建築・環境計画研究室
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犯罪者の視点からみた防犯環境設計の有効性の検討 ~全国の被収容者を対象とした質問紙調査報告~
日本都市計画学会 都市計画報告集 no8 2009年8月 雨宮護 島田貴仁 菊池城治 斉藤知範 原田豊
概要
「監視性」や「領域性」などに留意しながら主に場所スケールでの環境を改変することにより犯罪者が犯行を行いにくく、また、それ以外の者が犯罪を阻止しやすくなるような状況を作り出す「防犯環境設計」は、理論的には防犯に有効とされるがわが国では実証研究が極めて少ない。全国11箇所の拘置所、拘置支所の被収容者を対象とした、質問紙調査を行った。
まとめ
・下見をする人の割合は低い ・場所は偶然に選んでいる ・多くの犯行を抑止したのは、「住民の目」などにおける環境要因
感想
犯罪者の視点での報告というのは、現実的で参考になると感じた。犯罪を抑止する多くの要因をまとめると、やはり、監視性や領域性がとても重要であり、最近失われつつある、近隣住民とのコミュニケーションが大切であると感じた。
(歌代有起)
街路空間の防犯環境と犯罪不安に関する研究~さいたま市岩槻区でのワークショップ調査より~
日本都市計画学会 都市計画報告集 NO9 2011年2月 佐々木雄希 岩本達也
目的
我が国では、犯罪を抑止するために防犯環境設計理論に基づいた防犯対策を実施することに重点が置かれており、犯罪不安を軽減するための考慮が十分にされていない。そこで本研究では、住民による防犯環境の評価を手がかりに街路の防犯対策の差によって生じる防犯環境の違いが住民の犯罪不安に与える影響とその要因を明らかにすることを目的とする。
まとめ
・犯罪不安は男性より女性のほうが強く感じる傾向にある ・30~50代は若者や高齢者よりも小路で不安を感じやすい
・土地勘のある住民と土地勘のない来訪者では不安を強く感じる場所に違いがある。
・交通の制御と歩車道と離を徹底することは犯罪不安を抑止することにつながる。
・犯罪不安は一時点における不安だけではなく夜間の場合の想像など間接的な不安があることが考えられる。
感想
犯罪不安は、年齢や性別により感じ方が違うという結果は、想像できたが、防犯を促す広告によって逆に不安をあおってしまうとういう結果は、防犯は安易なことでは出来ないということが表されていると思った。
(歌代有起)
子どもの犯罪被害実態と防犯対策を考える
2008年 予防時報 島田貴仁
まとめ
警察が業務を通じて作成・公表している犯罪統計や、大学・研究機関が児童・保護者を対象に実施したアンケート調査の分析結果から、子どもの被害実態や日常行動を考えたものである。
・口に子どもの犯罪被害防止といっても、未就学児か、小学生か、中学生以上かで想定すべき犯罪が異なってくる
・声かけや追いかけられるなど日常生活の中での軽微な被害率は子供の方が大人より高いと言える。
・子どもが保護者や周りの大人に被害を話し、それを叱らずに受け入れられるようにできる素地を作ることが重要である
・保護者に対する被害の伝聞情報は、児童本人の被害実態よりも広がっている。被害情報を保護者に伝えることは、防犯行動につなげるため重要だが、被害類型によって伝わりやすさが異なることに留意すべきである。
・こどもの屋外行動は登下校だけではなく、下校してからの外出など広がりを見せている。現行の登下校時や通学路に特化した防犯対策から、子どもの屋外行動に広く目配りする対策への転換が望まれる
感想
子供被害に関しては、親や学校、地域住民の協力なくしては出来ないと感じた。大人と子供が、よい関係を作っていくことが防犯にも繋がり、重要であると思った。
(歌代有起)
<研究成果報告会 予稿>
研究代表者:山田あすか
共同研究者:佐藤栄治(宇都宮大学大学院工学研究科 助教)
謝辞
調査にご協力いただきました家庭保育福祉員のみなさま,自治体ご担当者様,ご関係のみなさまに篤く御礼申し上げます.
また本研究の遂行にあたっては,趙晟恩さん(東京大学大学院工学系研究科建築学専攻:当時),木村拓真さん(立命館大学理工学部建築都市デザイン学科:当時),小林陽さん(東京電機大学未来科学部建築学科:当時)にご協力いただきました.記して謝意を表します.
<参考文献>
1)厚生労働省:“社会保障審議会少子化対策特別部会 第1次報告 −次世代育成支援のための新たな制度体系の設計に向けて−”,,2009.02.24,参照2009.08.06
2)伊志嶺美津子,櫃田紋子,小野壽美,田島恵子,江口玲子:家庭型保育に関する研究~VI,日本保育学会大会研究論文集,(51)pp.834-837 1998.04,(52)pp.772-775 1999.04,(53)pp.816-817 2000.04,(54)pp.762-763 2001.04
3)松橋圭子,大原一興,藤岡泰寛,三輪律江,谷口新:地域における親子の居場所選択からみた子育て支援施設のあり方に関する研究 東京都三鷹市における外出調査より,日本建築学会計画系論文集,No.600,pp.25-32,2006.02
4)社会福祉法人四恩学園(北浦かほる編):夜間保育園の保育環境整備に向けて 調査報告書,2001
5)赤木徹也,他:駅型保育園における環境整備条件に関する基礎的研究 その1~5,日本建築学会大会学術講演梗概集 E-1分冊,pp.517-520 2004.07,pp.169-174 2003.07
6)松橋圭子,三輪律江,谷口新,他:保育施設における園外活動の実態からみた地域資源の使われ方について −横浜市を対象としたアンケート調査より,日本建築学会大会学術講演梗概集 E-1分冊,pp.195-196,2008.07
7)谷口新,三輪律江,松橋圭子,他:保育施設の園庭の有無と園外活動としての公園利用に関する考察,日本建築学会大会学術講演梗概集 E-1分冊,pp.197-198,2008.07
8)田中稲子,三輪律江,松橋圭子,他:横浜市における駅前保育施設の園外活動の場としての街区公園利用とその評価に関する研究,都市計画論文集44-3,pp.373-378,2009.10
9)小池孝子,定行まり子:都市部における保育施設の屋外保育環境について 東京都区部における複合型保育所の施設環境に関する研究 その2,日本建築学会計画系論文集 NO.628 pp.1197-1204 2008.06
10)古賀誉章,高明彦,宗方淳,他:キャプション評価法による市民参加型景観調査 都市景観の認知と評価の構造に関する研究 その1,日本建築学会計画系論文集 NO.517,pp.79-84 1999.3
11)小島隆矢,古賀誉章,宗方淳,平手小太郎:多変量解析を用いたキャプション評価法データの分析 都市景観の認知と評価の構造に関する研究 その2,日本建築学会計画系論文集 NO.560 pp.51-58 2002.10
12)趙晟恩,佐藤栄治,山田あすか,佐藤将之,西出和彦:多摩ニュータウンにおける子育て期の親による都市環境の利用と評価 子育て環境としての都市環境評価に関する研究 その1,日本建築学会計画系論文集 NO.643,pp.2003-1012,2009.09
13)NPO法人家庭的保育全国連絡協議会,,参照2010.03.08
14)大阪市,こども青少年局子育て支援部保育指導担当,“認可外保育施設最新立ち入り調査結果”,,参照2010.03.09
15)厚生労働省雇用均等・児童家庭局,“家庭的保育事業の実施について”,,参照2010.03.09
<図版等の引用元>
山田あすか,佐藤栄治,讃岐亮:小規模保育拠点運営者による子育て環境としての都市環境評価に関する研究 −世田谷区・家庭保育福祉員と京都市・昼間里親を対象として−,日本都市計画学会 都市計画論文集 No.44-3,pp.175-180,2009.10
山田あすか:拠点外空間での保育に着目した小規模保育拠点運営の実態と保育者による都市環境評価 −京都市・昼間里親と大阪市・分園制度を対象として−,日本建築学会計画系論文集,第75巻 第658号,pp.2789-2798,2010.12
小林陽,山田あすか,佐藤栄治,倉斗綾子:小規模保育拠点における保育の様態と都市環境の利用・評価に関する研究 −東京都家庭福祉員制度を対象として,日本建築学会大会学術講演梗概集 E-1分冊,2011年8月(決定)
病院で子どもが輝いた日 増補改訂版
1995年9月1日 初版第一刷発行
2004年7月15日 増補改訂版初刷
あけび書房株式会社
建築計画/療養環境づくりの観点から印象深かった箇所の抜粋
・p54(ベッド上生活のこどもを遊ばせたいが,その準備をしたりおもちゃを買いに行くような暇もない付き添い家族の生活を受けて)
「小児病棟の中の手近なところに小さい子どもの喜びそうなおもちゃがあったらどんなに良いだろう,とこのとき強く思いました.こうした思いが,後に坂上さんたちと小児病棟内に「おもちゃ図書館」を開設していくきっかけになりました.」
・p76
「プレイルームと学習室はオアシス」
「こうした日々を過ごす上で,とても助かったのは小児病棟の中に学習室があり,そこにはたくさんの本がおかれていたことでした.またこの部屋は訪問教育を受ける子どもたちの教室にもなっていました.」
「病室に閉じ込められることが,どんなに嫌だったことでしょう.」
「また学習室は,入院中の子どもたちだけでなく,時には面会に来ても病室の中に入れない兄弟たちの遊び場にもなりました.」
・p139
「(小児病棟には)残念ながら子どもの興味をひくおもちゃや遊具が見あたりません.そのためプレイルームに来ても,テレビをなんとなく観ている子どもがほとんどでした.」
「小さい子どもたちが共同で生活し,育つ場という視点から,保育園と小児病棟は多くの共通点があります.保育園では,おもちゃは単に遊び場所としてあるだけでなく,子どもの成長発達を助ける大切な教材と考えられ,毎年予算がつきます.」
「(保育所では)おもちゃは,積み木,ままごと,ブロックなど種類ごとにそれぞれ指定の場所があり,小さな子どもでも自分たちで片付けられるように,はこには図柄やマークなどを貼るなど工夫します.子どもの成長発達に欠かせない大切なものなのです.」
・p145
「病院内での保育指導は看護婦さんとまずしっかり話し合うことが大事でした.」
・p185(家族の付き添いと家族のレスパイトケアの必要性について)
「小さな子どもが,ある日突然入院を必要とするような病気に罹って,その日に親から引き離され,治療を受けるとしたら,子どもはたとえ病気が治ったとしても,心に大きな傷を残します.」
「病院としては子どもの付き添いは心情的に認めたいが,親が付き添えばさまざまな問題が出てくる,治療を妨げる親の振る舞いや,付き添いのできない親がいる実情から,完全看護でよい,親がいない分子どもは自立する,などという意見が出ていました.」
・p186
「なぜ多くの病院では,面会時間が制限され,親と子どもがいきなり引き離されるのでしょうか?」
「子どもが病気になった時,家族がもっと安心して子どもに付き添うことができるために,社会の支援が必要であり,あゆみの家の在宅訪問制度も大切な役割を担っていました.」
↓
端的に
・付き添い家族の存在への配慮
・病室の広さ
・病室/病棟の設備
ex.(患児本人だけでなく)泊まり込む家族の荷物も置ける
家族用のトイレ,シャワー,給湯設備,ベッド等
院内の売店も助かります(実体験)
・人的補助
ex.短時間でもこどもを他の人にみてもらえる仕組み
・患児のきょうだいが居られる場所,きょうだいと関われる場所
・時間を決めたプレイルームの使用
・ロビーやラウンジ等の病棟外の滞在できる場所(病棟内は感染への配慮から年少のこどもの立ち入り不可のケースが多い)
・病室外でのこどもの居場所/活動場所
・プレイルーム
−空間だけでなく,遊具や玩具があること
−遊びが提供されていること
・屋外空間
・病室や病棟から「動いている,外の世界」が見えること
・窓,ベッドごとの窓
・病棟の空間構成(プラン上,病棟廊下から一切外が見えない病棟プランもあります)
・遊び/学びの提供
・玩具や本等の貸し出し
・学習室,院内学級室
・人的補助
・病棟保育士,CLS,教員,ボランティア等
なんとかしたい!!!!
山田あすか
犯罪不安喚起空間と犯罪発生空間の関係に関する研究
Reports of the City Planning Institute of Japan No. 2 樋村恭一*・飯村治子**・小出治*
目的
安全で安心な都市空間を構築する為には,犯罪発生空間(犯罪者の目から見た犯行しやすい空間)と犯罪不安喚起空間(一般の人が犯罪に遭うかもしれないと感じる空間)の関係を解明し,各々の空間特性に応じた,犯罪抑止・不安感軽減策を導くことが大切である.本研究ではアンケート調査によって導き出された犯罪不安喚起空間と,代表的な路上犯罪である,ひったくりの発生空間を地図上にプロットし,2つの空間を比較し考察する。
まとめ
犯罪の種類によっては、犯罪不安の低い場所が、犯罪が少ない場所とは限らない。
感想
犯罪不安と犯罪多発場所が一致していれば、防犯に繋がるが、不安の低い場所で、実は犯罪が多発しているということは、犯罪意識が低下しているため、危険であり、注意が必要であると感じた。
(歌代有起)
コンペのゼミにて.
井上 ・・というわけで,自分がいいなと思う空間の写真をもってきました.
これは京都の嵐山の竹林のなかにある道なのですが...
いまこの道の両側に生えている竹,背が高いですよね.
何百年も前には,まだ竹も小さくて,こういう空間ではなかったと思うと,
時の流れを感じるというか.
あすか ・・・? 昔から竹林だったんじゃないの?
井上 いやいや,竹がホラ,まだこんな背が高くないじゃないですか?
だから視界とか空に開けてて.
あすか 昔は昔で背の高い竹が生えてるから景観は変わらない・・,
・・あのさ,もしかして,竹林は昔,“竹の子畑”みたいな状態だったと思ってる?
井上 え?
あすか 竹林の竹が昔,全部竹の子で,みんな背が低くて,だんだん竹林になったと,思ってる?
井上 違うんですか!?
飛鳥・小林・前畑 ちっがうよォ~!
井上 ええー!
飛鳥 だいたい,竹の子って大きくなっても竹にはならないし!
あすか !?
小林・前畑 イヤなるよ!!
飛鳥 ええっ!?
あすか 「竹の子」だって言ってるじゃん.
飛鳥 いやー,種類が違うんですよ.
小林・前畑 そうなの!?
あすか イヤイヤ信じないで.
井上 なぜか泣けてきました.
あすか なんで.
小林 あのっ,竹の子が大きくなって,竹になるんですよね?
あすか なんで不安になっちゃってるの.
小林・前畑 よかった~.
あすか 種類ね,笹とかね・・.食べる竹の子と,食べない竹の子はあるかもだけど.
竹の子は,竹の「子」だろうね.たぶん.だって竹の子だし.
植林された杉山とかは,いったんある区画をぜんぶ伐採するから,
苗木だけっていう状態があるけど,雑木林とか,竹林とかは,森や林全体が
新陳代謝していくから,「畑」みたいな状態にはならないよね.
(あるいは焼き畑農業で,一度一掃されたような)
ただ,竹は地下茎で全部つながっていてそれが一つの生命としての身体で,
100年に一度とか,一斉に枯れるという話があって・・(竹うんちくにつながる)
竹について(竹の生長,竹の一生,たけの開花結実,等):雅蘭堂本舗
*「スギノコ」は,大きくなっても,杉にはなりません.
スギノコ→
*キノコも木の「子」ではない.寄生/栄養を吸い取っているだけですね.
なんと,意外に・・というか,
○○の子っていっても,○○の子とは,限らなかったりするんだな・・・
17:53 from web
なんとかテレビのなんとかという番組をつくっているという方から突然電話があり,取材とかいってるのでつなぎますよ!と事務から内線をまわされる.しゅ,取材? テレビ? とびびりながら出たら,なんのことはない,「調べ物しているんで,教えてください」だった.
18:07 from web
でなにを聞かれるのかと思ったら,「歩行速度の決定要因について」であった.どうやら,2006年の学生の卒論をご覧になったらしい? 「歩行速度が,都市によって違うという50年くらい前の研究があるのですが,なぜですか? 最近の歩行速度の動向とかは」って.存じません.ごめんなさい.
18:07 from web
論文を発表するって,そういうこともあるんだー,と思った,ある曇りの日の,午後でした.
22:18 from goo
新しいプレイルーム! 検証も課題? #goo_yamadaasukalab http://goo.gl/Jfruw
by yamadaasukalab on Twitter
の,プロジェクトで関わらせていただいた新病棟がオープン(2011年1月).
少し時間が空いてしまいましたが,見学に行ってきました.
病棟に入ると
左にプレイルームが見えます.
絵本スタンドとその脇の棚がアイストップになる・・という計画でしたが
んー
棚は省略されたみたいです.
でも絵本スタンドは見えますね,誘い水になってくれているかな?
幼児の,下足での机遊びスペース.
椅子には肘掛けのないものを採用で,大人も座れます.
奥に,幼児の上足/床座での遊びスペース.
おちびさんたちはやはり,クツを脱いだほうがのびのび遊べます.
寝転がることもできますし,
親御さんなど付添の方が横に座り込むこともできます.
学童の上足/床座スペース.
奥のスペースを,ちょっと奥まって溜まれる場所と位置づけました.
しかし,
あんまり奥まると...というご配慮か,奥に収納が設けられてますね,
ここはちょっと,あーそうかって感じ.かな.
振り返って,学童以上の下足での机スペースと保育士さんの作業スペース.
よく使われているそうです.
以前のプレイルームに比べて・・
・(病室にこもりきりでなく)よくプレイルームに出てくるようになった.
・複数グループの居合わせができるようになった.
・以前はほとんど利用がなかった,学童の利用が増えた.
・保育士さんのスペース(作業できる設え)ができたことで,保育士さんが病棟にいられる時間が増えた.
など,よい効果があったようです.
ただし,学童さんの利用が増えたことで,
・学童向けの遊具・玩具がない
という苦情(?)もあったとか.
ハードの変化によって利用の様相が変わったことで,ソフト的な変化も必要になった,ということでしょう.
ますます充実していけそうです.
また実施設計には病院全体のデザインコンセプトの関係で,
意匠のデザイナーさんが関わられたそうです.
その際,計画のポイントが明確に伝わっていなかったことでの問題点も生じたことがわかりました.
・寸法が当初計画と変わった
→収納の奥行き不足で少し大きな玩具等が収納できない.
→収納の奥行き不足で,本を入れると,本の背が飛び出す.
こどもが歩き回るときにあたってしまう.(安全性の問題)
・基本設計であったコンセントがカットされていた
→活動や,電力供給が必要な点滴の使用に困難.
延長コードでひっぱることは,点滴の移動や,移動時の安全性の
観点からしにくいので,これはいけなかった.
(後付で増設されたとのこと)
・棚のデザインが変わった
→履き替え時に「手をつくところ」がなくなってしまった
など.
「こういう理由で・このような寸法に設計されている」とか,
「こういう理由で・ここにコンセントが計画されている」ということは,
きちんと書き込むなりして,伝えないといけないんだな,ということが
わかりました.
課題を残しました.
09:45 from goo
CB:高齢者の6割「高専賃入居したくない」- 都調査 #goo_yamadaasukalab http://goo.gl/RXgeP
09:47 from goo
CB:改正高齢者居住安定確保法が成立 #goo_yamadaasukalab http://goo.gl/NJwwn
by yamadaasukalab on Twitter
09:42 from goo
CB:都がデイの宿泊サービス基準を正式公表 #goo_yamadaasukalab http://goo.gl/laGRH
by yamadaasukalab on Twitter
「認知症高齢者グループホームにおける入居者の過ごし方からみた「生活の質」の評価」
—民家改修型の空間特性による過ごし方の展開—
黒木宏一 横山俊祐
日本建築学会計画系論文集 第618号 17−24 2007年8月
1、研究の背景・目的
認知症高齢者向けグループホーム(以下、GH)には生活集団や空間の小規模化を前提にして日常性を重視するという特質がある。その特質を活かすため、既存の建物を改修して活用する改修型も数多く存在している。特に民家を利用した「民家改修型(以下、改修型)」は「住まい」を原型としており、これからの高齢者施設に重要な「生活の場」の実現のための手掛かりが潜在・顕在していると考えられる。本研究は、改修型がもつ住宅独自の空間に着目することで新築型を対象にした研究では得にくいGH計画の知見を見つけることを目的とする。
2、調査方法
運営者へのヒアリング、入居者の観察調査を3期に分けて実施した(2002年11−12月、2003年12月、2005年11−12月)。観察調査は通常の日を選び、各期間につき1日間、午前9時から午後5時に行った。生活場面は15分おきに入居者の移動は継続的に、場面が変化した場合はその契機とともに随時シートに記録した。
3、共用空間の構成:共用空間が一体型の場合、居場所の選択性を狭め入居者の一様な生活を招く。反面、既往研究でも明らかであるが、分離型という、性格の異なる複数の共用空間を分散配置することで、居住者の選択性が高まる。とともに移動を誘発しやすく、結果的に集団のサイズ・顔ぶれ・行為内容が変化し多様なものになりやすい。
4、空間の関係性・連接性:外部に向けて開放的に作られた個室や廊下・縁側は、眺めや日当たり等の外部からの刺激を受け、縁側へ出て庭を眺めるなど多様な過ごし方を生み出す。また、建具等で廊下と個室、あるいは個室同士の開放・閉鎖が可能な場合は、個室への他者の立ち入りやすさ、他所からの音や雰囲気の伝わりやすさを調節することができる。
5、動線空間の計画:縁側では、洗濯物を干す、お茶を飲みながら日向ぼっこをする、など、普通の廊下では起こりづらい事が起こりうる。動線が外部と視覚的・空間的な繋がりをもつこと、あるいは動線上に様々な性格の異なる居場所や家具が配置されることによって、移動を喚起するとともに、移動を契機とした自主的な行為を誘発する。
6、多様な起居様式を可能にする計画:床座は、椅子座にはない、入居者のくつろいだ姿勢、過ごし方や、他者との自由な距離や向き合い方を可能にする。
7、まとめ
入居者の自立性を触発し「生活の質」を高めるためには、入居者個々の意思によって人・モノ・コトを選びとり、個別の生活を主体的に組み立てることが重要である。そのために性格が異なる場を用意することにより入居者の様々な行為を触発する計画が必要である。
8、感想
私は共有空間が一体型の新築のGHを見学に行きました。居室、廊下、共用空間という3カ所がお年寄りの居場所でなんとなく狭いような気がしました。このような空間構成はスタッフがフロアを見渡せて見守りがしやすいという点があるかなと思いました。入居者にとっては、変化の少ない生活になってしまうこともあり、バランスが難しいと思いました。
上谷ひとみ