建築・環境計画研究室
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2009.04.15 松田優
『チャイルド・ライフの世界』
こどもが主役の医療を求めて
藤井あけみ
新教出版社
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*引用文
「信頼している両親やお医者さん、看護婦さんでさえ口にできないほど怖いものなのですから。このような環境の中でこどもたちは、常に死の影という得体の知れない不安に怯えていかなければならないのです。これでは本末転倒だと私は思います。主人公はこどもたちであって死ではないはずです。それなのにおとなたちはこどもたちから貴重な《死》を学ぶ時を奪って、かえって恐怖心を植えつけてしまっています。こどもたちの人生をこどもたち自身に返すべきです。そして人生最大の課題ともいうべき死を闇から光の中へ戻すべきではないでしょうか。こどもたちを孤独に陥らせないために。生きること、死ぬことを分かち合うために。そのためにはまず、おとなである私たち自身が、死から目をそらさない練習から始めていかなければなりません。」
*チャイルド・ライフ・スペシャリストの説明
保育士→「集団の援助」
チャイルド・ライフ・スペシャリスト→「個人の援助」
こども中心の世界を創造
→今から考えようとしていることは、これの空間構成版
・「プリパレイション」:検査前、検査中の心理的サポート
鉄則:うそをつかない ☆心の抵抗力☆
*本文中で気になった言葉
・遊びは生きている証
・面会時間の制限
・親がこどものケアに関われること、たとえ何もできなくてもこどもの傍らにいられること—これはまさに癒しのプロセスなのです。親にとっても、子供にとっても。
・「こどもへの共感」はたしかに必要だが、両刃の剣となり、チャイルド・ライフ・スペシャリスト自身をも苦しめる。
・患者である小学生とその兄弟姉妹のためのサマーキャンプ
・こどもは治療を受けるだけでがんばっている。
・おもちゃの力
・入院生活はこどもたちを被支配者にさせる
遊びの中では主体者に→遊びの中で味わった有能感、自己肯定感
・洞窟は子供の天国
・母子臨床
「こどもをケアすることは、お母さんをケアすること
お母さんをケアすることは、こどもをケアすること」
・「こどものしていることをそのまま描写すること。そうすることによって、こどもは自分が感じた喜びを再確認して、それが自信につながっていくの」
・こどもを一個の価値ある存在として尊重する考え方
→本来の自分に戻って
・こどもの「遊び」をどのように扱うかは、こどもをどのように扱うかと同じ。
・プレイルームだけは、こどもが本来の自分自身に戻れる場所として、病気のことも忘れられる場所として存在してほしい。
こどもにとって居心地のよい空間は、おとな中心の世界から遮断され「こどもの世界」として守られている空間(ドアは閉じる)
⇔
「見守るおとな」の存在。プレイルームに専任のスタッフが常駐すること。
*考えたこと、疑問
・普通の大人との違い 配慮しないといけないこと
→親が大事。手術当日、病院からコーヒーとマフィン
→こどもにとって「遊び」って。。??なんだ?
・病院での生活の中に、どのような種類のものがあるか。
○検査、説明、食事、遊び、おしゃべり・・・・
・ケアの幅(兄弟、親まで)が必要だ。
2009.04.15 松田優
『医師としてできることできなかったこと』
細谷亮太
講談社+α文庫
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*一度読んでみたらいいなと思った本
患児向けの本 『君と白血病』
『チャーリー・ブラウンなぜなんだい?』(岩崎書店)
*本の中で心に残った言葉
・こどもにうそをついてはいけない(こどもの人格の尊重)
・こどもにいつも何らかの希望を持ってもらうこと
・こどもはそのときの身体の感覚だけをたよりに、ごく自然に未来を向いて生きている。
・病気のことを他人からとやかく言われるのは、とても嫌なものだ。
→知っている人と知らない人の差
・治療されるとき、なにをやられているのかきちんとわかっていないと結構恐ろしい。
・治癒が望めなくなったこどもたちもいる
・「早くおうちに帰りたい」
*考えたこと
・病気を治すこと、病気と闘うこと
=本人にとって一番望まれる形で生きること、生き方
ではないだろうか。
・聖路加国際病院の小児病棟では治療が終わった後にも関係が続けられている
→治療が終わった後も心の治療をしなければ。‘心のケア’が大事
・病気に対する周囲の目への対処の仕方
・医療者であろうと、家族であろうと支える人の重要さがわかった。
・病気と闘っているこどもたちと周囲との溝
→きちんとコミュニケーションをとることが大事
・子供にも、親、兄弟が苦しんでいることがわかっている。
・細谷さん(著者)は、医療と、ケアと両方をしている?
でも、医者という立場上できないこともある。
(完全に病気のことを忘れさせてくれる存在ではないということ)
→先生も助からないと落ち込む。
・その病院を使うとき、居場所として考えなければいけないのは、
病院全体なのか、遊び場としてだけなのか、それとも生活全体なのか。