[科学研究費補助金データベースより]
レコードタイプ 研究実績報告
報告年度 2005
研究期間 2003-2005
研究課題番号 03J08937
研究課題名 生活環境における「固有の居場所」の選択とその要因
研究代表者 山田 あすか (ヤマダ アスカ) 首都大学東京・都市環境学部・特別研究員(PD)
研究機関 首都大学東京 研究機関番号:22604
研究種目 特別研究員奨励費 研究種目コード:500
審査区分 国内 区分コード:21
研究分野[2] 都市計画・建築計画 研究分野コード:443
キーワード こども / 痴呆性高齢者 / 知的障碍者 / 居場所 / 居場所の選択 / 居方 / 環境行動 / 環境心理
研究概要
本研究課題は,生活環境にある人々による環境への意味付けに着目して,生活環境の中での「固有の居場所」の選択とその要因について解明することを目的としている.
これまでの研究の中で,筆者は人々が生活環境の中でそれぞれの生活背景によって意味づけられた固有な居場所を持ち,これによって自分の生活を安定的なものにしていることを発見した.特に,痴呆を持つ高齢者や自我の発達段階にあるこども,知的障碍を持つ人々にとって,こうした安定的な居場所を持つことは,その環境を自分の生活の場とする上で非常に重要なことである.人々がある場所を自分の居場所と定める要因の解明によって,このような安定的な場所をデザインする上で非常に有用な知見を得られると考えた.
本年度は,これまでに調査対象とした以外の施設や地域での比較調査研究を実施し,得られた知見の一般化および理論の拡張を行った.
本年度に実施した調査研究の概要は以下の通りである.
1.小規模生活型特別養護老人ホームにおける調査研究
平面計画が異なる施設において,認知失調症の程度やADLなどの属性と入居者の生活様態の関係について整理し,またユニットの平面形状によって入居者の生活様態が異なることを発見した.
2.地域におけるこどもの活動場所に関する調査研究
大規模な計画住宅地である多摩ニュータウンにおいて,こどもたちの活動場所を把握し,ペデストリアンデッキの構成やオープンスペースの配置などの街の構造がこどもたちの居場所選択に影響していることを示した.
3.幼保一体型施設における調査研究
幼稚園と保育所が一体的に運営されている,幼保一体型施設における調査研究により,幼保がどのような関係で運営されているかと幼保の空間構成によって,こどもたちの活動場所や交流の様態が大きく異なることを発見した.
また,これまでの研究成果をまとめ,随時学会や学会誌上での発表を行った.
発表文献
1)山田あすか, 上野 淳
"知的障害者入所更生施設における入居者の生活様態と固有の居場所に関する研究"
日本建築学会計画系論文集 NO.588. 71-78 (2005)
2)山田あすか, 上野淳:
"グループリビング型知的障碍者入所更生施設における居室及び共用空間の設えと入居者の滞在に関する研究"
日本建築学会計画系論文集 NO.595. 57-64 (2005)
3)山田あすか, 上野 淳:
"保育所における園児の居場所の反復性に関する研究"
日本建築学会計画系論文集 NO.602. 35-42 (2006)
等,計9件(査読付き7,summary審査2件)
簡易URL http://seika.nii.ac.jp/search_pjno.html?PJNO=03J08937
科学研究費補助金データベース
<http://seika.nii.ac.jp/>
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