」のページって。ほとんど読まないでしょ

読むのはよほど関心がある人だけなのではないだろうか。私今回初めて読みましたよ自分の分野の方以外のは,そしてこんなに何度も分析的には。よほど関心のある方(これから学会賞に応募されようとしている方とか?),非常に熱心な方,がお読みになるところと考えればリスキー路線は取りたくない。調子のってんなこいつ,のリスクは避けよう。

内輪受けも避けつつ,こやつちょっとずれている? まあそんな人もいるのかね,くらいが狙い目だ。それでいくとちょっと自分語りで,興味のある方だけがお読みになるのではないかしらと思いますので〜,な感じのワールドを展開するといいだろうか。・・ねえ? 考えすぎるわけですよ。考えすぎじゃなでいでしょうかこういうのは? こういうのを自意識過剰というのかも知れないし,慎重派と言うのかも知れないし,どうでしょう。

 

「こ・の・た・び・は・栄・え・あ・る・・」この辺は鉄板だ,ここは抜かしてはいけない大切な導入部分のようだ。この賞とこの賞を支える建築という文化,この賞を受賞された先人,そしてこれから受賞される方々に敬意を表し,書き出される部分である。

 

このたびは,日本建築学会賞(論文)を賜り,誠に光栄に存じます。選考委員の皆様,ご推薦をいたただきました上野淳先生,これまでの共同研究者の皆様に心より感謝申し上げます。

 

「こ・の・論・文・は・・」一応かるく自己紹介をした方が良いのではないか。詳しくは選定理由を,とかまでは書かない方が良いのかな。いやみっぽいか,大物然過ぎるかも「本論文の概要と位置づけについては上記の“選定理由”に詳しい」なんてああこれ絶対にだめだ。「本論文の概要と位置づけは上記の“選定理由”にこれ以上ないご紹介をいただいております。これを超える概要を著すことは叶わないため,割愛いたします」これが心底正直な気持ちなのだけれどもこれを書いてあると・・呼応はするけれどもこの受賞所感は独立した文章として書かれた方がよい気がするので・・他人のふんどしで相撲を取っている感がする気がするおもねっている気がする迎合している気がする,気のせいでも気がするから気がする

ここは短く書く。論文の概要を短く書くと,ほぼタイトルと同じになる。逆に言えば,論文の概要を最も端的に表したものがタイトルである。「この論文は,医療・福祉建築を対象に,環境行動,施設計画,制度,都市計画のスケールを縦断しつつ,利用者の視点に立って行われた一連の研究論文をとりまとめたものです」。ほぼタイトル通りである。つまり情報量の拡大という意味ではあまり書かれる意味のない文章である。しかし,情報の再出現によるプレゼン強調,認識と記憶の強化,という観点からは十分な意味があるかもしれない。

 

 この論文は主に医療・福祉建築を対象に,環境行動,施設計画,制度,都市計画のスケールを縦断しつつ,利用者の視点に立って行われた研究の成果を一連の研究論文としてとりまとめたものです。施設種別を横断する6つの研究視点– ①生活者の「固有の居場所」,②「記憶の振り返り」による建築空間の評価と検証,③「環境づくり」とその検証,④検討スケールを縦断するこども施設の整備・配置計画,⑤空間構成と滞在様態,⑥医療・介護・支援施設におけるスタッフの「負担感」−と,建築・都市・環境による支援の対象の組み合わせによる論文群によって構成されます。

 

かなり削ったが後半重いな‥。しかも文章で書くとわかりにくい。文字量によっては削除の候補箇所だな。

 

こっちを使うか。

 

本論文では,建築計画分野における,主として医療・福祉の領域にあって,こどもや高齢者,障碍のある人とそれを支援する人と,地域に暮らすさまざまな人々にとっての環境を幅広く対象としています。そして,「利用者がどう過ごすか・どう感じるか」という利用者本位の環境心理・環境行動の視点から各種施設計画,都市資源の活用による施設配置まで研究視点のスケールを縦断的に構え,既存の地域資源や空間をどう使うかの実証的な検討までを行ってきました。

 

そして最後に今後の展望。ここは今,手がけている研究課題とその意図するところ,その次の展開を踏まえた30年後までの漠然とした研究使命感のようなもの。30年。30年。長いな・・・。

定年まであと30年,その頃には定年という概念がなくなっているか大きく変化しているか,それより先に天寿を全うしているかもしれないが30年。

 

なんと,こんなところまで読んでくださったのですか?

であればある程度私のこともご存知か一定のご関心をお持ちいただいている方ではないかと拝察いたしますが,当職,まだあと30年ほどの研究職としての猶予をもってこの賞をいただくこととなりました。(途中で職場や人生をリタイヤしなければですが)

これは直接的な表現は本番の「受賞所感」からは削除する部分ですけれども,卒業論文を執筆する学部4年生(満21歳で書き始め,22歳で書き終わる)から研究人生が始まったとして,満70歳の3月まで49年(合ってます?)。

受賞論文をまとめたのは38歳の年(毎年9月に募集締め切りで,4月に発表,5月に表彰式)なので,38-21=17,17/49≒34.7%(合ってます?)。ここまでで研究人生の時間のおおむね1/3まで来ました。もちろん概算です,大学教員という労働契約に定年はあっても研究者という生き方に定年はありませんし。

 

おそらくこれから,研究に割ける実質的な時間はこれまで以上に減っていき,次第に身体には無理が利かなくなり,感覚は鈍磨して・あるいは良い意味での緩やかなヴェールがかけられて,時間の流れには日々冗談のような加速度がついて感じられるのでしょう。

それでもまだ,これまでのおおよそ倍の時間がある。このときにこの賞を受ける。

これからの時間こそ,おまえは何をするのだという鋭く光る匕首がのど元に突きつけられている。と,いうくらいの自覚は持つべきなんじゃないかな〜たぶんな〜と思っている。ダレるからです。

自慢ではないが自分は非ッ常にめんどくさがりなのです。自分であきれるくらいめんどくさがりなのです。

めんどくさいから課題の遂行においては常に120%の出力を目指す。59点で出し直しを命じられると,最低限59点+60点=119点の仕事をしないといけない。めんどくさい。無駄な感じがいやだ。最初から120点なら出し直しをしなくていいだろう。もっと良い仕事ができたんじゃないか? とあとから後悔したり悩んだりする無駄がない。最初から120%が最も効率的だ。事態が大きくなってから対応するのもめんどくさい。だから先んじて動く。最小限の角度,最小限の距離で物事をふるだけで済む。進んでしまったあとでは同じ角度でも移動する距離が長くなる。それはなんとめんどくさい! 人生の終わりに,後悔するとかもう一度人生やり直したいと考えるとか,それはめんどくさいの真骨頂だ。完全に十二分にこの人生は生ききる。二度とやり直したくない。どの時点にも戻りたくない。これ以上うまくやれることはあり得ない。ほむらさんは凄い,自分には二回以上は無理だ。

 

30年分の,自分の分と,天寿のほどは神のみぞ知るだがこの目で見るつもりのこの分野の課題として認識しているところを書く。それもくどくどと書くとうっとおしいだろう。受賞して何を感じたかの感想(受賞所感)なのだから,2文くらいか。それとも,これからなにをするかのところに最も紙面を割くべきか?

 

今後の我が国の持続的な発展に際しては,医療・福祉・教育・居住の社会基盤を形成する施設と仕組みの統合的な再構築が必至です。そして,縮退する成熟社会の中では社会基盤施設とサービスが地域の雇用・生活・支援などの起点としての役割を増していくでしょう。このため,地域に住まう多世代・多職種の人々が,従来の血縁(家族・親戚)や地縁(地理的近接性)を超えた新しい関係性,ある福祉・医療・教育サービスやその提供拠点の利用(興味関心や必要な支援の共通性)というつながり:利用縁とでも呼ぶべき関係性のなかで包括的かつ相互に支え合う広義の福祉起点型の複合コミュニティを構築することが必要不可欠だと考えています。その実現のためには,QOLの観点からは人々の心理や感覚,個々人が固有に有する環境を理解したうえで,かつ社会の維持と経営の観点からは建物や制度,地域,都市それぞれのレベルでの効率的展開や具体的なあり方を検討・決定し支援の体制を整えていくことになります。研究視点のスケールと研究対象者・施設種別の幅広さを両立しながら編み上げられてきた本論文は,その構成自体が現時点での完成形です。そして,この構成はこれからの研究の基盤としての意義がより大きいと考えています。

 

これからの研究につながるのは,研究課題との出会いで,研究課題との出会いは研究グループとの出会いでもある。かなりな部分が「縁」と「偶然」により,そこから選び取る,行動の強度を決定する意志は働くものの,最初から決まっていた必然であったようにはどうしても思えない。所感ということでは,まさにその気持ち(感想)は大きい。

 

とても幸運なことに,研究活動を始めた上野研究室,卒論執筆当時助手でいらした竹宮健司先生,学生研究室が共同利用であったために近しい関係がつくられていた吉川徹先生とその研究室の面々,との研究の最初の土壌が根本的な視野と可能性を与えてくれたと思います。その後,学会の委員会にお誘いをいただき,つくられた研究仲間のネットワークや多くの研究企画・研究成果公開企画への参画機会に恵まれました。

 

積むことでつくられる研究ストーリー,つなぐことでつくられる研究ストーリー。ストーリーは構造。構成。

 

さあこんな感じでしょう,パーツとしては。あとはこれらを組み合わせて取捨選択して。文字数を調整して。

 

→実際にどのような文章になったかは建築雑誌2018年8月号で! 900文字に納めてあります。

 

ちなみに・・これは書きにくいので本文に載せないと思うけれど・・

(学会)賞が直接,その業績の価値を高めるわけではない。賞を得たからその業績/個人が優れているのではなく,あるときある角度(立場)からみたときにその業績/個人には価値があると,一輪の花を添えるだけだ,と思う。その花が新たに訪れる人のための目印となり,結果としてその業績には価値があると考える人が増え,新たな価値の発見につながることはあるかもしれないが。

 

そしてこれは文章量の関係で書けないこと。でもこれこそ受賞所感だという気がしていること。

 

さきほど建築作品を山に例えたが,世界や世界の見方を変えうる研究群は確かにあって,独立峰ないし山脈を形成する。そのなかでもひときわ高くそびえ立ち,他の山脈全体をも引き上げたとされる山がある。

その山に対し,そのときその価値を学会が評価するということの共有の機会として,そしてそのときその価値を学会が評価していたという記録を留めるため,そのすでに偉大なるところに,学会大賞の栄誉が,その業績の偉大さの前には十分に小さな花を添える。

その花は今年,小職の分野では高橋鷹志先生(2018:建築計画学における環境心理・環境行動学、人間工学を基盤とする建築計画基礎分野の確立と発展および建築設計資料集成全面改訂に関する功績)に捧げられた。小職のこの度の受賞は,この偉大な山の裾野を形成する一部分 −谷の方向にへこんでいます− である。

はるかないただきを見上げ,紺碧の空に,先生が成されたことと,先生に続く人々によってこれから成されうるであろうことの境界として描き出されたくっきりと美しい稜線を目に焼き付け,次に深く頭を垂れて心よりお祝いを申し上げる。

 

 

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5月30日(水)のつぶやき

2018-05-31 05:13:10 | つぶやきの倉庫(あすか)
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5月29日(火)のつぶやき

2018-05-30 05:06:05 | つぶやきの倉庫(あすか)
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5月28日(月)のつぶやき

2018-05-29 05:06:23 | つぶやきの倉庫(あすか)
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5月27日(日)のつぶやき

2018-05-28 05:11:44 | つぶやきの倉庫(あすか)
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5月26日(土)のつぶやき

2018-05-27 05:14:23 | つぶやきの倉庫(あすか)
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5月25日(金)のつぶやき

2018-05-26 05:11:36 | つぶやきの倉庫(あすか)
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5月24日(木)のつぶやき その2

2018-05-25 05:07:13 | つぶやきの倉庫(あすか)
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5月24日(木)のつぶやき その1

2018-05-25 05:07:12 | つぶやきの倉庫(あすか)
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5月23日(水)のつぶやき

2018-05-24 05:15:43 | つぶやきの倉庫(あすか)
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5月22日(火)のつぶやき

2018-05-23 05:11:35 | つぶやきの倉庫(あすか)
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5月21日(月)のつぶやき

2018-05-22 05:08:51 | つぶやきの倉庫(あすか)
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5月20日(日)のつぶやき

2018-05-21 05:11:15 | つぶやきの倉庫(あすか)
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5月19日(土)のつぶやき

2018-05-20 05:13:34 | つぶやきの倉庫(あすか)
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5月18日(金)のつぶやき

2018-05-19 05:15:35 | つぶやきの倉庫(あすか)
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