建築・環境計画研究室
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(古賀,井上,やまだ)
調査の打ち合わせのため,某所を訪れた3人組,
駅改札を出たところで場所の確認のため,眺めた周辺地図で見つけたのは,
・・・
パンダ集会所!?
パンダの集会所?
パンダみたいな感じの集会所?
それは見に行かないといけないでしょう.
ということで,遠回りをして見学に.
駅を出てすぐ右・・に・・
・・・
・・・
普通だ.
実にさりげない.
そしてさりげなくも堂々と
表札?
間違いない.
間違いなくパンダ集会所だ.
「パンダっぽい集会所」という仮説が否定されたのだから,
残るは本当に「パンダの集会所」ということか.
公共交通機関の正式な地図看板に出ているのだから,
きっとちゃんとしたなにかの集会所に違いない...
動物園の営業時間が終わったあとに,
全国(全世界か)のパンダたちが,明日のパンダ道を熱く討論しているのかもしれない.
でも実際に集まるとしたら移動も大変だし
たぶんネット会議のような技術革新も進んでいるのだろう.
スカイプ会議とか.
ゼーレっぽく.
そんな話をしながら,調査先へ.
出張って,楽しい.
*帰ったあと,ググってみましたが,実際何だったのかは,よくわかりませんでした.
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CB:国立・労災病院の存在理由は?- 厚労省検討会が初会合 #goo_yamadaasukalab http://goo.gl/P2vRj
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CB:【中医協】薬剤師の病棟配置など効果検証へ- 勤務医の負担軽減で議論 #goo_yamadaasukalab http://blog.goo.ne.jp/yamadaasukalab/e/4e6a0938ee562f692f56d1c52b087d32
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佐藤将之, 西出和彦, 高橋鷹志:遊び集合の移行からみた園児と環境についての考察 #goo_yamadaasukalab http://goo.gl/aEpkd
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黄 文, 大原一興:認知症高齢者グループホームの「視覚的室内空間」における「可視環境」に関する研究 #goo_yamadaasukalab http://goo.gl/MxYmF
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松本直司, 建部謙治, 花井雅充:生活空間における想起距離及びその方向性 #goo_yamadaasukalab http://goo.gl/Sx05Q
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生活空間における想起距離及びその方向性
—子どもの心象風景に関する研究 その2—
松本直司, 建部謙治, 花井雅充
日本建築学会計画系論文集 第575号, 69-75, 2004年1月
1.研究の目的と方法
本研究では、子どもが思い浮かべる場所(想起場所)が自宅からどの程度の距離(想起距離)範囲に存在し、どのような方向性があるのかを把握することにより、子どもの生活空間の広がりの特性を想起内容や地区条件との関係で明確化することを目的とし、アンケート調査から得られた子どもの自宅及び想起場所について、地図上にプロットされたものから座標を求め、距離や方向を算出した。
2.心象風景の想起距離
子どもが想起する場所は遊びなどの行為を繰り返し体験することにより強く印象づけられた場所である。想起距離について好きな場所と嫌いな場所を比較すると、嫌いな場所で女子は自宅付近の想起率が高く、男子では相違が少ない。大人などの年長者では活動範囲が広いことから子どもより想起距離が長いと考えられるが、身近な自宅周辺の環境では子どもの方が詳しく大人より想起距離が長くなることが推察される。面積の大小や地区機能の特性により、好きな場所や嫌いな場所の想起距離に相違がみられ、地区特性が子どもの想起距離に影響を与えている。
3.想起方向と諸特性
好きな場所では,学校方向に強い影響を受けており,嫌いな場所では学校自体の影響は少なく、道路に関する想起が多いため、通学路での危険や汚さを主に想起していると考えられる。
4.想起距離と想起方向
好きな場所や嫌いな場所の評価に関わらず、子どもは自宅付近ではあらゆる方向に自宅から離れるに従い、学校をランドマークとして行動し、行動を通して体験した出来事やその印象により、場所を想起していると考えられる。
5.まとめ
1)子どもの想起距離は、“教育系”で長く、“居住系”で短い。好きな場所の想起距離は、嫌いな場所の想起距離より長くなっている。登校距離と想起距離の関係はほとんど見られない。
2)想起方向は地理的特徴に強く影響を受け、主に日常性を有した通い慣れた場所を想起している。
3)想起距離と想起方向の関係から、好きな場所・嫌いな場所の評価に関わらず、子どもは自宅付近ではあらゆる方向に、また自宅から離れるに従い、学校方向に強く引かれる。
6.感想など
同じ範囲の話なのに好きな場所嫌いな場所で想起距離に差が出る点が面白いと思った。
(伊藤 美春)
認知症高齢者グループホームの「視覚的室内空間」における「可視環境」に関する研究
黄 文, 大原一興
日本建築学会計画系論文集 第608号, 43-50, 2006年10月
1.研究目的と方法
本研究ではグループホームにおける住環境の問題点を把握し、評価する上での環境の記述のために、空間の視覚情報を基にした新たな記述方法を試みることを目的とする。調査についてはグループホームで、入居者・職員の特徴、ホームの空間特徴とホームでの一日の流れの特徴を把握した後、行動調査を行った。それぞれ特徴のある3つの新築型グループホームの3ユニットを研究対象とする。
2.ホームにおける単位空間
行動回数を「行動多」「行動やや多」「行動やや少」「行動少」の4段階に分けて各平面図に表示した。本研究では利用者の行動を生活行為と会話にわけて分析したところ、3ホームとも一番多い会話空間は日常会話と仕事会話であり,行為内容がキッチン仕事と事務的仕事の単位空間での会話内容は主に仕事会話である。
3.ホームにおける可視空間
可視空間中における段階の高い可視単位空間の多少とその「中心となる空間」の行動回数の段階の高低との関係性も視覚情報の量と密接な関係があると思われる。可視空間中に行動回数の段階の高い可視単位空間が多く、「中心となる空間」の行動回数の段階が高いほど、視覚情報量が多くなると考える。
4.居者の行動から見た可視環境
他人滞在単位空間数と総人数は「中心となる空間が段階「行動多」の可視空間の可視単位空間数と可視率、そして段階「行動多」の単位空間の配置のされ方の影響を大きく受けていることがうかがえる。可視単位空間と可視率「行動多」の単位空間の視覚的室内空間と可視空間におけるあり方が、行為型、会話型および会話密度と関係していること、そして、単位空間の集中型である空間構成が,可視空間数と可視率の差により生じる可視情報の量の差を縮めていることが分かった。
5.まとめ
1)行動回数の段階「行動多」の単位空間の配置され方は可視環境の特徴形成の中で大きな役割を果たす。
2)単位空間の視覚的あり方は可視環境全体の形成に大きな影響を与えている。
6.感想など
行動回数と視覚情報量が大きく関係していることが分かった。視覚情報が会話の回数に影響するならば他の施設でも会話量のコントロールできるようになるように思った。仕事会話と日常会話が多いと言っているがそれ以外にどのような会話があるのか少し気になった。
(伊藤 美春)
遊び集合の移行からみた園児と環境についての考察
~園児の社会性獲得と空間との相互関係の関する研究 その2~
佐藤将之, 西出和彦, 高橋鷹志
日本建築学会計画系論文集 第575号, 29-35, 2004年1月
1.研究の目的と方法
社会的環境との関係という視点を加えた遊び集合の時間的移行を分析することで、園児の社会性獲得と物理環境との相互関係について考察すること、廊下やテラスなどの場所に多くみられる、遊びの設えがない場での行動様態をとらえることによって、動的な遊び集合場面を対象とし、園全体の環境構成を明らかにすることを目的とする。研究対象は保育園と幼稚園。対象年齢は3~5歳児。調査方法はビデオカメラを用いた参与観察を行い、集合から離れていく園児、周辺の環境に何らかの反応を示す園児に注目した。
2.遊び集合の移動場面からみた遊びの移行
集合から離れていく園児や周辺の環境に何らかの反応を示す園児に注目したところ、集合に加わる、集合に加わらないが話しかけることで関わりをもつ、1人だけ集合から離れていく、1人が離れていくことで他のメンバーも動き出す、の4つに分類でき,集合を形成している園児が増減することで遊び内容が変化することがわかった。
3.遊び集合の移動前後の場面の特性からみた遊びの移行の型
集合とは関係のなかった保育者や園児という他者の働きかけによって新しい遊び内容を始める遊び集合の移行がみられた。集合から離れていく園児や遊びの前後関係が存在しない園児には歩きながらあたりを見渡したり一点に定まったと思うと早歩きになったり、動きが頻繁に変化している様子が観察された。
4.まとめ
園児は遊び集合の時間的移行の中で社会性を獲得しているということがわかった。遊びの移行とその前後の関係を分析し、園児が関係を持続し続ける中での遊びの移行を明らかにすることができた。また、それら一連の行動によって「出会う場」「把握できる場」など、園児たちが自然発生的に行っている場所への意味づけが存在していた。
5.感想など
好き勝手に動き回ってみえる子どもでも分析すると行動パターンが見い出せることがわかった。一人で遊ぶことも必要なのだろうけれど、社会性を獲得する上では大勢で遊ぶことが大切で、子どもが大勢で遊ぶ場所を整えることの重要性を感じた。
(伊藤 美春)
12:45 from Tweet Button
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小児病棟における壁面装飾の印象と効果に関する研究
鈴木賢一 岡庭純子
日本建築学会計画系論文
日本建築学会計画系論文集 73(625), 511-518, 2008-03-30
研究背景
患者が安心して療養に専念できる環境として病棟を調整することは、設計上の重要な課題でとくに小児入院患者は大人に比べ周辺環境の影響を受けやすいため、不安なく入院生活を送ることのできる工夫が求められている。
研究の目的
本編にて研究対象とするのは名古屋市立大学病院新棟の小児関連病棟である。内装工事着手の約1年前より医療スタッフと、患者と家族が病院環境から不安を感じることなく安心して医療を受けられる物理的環境のあり方を議論し、壁面装飾を用いたインテリアデザインを採用した。こうした環境を立場の異なる患者、付添、医療スタッフがどうとらえているか、子どもと家族が感ずる不安を軽減する効果があるかを明らかにすることは、小児療養環境の整備方針を検討するのに有用な判断材料を提供すると考えられている。そこで、病棟オープン約1年経過後に付添い、看護師、医師、及び1部の小児患者から質問紙票により、病棟環境に関する評価を得た。
まとめ
低年齢層の小児患者自身の評価が得られない点での限界はあるが、こどもの療養生活を全面的に支える付添、専門的見地で患者に接する医療スタッフ及び回答可能な小児から壁面装飾の可能性に関して重要なデータを入手することができた。小児患者は、テーマやその意味よりも具体的にデザインされたキャラクター、星空の装置、柱の装飾などへの興味関心が強く、実現的反応を示した。付添は付き添いとして小児のために療養空間が用意されていることが患者だけでなく自らの不安も緩和していることで、壁面装飾に対して期待感をともった肯定的関心を示している。子どもとの相互関係から推測すると、付添の安心感は良い影響として小児患者に伝播すると予測されるが、検証が必要である。壁面装飾は入院生活での物理的環境改善の手法と言えるが医療スタッフがこれらを活用する仕組みを構築することにより、治療や看護場面での不安軽減効果はより高まると思われる。物理的環境とそれを活用するソフトの関係性を探る必要性がある。
感想
本稿において、壁面装飾は療養環境の向上に大きく関わることが的確に示されており、大きく可能性を感じる。しかし上記の物理的環境を活用するソフト面について考えさせられた。療養環境の向上は、ハードとソフト両面から切り開いていく必要があると感じた。最後に、壁面装飾の代表としてアンパンマンなどの壁面装飾が多く用いられている。それによって救われる子どもたちもたくさんいるが、一方で過度な装飾は逆効果なり子どもたちを追い詰めてしまう場合も見受けられる。このような状態をつくり出さないために「アンパンマンのさじ加減」がとても重要になってくると感じた。
伊藤弘紀
10:05 from goo
小宮信夫:犯罪は「この場所」で起こる #goo_yamadaasukalab http://blog.goo.ne.jp/yamadaasukalab/e/358afe9103b9ae517b4d68e5e7a7c923
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ガンバレ!山田さん ~猿とパーマン編~ #goo_yamadaasukalab http://blog.goo.ne.jp/yamadaasukalab/e/1c157fccdcfc40a81ab5ccc848bd951e
13:05 from goo
浦添綾子 仙田満 辻吉隆 矢田努;あそび環境よりみた小児病棟の建築計画に関する基礎的研究 #goo_yamadaasukalab http://blog.goo.ne.jp/yamadaasukalab/e/657c66824839fcc596bfc092e6c039e3
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岡庭純子 鈴木賢一;小児病棟における壁面装飾に対する利用者評価の違いに関する研究 #goo_yamadaasukalab http://blog.goo.ne.jp/yamadaasukalab/e/4a3c80491530e6806dd64b8e40f5c46f
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重症心身障害児のコミュニケーション特性からみた居住環境の整備に関する研究 #goo_yamadaasukalab http://goo.gl/RMHqQ
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ガンバレ!山田さん ~驚愕の紅葉おろし編~ #goo_yamadaasukalab http://blog.goo.ne.jp/yamadaasukalab/e/5ab94d4400e6aa4092d06347f36cf5ab
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こどもと家族の利用実態に基づく小児病棟プレイルーム改修における #goo_yamadaasukalab http://blog.goo.ne.jp/yamadaasukalab/e/2b8bf845e2bfac400348c1f749508314
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こどもと家族の利用実態に基づく小児病棟プレイルーム改修における調査・デザインと検証
山田 あすか,上野 淳
日本建築学会技術報告集 第13巻 第25号 219-224 2007年6月
1.研究の背景と目的
聖路加国際病院のプレイルームの改修に伴い、改修前の使用状況の把握と課題点の整理を行い、設計提案をする。さらに改修後の調査分析による実効評価をし、報告する。
また、改修前後の使われ方を比較し、計画時に指摘した問題点が解消され、プレイルームの設置目的が実現されているか、提案した空間が想定のように効果を挙げているか、の検証を行う。
2.調査概要
当該病棟内のこどもは入院期間、疾患、年齢に幅がある。同時に年齢構成や疾患構成には時期によって変動があることも重要である。
プレイルームには、平日は保育士が1名常駐し、遊びや話し相手になっている。イベントが開催されることもあり、活発な運営がなされている。広さは46.5�で改修前の便所・手洗いには使いにくさが指摘されていた。 また全体として雑然とした印象であった。
本研究ではこどもと付添家族の滞在様態と導線の調査、及びプレイルームの利用実態と評価に関するアンケート調査によって改修前後の利用実態を多角的に把握した。
3.まとめ
まず、改修前のプレイルームの利用実態を終日の観察調査によって記録した。利用人数とこどもの属性、活動の相手と内容、滞在場所、居合わせの様子をまとめ、問題点、課題点を抽出してそれに基づき5つのコンセプトを整理した。そのコンセプトは�家庭的な雰囲気の創出,�コーナー性の創出,�思春期のこどもにとって居心地のよい場所の創出,�親子が一緒に過ごす空間の創出,�家族にとって居心地のよい場の創出である.
そして改修後のプレイルームの利用実態、及び改修前後の比較による改修提案の検証を行った。さらに調査期間中に入院していたこどもとその家族に対し、プレイルームの使い方と要望に関するアンケート調査を行った。
改修後の調査の結果、改修のコンセプトが実現したことを示唆する利用者の行動がみられたり、アンケートのコメントがあった。しかし一方では「大きい子用のスペースが別にあればいい」,「畳コーナーが好きなのでもっと広い方がよい」といった提案の成功による弊害も指摘された。
☆感想☆
図の配置が工夫されていて、改修前後の違いがわかりやすく参考になった。
自分がこれからやろうとする研究の方向性というかやり方が少し見えた気がしました。
井上 美咲
鍋をいただきながら.
あすか 野菜ダメなんだよね.
飛鳥 ほとんどダメです.
あすか 薬味は?
飛鳥 使わないです.
あすか おいしいのに.
堀 わたしも最近,薬味のおいしさに気づきました.
飛鳥 だいたい,紅葉おろしってなんなんですか?
あすか え?
堀 あ,わたしも知りません.
古賀 ボクも知りません.
あすか ・・・えっ?
飛鳥 大根おろしとにんじんおろしを混ぜたものですか.
あすか ・・・(面白い切り返しができなくて絶句)
飛鳥 なんか色的に.中間ぽくないですか.
小林 大根と唐辛子を一緒におろしたやつだよ.
飛鳥・堀・古賀 大根なんだ!
あすか 大根はいけるの?
飛鳥 ニンジンはダメですが大根はいけます.
堀 食べな!飛鳥ちゃん食べな!
飛鳥 (もぐもぐ)・・あ,食べられます.紅葉おろしオッケーです.
あすか ひとつ,世界が広がったね...
重症心身障害児のコミュニケーション特性からみた居住環境の整備に関する研究
山脇 博紀,菅野 實,小野田 泰明,坂口 大洋
日本建築学会計画系論文集 第520号 131-138 1999年6月
1. はじめに
近年,福祉分野では「ノーマライゼーション」を基本理念として整備の重点がシフトしてきた.
しかし,建築計画研究は,重症児本人の生活環境であるにも関わらず,空間的なニーズは
重症児本人からではなく介助者から得ることに偏り,介助負担の軽減が目的になっていた
といえる.
本研究では,重症児当人から空間的なニーズを把握する試みとして,重症児が行うコミュニ
ケーションに注目し,注意深く生活欲求を拾い上げる.そして,生活欲求の実現に及ぼす諸
要因を,重症児の成長過程と現在の住まい方の2面から考察することで重症児の生活環境の整備に配慮すべき点をまとめることを目的とする.
2. 調査・分析方法と概要
調査対象者は入所,通園,在宅と3つの異なる療育形態をそれぞれ利用している18~49歳の14名である.
調査は1.アンケート調査による主体条件の把握2.追跡観察調査によるコミュニケーションサンプルの採取3.保護者へのインタビューと過去の療育日誌の閲覧による成長過程の把握
4.追跡観察調査による生活環境の現状の把握を行った. 分析は1.主体条件表の作成
2.コミュニケーション内容の分析3.獲得過程の分析4.生活環境の分析を行った.
3. まとめ
重症児の生活欲求の実現行動内に見られる,移動のできるできないといった阻害要因を整
理でき,それに応じた建築的な配慮及び介助者側の配慮すべき点を提示できた.また,重症
児からの注意喚起が届かないために阻害を受ける場面が多く見られた.
☆感想☆
重症児は意思表現が困難な場合もあることから,追跡観察調査による分析が重要であると
思った.視線や表情など小さな仕草から意思をくみ取る必要性を感じた.
井上 美咲
小児病棟における壁面装飾に対する利用者評価の違いに関する研究
岡庭純子 鈴木賢一
日本建築学会大会学術講梗概集 2009年9月
<研究の概要>
小児病棟では患者に優しい療養空間を目指した壁面装飾や独自のサインなど従来の病棟とは異なるインテリアデザインを採用した。そしてこの試み対して、小児病棟の利用者かどのような評価をしているのかを明らかにした。
・感想
人の属性によって壁面装飾に対する評価に違いが生じる事がわかった。
年齢によって装飾に対して思う事が違うので、様々な年齢や性別や思考にふさわしいインテリアのあり方は非常に難しいと感じた。
なので、このような装飾を含めて,インテリア全体に対して検討することが必要なのではと感じた。
千葉紗央里
あそび環境よりみた小児病棟の建築計画に関する基礎的研究
浦添綾子 仙田満 辻吉隆 矢田努
日本建築学会計画系論文集、第535号、99 -105、2000年9月
1. 研究の目的と方法
あそび環境よりみた小児専門病院病棟の建築計画資料作成を目的とする研究の基礎的段階として、病棟における詳細な行動観察調査より、病棟内のあそびの位置づけを明らかにする。その後病棟内のあそび環境の実態を各方面より全体的に把握する。またあそび環境よりみた病棟の建築計画のあり方に関して考察する。調査対象病棟に入院する全ての患者を対象とする。各病棟の定期的巡回により行為の内容・場所・相手の記録を作成した。
2. 病棟内の行為におけるあそび
あそびは入院児の行為の中でかなり大きな比重をしめている。また周囲の人の条件・病棟計画など多くの要因が関わる。その中で年齢層別生活自由度の影響力が最も大きい。
3. 病院内の環境
(1) あそび時間
入院児全体の平均値は平均で5.1時間である。またあそび時間は生活自由度によるところが大きい。
(2) あそび集団
平均規模は1.6人と非常に小さい。年齢層が上がるに従い集団規模はさらに小さくなる傾向がある。そして集団規模2人以上であそぶ入院児のあそび相手は、約半数が他に入院児、約3割が母親である。また行動観察調査結果より、面会者とあそべる空間への配慮が病棟・病室計画において必要である。
(3) あそび方法
多いあそび方法は静的あそびであり、病棟内のあそびが内あそびに限られていることによるといえる。なので、あそび方法の多様性を確保する上で病棟内の空間的多様性を創出することの重要性、そして多様なあそびが展開するPRを確保することの重要性が指摘される。
(4) あそび空間
利用が最も多いのは病室である。次に多いのがPRと廊下である。また入院児のあそび行為にとってNSの役割も大きい。
4. あそび行為の要因分析
あそび行為数は人の要因によるところが大きいが、病棟計画の要因も重要である。すなわちPR箇所数の増大、NSへの病棟の近接、PRへの病室の近接、多床室、4床室はあそび行為数を高めることが分かった。
5. 結論
あそび行為は、こどもの成長にとってかなり大きな比重を占め、あそび環境よりみた病棟計画のあり方の検討には実態把握が必要になってくる。また多床室やPR、面会室とあそべる空間のあり方についての計画検討は今後の課題とする必要性が指摘される。PRは静的あそびから動的あそびまで様々なあそびがみられ、あそび方法の多様性を支える空間として評価される。そしてPR内のあそび行為数もPRの配置等の計画的配慮により高められる可能性がある。
6. 感想
PRや廊下など場所の重要性に,再度気づきました.論文の内容は難しかったのですが,具体的に想像しやすかった.これをどう病院設計に生かすのかが気になりました.
千葉紗央里