建築・環境計画研究室 (山田あすか)

東京電機大学未来科学部建築学科

建築・環境計画研究室

この研究室は,2006年4月に立命館大学にて開設され,2009年10月に東京電機大学に移りました.研究テーマは,建築計画,環境行動です. 特に,こどもや高齢者,障碍をもつ人々への環境によるサポートや,都市空間における人々の行動特性などについて,研究をしています.

*当ページの文章や画像の無断引用・転載を禁じます*

集合住宅いろいろ(ロンドン近郊,パリ近郊,シュトゥットガルト近郊)

2013-10-21 09:30:06 | 【雑感・寄稿文他】建築・都市・環境探訪

集合住宅1 ついでに旅先で見かけた「おっ」という集合住宅の画像も。DP4(集合住宅)のファサードデザインの参考になるかな? こちらはパリのBercy地区からセーヌ川の対岸を見てます。13区ですね。 pic.twitter.com/Bu3Ijb6WL1

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集合住宅2 同じく13区セーヌ川沿いの集合住宅。きれいなファサードです。右側が華奢なデザインで窓が大きくセーヌ川に向いて開いているのに,左側の住宅は壁面を多くとって開口を制限している,対比もおもしろいです。同じ条件なのにね。 pic.twitter.com/R4Ag52Eqmv

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集合住宅3 Bercy Villageから撮っています,引きがとれなくて見にくいですが,昔の倉庫街(いまはショッピングモールにリノベされてます)の軸線,昔軌道が敷かれていた軸線を空けて,ブリッジを渡して設計されています。 pic.twitter.com/C535zTuude


集合住宅4 3の建物の道を挟んで左側。ベランダをずらすことで生まれているリズムと開放感が好きです。 pic.twitter.com/9VbvsnPyWf

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集合住宅5 「ファサードのデザイン」の参考になりそう。壁の面とガラスの面,縦の線と横の線のバランスが好き。2年生だと(上級生でも・・),「のぺっ」とした外観で,ファサードデザインしていないケースが多いので意識してみてほしいです。 pic.twitter.com/ZfCRLJTwqQ

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集合住宅6 Pavillon de l'Arsenal (Paris) ,都市計画,地区デザインの展示場に集合住宅プロジェクト紹介のコーナーがありまして,そこで展示されていたものです。パリ17区のプロジェクト。 pic.twitter.com/zVe8CqQt6k


集合住宅7 同じくPavillon de l'Arsenalから。あんまり載せると著作権アレなのでここまで。他にも都市施設の紹介多数。何時間でも居られる。ガイドブックにはないのですが,すばらしい展示場なのでぜひお運びいただきたい。 pic.twitter.com/bno4h36HNx


集合住宅8 モンパルナス駅前の集合住宅。これはこれで・・迫力・・ pic.twitter.com/MPj4mhWAEB


集合住宅9 ロンドンの集合住宅(テラスハウス)。100年前からの建物に,手を入れながら大切に使う文化です。地震や戦災や,素材の違いや,日本とはいろいろ条件の差はありますが,わび・さび好きですよねお互い,としみじみ。 pic.twitter.com/NeYdxIqpLs

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集合住宅10 ロンドン。同じく100年モノ。この陰影のある表情,文句なしに大好き。 pic.twitter.com/pQqPoszOeP

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集合住宅11 ロンドン,ケンジントンガーデンズの前の。ユニオンジャックが翻っているところをみると,これはたぶん特別な…。完全にお城だわ。とにかくきれい。住みたいかどうかはともかくとして,目の保養です。 pic.twitter.com/6OiqGTzFD1

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集合住宅12 パリ郊外の集合住宅地。このデザインは,この周辺に以前からあった倉庫街の形状をモチーフにしています。あんまり生活の様子が見えないように撮ったので,見にくくて申し訳ないですが,この連なる感じはとてもステキだったのです。 pic.twitter.com/mYZzvxT4sN


集合住宅13 南ドイツの集合住宅。廊下側がこんなに素敵にデザインされているというところに感動。 pic.twitter.com/lggdFWmAGB

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集合住宅14-1 TGVから見たのだけど,どこだったっけ・・?フランスには入っていたような気がします。なんだかアジアンなテイストも感じたりして面白いです。たこから草の文様みたいで。 pic.twitter.com/I8zuTMR0wv

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集合住宅14-2 同じ住宅が,見る角度で印象がだいぶん違うので,そこもまたおもしろいのです。 pic.twitter.com/qlgUSOFona

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14-3 たくさん並んでると,目が回る・・・。しまうまがたくさん並んで,1頭分がどこまでかわからないという錯覚を利用して身を守っているというデザインのように思えます。 pic.twitter.com/JKN2VN0fmk

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ヴァイセンホーフ・ジードルンクWeissenhofsiedlung (Stuttgart)

2013-10-21 09:28:41 | 【雑感・寄稿文他】建築・都市・環境探訪

ヴァイセンホーフ・ジードルンクWeissenhofsiedlung (Stuttgart),訳:白い家の住宅団地。コルビュジエ,グロピウスらが設計したモダニズム集合住宅群。現在はコルビュジエ設計の住宅がミュージアムになっています。 pic.twitter.com/DGc53X0Y1l

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W.S.2 コルビュジエ設計,現在はミュージアム。ピロティ,屋上庭園,水平連続窓,という彼が掲げた“近代建築の5つの要素”のうち3つは外観からでも明確に読み取ることができます。一見すると,うーん,スチボ!! とっても端正でカッコイイ。 pic.twitter.com/ia84ssvY64

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W.S.3 ミュージアムで団地のマップと平面図が買えます。25セント。これは嬉しい。心地よい狭さの住宅です。階段裏の朝食室がこれまたイイ。 pic.twitter.com/CdltBJsxBQ


W.S.3 コンパクトに生活するための工夫もいろいろ提案されていました。布団を押し入れにしまう文化のある日本人的にはとっても納得です。 pic.twitter.com/KC2y5SaZ21


W.S.4 Breakfastroom,とのこと。そうか,きっと東向きの部‥屋…。南(南西)向きでした。そうか,そうなのか。 pic.twitter.com/8fA2quc3sq


W.S.5 屋上庭園。シュトゥットガルトの街が一望できます。いやいや,これは千金の値がある風景。緑と家々の赤い屋根の対比が美しい。ちなみにベンツ・スタジアムもよく見えます。 pic.twitter.com/oXVbxz6jB8


W.S.6 団地の家々は,だんだん建て替わってもいるそう。当時の資料などがミュージアムで見られます。こういうプランは今見ても勉強になります。 pic.twitter.com/ieAj08oCdW


W.S.7 いまはもうない,グロピウスWalter Gropius設計のHaus/House16。L字型に所室を配置したプランニング。この回遊性いいなあ,好きだなあ。 pic.twitter.com/fPdkE5vHIM


W.S.8 斜面地に建っている団地なので,そのお互いの関係を立体的に示した模型。この見せ方はおもしろい。生活の向きを互いに調整していることもわかります。 pic.twitter.com/vwNl5RSK8p

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W.S.9 団地のなかも歩けます。が,現役の「おうち」なので,訪れるときには節度と敬意をもって。写真はJ.J.P.OudのHouse5-9。このヴォリューム感,いいなあ。建築家の夢と熱意を感じられる住宅団地です。終わり。 pic.twitter.com/KDUJAR1lfd


ちなみに建て替わった後の集合住宅もかっこいい。世代が替わっても,夢と情熱は引き継がれているなあ,と胸あつくなります。 pic.twitter.com/5Lk5TEhWnN

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ポルシェミュージアムPorsche Museum (Stuttgart) Designed by Delugan Meiss Associated Architects

2013-10-21 09:27:09 | 【雑感・寄稿文他】建築・都市・環境探訪

ポルシェミュージアムPorsche Museum (Stuttgart) ,Designed by Delugan Meiss Associated Architects。とにかく迫力がある。一見して「うわっ,スタイロ!」と思った pic.twitter.com/8ihKz8BV10

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P.M.2 エントランスからエスカレーターで,外観「空に浮かぶハコ」まで一気に登っていく。 pic.twitter.com/xwwgSwt5hQ


P.M.3 動線はシンプル。車を動かすためなのかな,スロープぐるぐる建築です。 pic.twitter.com/LuqFAtb96y


P.M.4 だけど空間内部にいると複雑。スロープぐるぐるの間を,階段がつないでいて,そのため視点場や動線に多様な選択性が生まれています。 pic.twitter.com/PVQVXw9LCP

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P.M.5 壁も床も天井も,真っ直ぐなとこがない。のでなんだかふわーっと平衡感覚が歪むんです。階段だけは水平・垂直。そこにはクッションが置かれていて,階段が滞在空間にもなる仕掛け。 pic.twitter.com/ctrunRV4GB

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P.M.6 どこを見てもポルシェが目に入ります。ポルシェ好きにはたまらないでしょうが,特段ポルシェ人でなくてもこれはおもしろい。車はあまり見ないで,見せ方を見ていましたけど。 pic.twitter.com/ElfTFPPvnK

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P.M.7 しきりの壁・兼・空調ガラリ。なにこれカッコイイ。 pic.twitter.com/RkElw81M1c


P.M.8 一番上に,下へと続くエスカレーターがあります。サイドの壁には「50年後にどんなcurrencyが使われているかわからない。911にその価値があることだけはわかるけど」という文章。言うなー!という感想とともに,大満足で終了。 pic.twitter.com/bcW5J18T5H

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P.M.9 ちなみにすごく高そうなレストランと,美味しいカフェと,さっと食べられる軽食コーナーもあります。隣はポルシェ屋さんです。ミュージアム見て欲しくなってもオイソレとは買えないと思いますが…ミュージアム・ショップであふれんばかりのミニカーも売っているので安心です。終わり。

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原広司先生設計:札幌ドーム外周見学130904

2013-09-07 11:48:49 | 【雑感・寄稿文他】建築・都市・環境探訪

札幌学会&調査ツアー,合間の建築ツアーご紹介第二段。

原広司先生+アトリエ・ファイ建築研究所+アトリエブンク設計,竹中工務店+大成建設+Schal Bovis施工による,札幌ドーム。

2001年オープン。

 

札幌ドームの公式HPはこちら

コンペ結果の報告はこちら

 

まず全貌です。

オープンとクローズド(屋根がかかっている)のデュアルアリーナ。「∞」の配置をしています。

アリーナを掘り下げて,周囲が土で覆われており全体の高さは低く感じられます。

というか,至近距離で横から見るとおおーきくてよくわかりません。

 

うらがわからのアプローチ。結構登ります。

 

オープンスタジアムのサイドはなだらかなカーヴを描いて奥に登ります。周囲に小さなマウンドが複数盛られ,シークエンスに変化が感じられます。

 

オープンスタジアムの周辺にはアート・オブジェが。訪れる人は少ないようで,雑草が茂っていますが,中の仕掛け(各国語での挨拶など)は動いていて,ちょっとびっくりします。

 

オープンスタジアムの端部にあるアート。ランドスケープと一体化しています。

 

関係ないのですが,北海道特有らしいカタツムリが大量発生していました(ちょっとコワイ)

 

おもしろいかっこうをしてみました。

かえるくんもいたので,記念撮影に加わってもらいました。

 

迫力!

 

芝には不思議な馬蹄形の模様が浮かび上がっていて(下に何かの設備があるんでしょう),そこにだけキノコが大量発生していました。

 

周囲の道に通じているトンネル型階段。かっこいい。

 

通気孔 かっこいい

 

お得意の大階段。京都の駅ビルもですが,大階段好きにはたまりません。

 

裏側にも大階段があります。カタツムリが大量発生していましたが・・

 

本来のアプローチはこちら。視点場がつくられているのはいいですね~。

360度気を抜いていないのですがさらに「ここから見ると最高にカッコイイから!!」というデザイン。

記念撮影しました。

 

 

 

 

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札幌市南区 石山緑地 【おすすめ!!】

2013-09-06 11:43:30 | 【雑感・寄稿文他】建築・都市・環境探訪

建築学会と調査の日々,最終日に飛行機までの時間に札幌周辺建築弾丸ツアーを敢行。

なかでも最高に気に入った[石山緑地]をご紹介します。

 

石山緑地の観光情報はこちら

施設案内はこちら

設計についてのあれこれはこちら(北海道人)

 

石山緑地は,道内在住の彫刻家の造形集団「CINQ(サンク)」:國松明日香、丸山隆(故人)、松隈康夫、永野光一、山谷圭司らによる作品。

「キタバ・ランドスケープ・プランニング(代表・斎藤浩二さん)」の神長敬(かみなが・たかし)さんが設計者と札幌市の担当者,施工者をつなぐコーディネーターを務められたとのこと。

1996年に開園。

螺旋の石の塔と大階段が迫力。雨の日だったので濡れた石の質感も重厚感を増して迫ってくる。

 

螺旋が大地に刻まれて,なんだかエネルギーを感じるぞ! 背景の砂岩の崖もかっこいい。

 

螺旋を歩いてみたりして。夏場には水遊び場になるとのこと。おもしろそう。

 

ところどころに巨石がある。石の質が違うから,余所からもってきたモノなのかな? 岩好きにはたまらない。

 

オブジェ。中に入れる。岩が階段状についている。

ところで,蚊がすごい。訪問時には蚊対策をおすすめします。

 

ネガティヴ・マウンド。迫力! これは雨の日に来てよかったな。ローマの,フォロロマーノの丘やコロッセオを彷彿とさせます。

 

石切場の雰囲気が演出された作品。コレは建築の人は大好きじゃないですか?

 

ポーネ・グリフみたいだねなどといいながら。

 

テラス。これはスリランカのシーギリヤ・ロックを思い出しました。

 

こちらはシーギリヤ・ロック。そういえばあの日もひどい雨だった・・・。

 

足もとに,四つ葉のクローバー。


いやいや,すごくよかったです。おすすめ。モエレ沼公園は有名なんですが,こちらは地元の方のご利用が多いのでしょうか。

札幌においでの際はぜひ足を伸ばしてください!

 




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サレジオ小・中学校見学会(DPⅤ)130423

2013-04-25 09:55:52 | 【雑感・寄稿文他】建築・都市・環境探訪

「設計・パフォーマンス(DP)Ⅴ」の小学校課題の事例見学会。

育英学院サレジオ小・中学校(設計:藤木隆男建築研究所)の見学会に参加してきました。

大学生当時,やっぱり3年生だったのかな? の小学校課題で,同じく訪問していますのでかれこれ十数年ぶり・・(その間に,敷地内の別の建物の見学会には参加していたのですが)。

なにも知らない状態で見たときと,その後曲がりなりにも教鞭を執りながらしばらく過ごしたあとで見たときと,やはり感じるところは違うもの。

「へー。こういうのもアリなのか」から「ううむ,これをやられているのですよね。そうですよね」への変化? ダメだ,表現できてない。でもそんな感じ。

 

武蔵野の森の中の「村」という風情,こんなに木々が大きかったっけ? ちょっと印象が違います。

軒高と屋根の高さ,設置面積/立面のバランス=建物全体のフォルム印象が,

こどもたちが描く「おうち」にぴったり。

自分たちの家という,心象風景そのものと合致するのでしょうね。

 

木々の間に,各教室(棟)が。

 

各学年1教室の棟,ワークスペースがテラス側に□と○がかみ合うようにせり出していて,

テラスにはスラロームした空間がつくられています。

すかっと見通せないこの感じ。奥行きや場所性を感じるし,行きたいなと思います。

 

それぞれの教室は,学年ごとに高さ方向のデザインが変えられています。

1年生から6年生まで,心身の成長著しいですから。

小さいこどもには,少し低い場所が,落ち着けます。

(と,いう説明をどのように受けか,未だに覚えていました。いやあ,実体のもつ力というのはすごいです)

 

中学校の中庭。

もっと大きかったような気がしたのですが,なぜだろう。

(一緒に行った非常勤の先生も同様におっしゃっていました。なぜだろう)

写真で見るよりもずっと,親密な空間です。

全体に,高さがぐっと抑えられているので(用途地域の高さ制限の関係で),

教室(の定員)の規模も通常の40人学級に比べて30人学級。小さいのです。

で写真で見るよりも,全体のスケールが小さいというわけで,

ちょっとたとえはアレですが“全体に小さい”ミニチュア建物を見ているのと

同じで,写真の印象よりもぐっと小さく身体性にフィットする空間です。

 

教室を北側に配置,オープンスペースを南側っていうのはアリですか?って

その前の講義の時間に学生さんに聞かれていたのですが(アリだよ~と答えましたが),

ここに20年前から答えがありましたね。北側に教室が配置され,中庭を介して南から

陽光差し込むオープンスペース/縁側状の廊下空間があります。

北側からの落ち着いた光で勉強,くつろぎやじゃれあいの時間は南側の活動的エリアで。

北側の窓からは,南からの光に照らされた新緑の木々が美しく輝いています。

教室の外(北側)には広い屋上テラス。制作等の活動にも使われるそうです。

 

ドン・ボスコ記念聖堂も見せていただきました。(懐かしい!)

アイビーが,以前みたときよりも塔のずっと上まで登っています。

時間が建築を美しくしていくな。って思うのは,ため息が出るほど嬉しい瞬間。

 

パイプオルガンが設置されている2階部分から。こちらに上がらせていただいたのは始めてかも。

音楽の先生がちょっとだけね,とパイプオルガンで弾いてくださいました。感動。

 

出たところで記念撮影。ご案内くださった先生方と。

(見学会に参加された方はこちらにアップしてありますのでどうぞ。PWは「地域施設計画2013」のと同じです)

 

中学校の入口まで戻って,解散。

 

「再訪」の価値,繰り返し見ることの価値について実感した機会でした。

本も論文も読み返す,好きな建物も街も,何度も行く。

本当に優れた作品や文章,また自分と波長が合うものには,

その時々の自分のレベルや興味関心や,抱えてる問題や課題や,によって,

違った答えやヒントを見いだすことができるよな,と。

 

ご案内くださった先生方,学校の皆様,本当にありがとうございました。

 

 

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「あの子」の記録(エピソード) 実践例にみる建築計画の意義と責任について

2013-03-28 18:19:37 | 【雑感・寄稿文他】建築・都市・環境探訪

日本建築学会学術講演大会 2012 パネルディスカッション「統合的視点からの建築計画的実践」資料に掲載の原稿

 

 

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【とっておき】建築・都市計画系 卒論・修論発表会のための想定問答集【追加しました】

2013-01-30 16:16:47 | 【雑感・寄稿文他】建築・都市・環境探訪
建築・都市計画系の卒論や修論の発表会等でよくある(一般的な)質疑応答場面を想定した,
想定問答集です。
 
これらの質問に対する回答を用意しておくと,たとえ聞かれなくても,
自分の頭がすっきりします。
参考にしていただければ幸いです。
 
【想定質問(よくある質問)とその意味,対応のポイント】
1.この研究でわかったこと(成果)の要点をかいつまんで話してください。
*まとめがよくわからなかった,と言われている。
→目的と,成果(一番面白いと思うこと,大事だと思うこと)を簡単に話す。
 (話せるようにしておくこと)


2.その成果を建築や都市のデザインにどう活かせるのか教えてください。
 (この研究の意義はなに?)
*成果と意義は違う。わかったこと=成果,それはなにに役に立つか=意義
*調べました,で終わっていませんか。どういうつもりで調べましたか。という質問
→どのような「良いこと(問題の解決,新機軸への展開)」につながっていくか,を
 端的に話す。
 そういうことが話せるように,論文を組み立てることが大事。
*「目的」「想定される成果」「意義」を答えられるようにしておくこと。
 もちろん,それが伝わるようにプレゼンをつくる。
 「目的」:○○の役に立ちたい,○○に向けての知見を得る,○○の状況を整理する,など。
 「想定される成果」:(調査研究デザインに応じて,限定的な/ある条件下での)
      ○○がわかる,○○ができる,○○を提案する,○○の提言をまとめる,など。
 「意義」:○○に貢献する,敷衍(ふえん)して○○にも役立つ,など。

3.既往研究との関係を教えてください(既往研究に対するこの研究の位置づけ)。
  この研究のオリジナルな部分を教えてください。
*既往研究を読んでいるか?とか,一般的に言われていることとなにが違うの?
 などと,研究のオリジナリティが問われている。
→既往研究でやられていることを簡単に紹介した上で,各自の研究のオリジナリティ
 (研究の方法,視点の設定など)を話す。
 ツッコミには理由付で回答してね。
→一般的に言われていること,でも,きちんとしたデータとして裏付けられて
 いないこともある。そういうことを調べた場合は堂々と,「一般的に言われている
 ことがホントかどうか,検証しました!」と述べればよい。
 
4.調査対象の選定と調査方法の妥当性を説明してください。
*(設定した課題に対して,)サンプルそれでいいの? その方法で分かるの?  と,聞かれている。
→ゼミでのやりとりで,そのあたりはツブしている。調査先選定のプロセスをきちんと説明すること。
 調査先や調査対象エリアが,調査対象施設種別/全国的な概況に対して,
 どのような位置づけであるかを説明する(それをきちんと把握した上で話していることを,伝えればよい)。
回答例)
・横井:「そういう方法で拡散で,サンプルとれるの?」
→ソーシャルメディアに慣れている層が,このサイトの利用者として想定されますので,サンプル収集の方法は妥当だと考えます。かなり拡散していただいて,全国から回答がありました。
・横井:「数少なくない?」
→サイトの開始までに時間がかかって,正直,調査期間は短かったです。現状まだサイトは試験運用されていて,回答が寄せられ続けている状況なので,これは速報だと考えてください。卒計と並行して,ブラッシュアップのなかでサンプル数の充実を図ります。
・志乃:「足立区のそこでいいの?」
→考えているよね。エリアの位置づけや選定理由を話します。
・クロス:「サンプルの偏りじゃないの?」
→面積,人数,コーナー設置の状況等の条件が分散するように,全国の保育施設へのアンケート調査の結果等を元にしてサンプルを選定しています。
・秋山:「サンプルそれでいいの?」
→既往文献などによる平面図の収集を行って,空間構成の類型化をしています。ここから,典型的と考えられる空間構成の事例を複数,見学に行きました。そのなかから,入居者の属性や空間構成などの条件をそろえて比較できる調査対象を選定しています。
・正田くんは,クラスター分析の説明をすればいい。


5.その成果って結局○○(自分が読んだのと違う理由による現象)ということではないんですか?
→もっともだなと思えば,「そういうとらえ方もあると思います。この研究では,
 このような視点で分析したところ~」と,相手の意見は容れた上で,自分の
 視点による結果という説明を。
 理解できないと思えば,具体的な数字等を示して,再度説明を。時間の関係で
 はしょった,全体条件等をちゃんと説明すれば大丈夫。
ex)
・秋山:「調査対象にした施設で,利用者の属性が違うということではないの?」
→属性は,認知症の程度と,移動手段,要介護度について把握しています。
ユニットごとの平均要介護度には若干の差異はありますが,おおむね4.0程度(ホントの細かい数字は,こういう場ではとりあえずいいんだ!ちゃんと検討した経緯があるかどうかだけ聞かれている)で,ほぼ同じであることを確認しています。
・秋山,クロス,正田:「観察調査だと,たまたまその日だけそうっていうことじゃないの?」
→調査日の設定の際,特別な行事などがない「普通の日」を観察できるように,施設側に趣旨を説明して,調整しています。
また,調査当日の生活が,普段と同様であることを,スタッフの方へのヒアリングによって確認しています。
天候などについても,条件をそろえています。
天候やアクシデントなど,想定外の事態で,「普段」と言えない状況であった場合には,再度の調査を行っています(or
行うように段取って,調査計画を立てていましたが,幸いにしてそのようなことはありませんでした)。
・志乃:「回答者数の相違が,そういう結果になってるんじゃないの?」
→学童保育所と,放課後こども教室の主催者,また管轄している行政部署にヒアリングをしており,その結果と照らし合わせて,矛盾がないことを確認しています。


6.○○(主に,データの読み取り,定義)についてもう少し詳しく話してください
*と聞かれたときは,データの読み取りの妥当性,定義の妥当性について
 質問されていると思ってください。
 そのまま,説明を繰り返すのではなく,その読み取りや定義が妥当である,
 ということを説明するつもりで返答すること。
ex)
・正田:分布をもとに類型をつくっていること
・秋山:変化量について。△グラフを元に,ユークリッド距離で処理。比率として表している。


7.不勉強なんですが・・その施設類型はどういう・・
*利用者属性と,建築(設置基準,使用場所)の特徴に特化して説明すること。
*しゃべれれば,その施設類型の普及状況や,抱えている課題に言及すること。
ex)
・志乃:「放課後こども教室事業と学童保育所の違いってなに?」
→学童保育所は,保育に欠ける児童を対象として,登録制・一部児童を対象にしています。放課後こども教室事業は,全児童を対象としています。登録制のところが多いですが,希望すれば誰でも使えます。いずれも,学校の空き教室や校庭を利用するケースが多く,学童保育所では別に,児童館併設もあります。両者は原則的に相互の乗り入れがなく,資源の共有による活用などは課題になっています。
・秋山:「サテライトユニットと,普通のユニットと,入居者の属性とか施設設置基準に違いがあるの?」
→自治体により若干の差異はありますが,「ユニットの」設置基準には,原則的には違いがありません。ただ,ユニット型の場合には,サテライトユニットよりもユニット数が多いため,スケールメリットを活かして共用空間の面積を大きくしやすいと言えます。また,サテライトユニットは既存施設のリノベーションによることも多く,空間構成の自由度が低いことも課題の一つです。
・クロス,正田:「幼稚園と保育所の設置基準てそもそも違うんだっけ?」
→幼稚園は,クラス数によって,園舎と園庭の必要面積が定義されます。保育所は,1人あたり面積によって必要面積が定義されます。(資料を手元に持っていったらいい)
 
8.(不勉強なんですが・・)その施設種別(調査対象)はどれくらいあるんですか?/それはこれから増えるんですか?
*得られた知見がどの程度広く使えるのか,援用していく可能性はあるのか,を聞かれている。
 この質問に限らず,【その質問によってどのような議論を導こうとしているのか】を考えて,回答をつなげる。
ex)
・井上美咲:「障碍児童養護施設って,多いの?」
→知的障碍等,障碍のあるこどものみを対象とした児童養護施設は多くはありません。しかし,この研究で得られた知見や建築計画上の配慮点,例えばユニットの独立性とユニット間の共用空間での児童同士の交流を促す仕掛けの共有の重要性等は,(一般の)児童養護施設等でも適用可能なものです。また,高齢者施設や学校などでも同様の指摘があるとも言え,ある意味施設種別を問わない普遍的なことがらが改めて検証されたという側面もあります。また,児童養護施設には一定の割合で障碍のある児童が暮らしています。そのような観点からも,本稿知見には援用可能性が高いと言えます。
 ・小林陽:「認証保育所って多いの? 増えるの?」
→認証保育所や家庭福祉員は,待機児童の解消や保育場所の選択肢を増やすこと,また保育ニーズの変動に安価に,早く対応できるという観点からも増加しています。ただ,その許認可にあたっては,保育の場としての質が保障できるよう,周辺環境の状況をきちんと踏まえるべきではないかと考えており,この研究はこうした観点から行われています。逆に,都市空間には平日昼間などはほとんど使われていない公園もあり,このような資源を有効に活用し,地域に賑わいをもたらす存在として保育拠点を有効に活用できる可能性もあるのではないか。本稿はこうした観点によるものです。
 
new!
9.それってやっぱり~なんじゃない?
*自分が言いたいことを言われてしまったとき。
*その通りだ,と思うことを指摘されたとき。
黙り込まず,「そうなんですよ!!」とはっきり同意する。
ex)
・小川未来:「学童保育拠点の評価って,結局,部屋数の問題なんじゃないの?」
→そうなんですよ! 現状,小学校併設を中心に,1室のみ利用のケースが多いんですね。これは体育館や運動場などの動的活動スペースを除いた集計なんですが。そうすると,やはりこどもの活動の多様性や居合わせのしやすさなどに問題が出ると思うんです。ですから,これからの観察調査で,そのような点を実証していこうと思っています。
・小川未来:「部屋の形状なども影響するんじゃないの?」
→そうなんですよ! 部屋の形状は,今調べている対象ではだいたい矩形なのですが,真四角なのと,長方形なのとでは使い勝手が違うはずですよね。さらに,遊びのコーナーを作る,これをゾーニングと呼んでいますが,このゾーニングによっても遊びの展開が異なることがこれまでの研究でわかっています。このような,建築的な条件と使われ方の条件:設えを活動の背景として,どのようなつくられ方が望ましいかを提言したいと思っています。
・大作清美:「児童デイって,狭いねえ」「良い事例を調べられなくて,役に立つの?」
→そうですね! 設置基準が間違っているのなら,それをしっかりと主張する根拠が必要です。この研究はそのエビデンスをつくる研究です。今回対象にしているのは良い方の事例ですが。良い事例でも狭いんです。設置基準がおかしいですよね? あるいは,もっと効率の良い使い方があるのではないかと思います。また,良い事例を調べることにはもちろん意味がありますが,悪い事例を,何がどう間違っているかをしっかり分析してどこをどうただせばいいかを明らかにすることは必要ですよね。良いものだけみていても,逆に,世の大半を占める問題のある事例での課題とその解決方法はわかりません。
 
 
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計画的知見へのアプローチとその表現の変遷にみる今日の研究主題(建築学会研究懇談会寄稿)

2012-09-08 23:29:54 | 【雑感・寄稿文他】建築・都市・環境探訪

2011年度日本建築学会大会(関東)建築計画部門研究懇談会資料

「建築計画研究の表現にみる今日の主題」

 

住居計画,施設計画・計画基礎,情報設計,構法計画,設計計画の5つの分野からの主題解説とディスカッションで構成される研究懇談会。施設計画・計画基礎の分野の主題解説を担当。

 

 

 

 

 

 

(2018.09追記)

この研究懇談会はディスカッションがあまり噛み合ってなくてどうも面白くなかったな。という記憶がぬぐえなくて残念なのだけど(今なら言える。当時は無理だった),寄稿した内容と当日しゃべった内容は面白かったはず。少なくとも私は納得できるものを出した。お声かけいただいた,敬愛する西野先生がこれ面白かった,と言ってくださったので,それでもう十分,甲斐があったというもの。

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【連載】The 43rd APACPH Conferenceの日々

2011-10-22 15:31:40 | 【雑感・寄稿文他】建築・都市・環境探訪

10/19~10/21に開催された,The 43th APACPH Conferenceに参加してきました.

Asia-Pacific Academic Consortium for Public Health

その記録です.


【連載1/4】The 43rd APACPH Conference 1 10/19の記録(古賀政好)

【連載2/4】The 43rd APACPH Conference 2 10/20の記録(伊藤弘紀)

【連載3/4】The 43rd APACPH Conference 3 10/21の記録(千葉紗央里)

【連載4/4】The 43th APACPH Conference(まとめ) (山田あすか)

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新しいプレイルーム! 検証も課題?

2011-05-10 22:18:40 | 【雑感・寄稿文他】建築・都市・環境探訪

【計画・設計】富山大学附属病院小児病棟プレイルーム内装

の,プロジェクトで関わらせていただいた新病棟がオープン(2011年1月).

少し時間が空いてしまいましたが,見学に行ってきました.

 

病棟に入ると

左にプレイルームが見えます.

 

絵本スタンドとその脇の棚がアイストップになる・・という計画でしたが

 

 

んー

棚は省略されたみたいです.

でも絵本スタンドは見えますね,誘い水になってくれているかな?

 


幼児の,下足での机遊びスペース.

椅子には肘掛けのないものを採用で,大人も座れます.

 

奥に,幼児の上足/床座での遊びスペース.

おちびさんたちはやはり,クツを脱いだほうがのびのび遊べます.

寝転がることもできますし,

親御さんなど付添の方が横に座り込むこともできます.

 

 

学童の上足/床座スペース.

奥のスペースを,ちょっと奥まって溜まれる場所と位置づけました.

しかし,

あんまり奥まると...というご配慮か,奥に収納が設けられてますね,

ここはちょっと,あーそうかって感じ.かな.

 


 

振り返って,学童以上の下足での机スペースと保育士さんの作業スペース.

よく使われているそうです.

 

 

以前のプレイルームに比べて・・

・(病室にこもりきりでなく)よくプレイルームに出てくるようになった.

・複数グループの居合わせができるようになった.

・以前はほとんど利用がなかった,学童の利用が増えた.

・保育士さんのスペース(作業できる設え)ができたことで,保育士さんが病棟にいられる時間が増えた.

など,よい効果があったようです.

 

ただし,学童さんの利用が増えたことで,

・学童向けの遊具・玩具がない

という苦情(?)もあったとか.

ハードの変化によって利用の様相が変わったことで,ソフト的な変化も必要になった,ということでしょう.

ますます充実していけそうです.


 

 

また実施設計には病院全体のデザインコンセプトの関係で,

意匠のデザイナーさんが関わられたそうです.

その際,計画のポイントが明確に伝わっていなかったことでの問題点も生じたことがわかりました.

・寸法が当初計画と変わった

 →収納の奥行き不足で少し大きな玩具等が収納できない.

 →収納の奥行き不足で,本を入れると,本の背が飛び出す.

  こどもが歩き回るときにあたってしまう.(安全性の問題)

・基本設計であったコンセントがカットされていた

 →活動や,電力供給が必要な点滴の使用に困難.

  延長コードでひっぱることは,点滴の移動や,移動時の安全性の

  観点からしにくいので,これはいけなかった.

  (後付で増設されたとのこと)

・棚のデザインが変わった

 →履き替え時に「手をつくところ」がなくなってしまった

など.

「こういう理由で・このような寸法に設計されている」とか,

「こういう理由で・ここにコンセントが計画されている」ということは,

きちんと書き込むなりして,伝えないといけないんだな,ということが

わかりました.

課題を残しました.

 

富山大学医学部 小児科学教室HP

病棟の施設紹介

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空き教室/空き校舎利用

2010-11-16 17:15:29 | 【雑感・寄稿文他】建築・都市・環境探訪

「学校施設の有効活用検討委員会」の見学会で、中学校の余裕教室を活用した保育所を見てきました。

待機児童の問題があるのだから、一方で空き教室があるという学校施設を使えばイイじゃない?
…という話があるわけですが、
統廃合(空きがありすぎると学校自体がなくなる)や、
かなり改修をしないと学校はそのままでは保育施設には使えないこと(その予算はだれがどこ=財源から出す?)、
待機児童がいる地域かどうかというマッチング(待機児童がいる地域にはそのあと数年遅れでまとまった学校ニーズが生じるハズなので、敷地切り分けや教室を減らす改修はしたくない)、
学校教育のやり方が変わってきていて教室数が(必ずしも面積ではなく、数)ほしいこと(少人数クラス、少人数単位での授業展開、進度別授業、特別支援学級…)、
まとまった面積が空かないと、保育所はいれられない(効率が悪い)こと…などなどで、
「空いてるから使えばイイじゃない?」という簡単な話ではないということが研究会でわかってきて、
それを現地でみせていただき、関連部署のみなさまからお話うかがって、「なるほどなぁ」が深まりました。

今回のテーマとはずれるわけですが、
小学校中学校、幼稚園保育所のわくぐみについても再考しつつ全体にこどもの育ちや、教育保育(の連続性)、
そのための場、を考えるのか?など話が大きく拡散したところで、おひらきです。

明後日また議論の機会があるので少し考えておこう…
難しいですね、というコメントだけは、鉄板です。

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【連載中】こども施設研究者@建築計画分野による保育所・幼稚園選び

2010-10-16 05:37:30 | 【雑感・寄稿文他】建築・都市・環境探訪

たいせつなお子さんの保育所・幼稚園選び.
なにを大事にして選びますか?
「近さ」だけでいいですか? お絵描き教室や英語教育,体操などの「プログラム」を重視しますか?
お子さんに,どのように育ってほしいとお考えでしょうか.
どのように育てたいとお考えでしょうか.

保育所・幼稚園選びは,おこさんの成長・発達のための「環境」を選ぶことでもあります.
そしてこどもたちは.「環境」によってその成長・発達のしかたが異なるものです.

「近さ」だけでいいですか? フラッシュカードで山手線の駅名を言えるようになれば,いいですか?


【連載1-1】こども施設研究者@建築計画分野による保育所・幼稚園選び 

【連載1-2】認可保育所と認可外保育所 1

【連載1-2.5】認可保育所の利用資格

【連載1-3】施設の設置基準

【連載1-4】実録 保育施設選び・第一弾

【連載1-5】実録 保育施設選び第一弾(その2・選択のポイント整理)

 

保育施設選び第二弾(東京編) 予定しています

・2歳半(2歳児組)の夏に引っ越し

 - 年度途中では認可保育所には入れません

・3歳になると ~みんな幼稚園,認可保育所に

 - ちょっとした人生の分かれ目

・0歳さんと認証保育所

 - これが・施設基準の・差か

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園庭保育園と建築こども園

2010-05-13 20:46:54 | 【雑感・寄稿文他】建築・都市・環境探訪

(山田あすか)

建築学会の福祉施設小委員会・こども施設WGの企画で,
保育施設の見学に行ってきました.
園庭の環境づくりに「ものすごく」力を入れている保育園と,
著名な設計グループが設計した幼保一体型施設です.

前者の園(仮称:園庭保育園)は名物園長の主導のもと,
それはもうものすごい情熱をかけて園庭をつくっています.
安全性を過度に保障することは,結局こどもたちから安全と危険を
学ぶ機会を奪うことだ,という信念が渦巻いています.
保護者の参加も並大抵ではなく,園庭の維持費をまかなうための
バザーや,卒園制作などなど保護者がこどもや保育園と
一緒に楽しんだり,成長したり,コミュニティをつくっていく
たくさんの仕掛けがあります.
こどもたちは本当に楽しそう(そしてとても大変そう・笑),
毎日冒険と挑戦の日々でしょう.

でも,待機児童はいないそうです.

説明会をすると,半分の保護者は「うちは無理です.他に行きます」
っておっしゃるのだそう.
まあ,その気持ちもわかるような・・(いろんなご事情や考えの家庭が
ありますから.こどもの性格(と親が考えているもの)もあるでしょうし).

後者の園(仮称:建築こども園)は室内環境,園庭環境もデザインされて
います,でも園庭保育園ほどつきぬけていない,というか・・
イメージでいうと,こどもが喜ぶ・よくできた公園チックです.
(対する園庭保育園は「ジャングル」)
こちらでは,幼稚園的(短時間)利用のご家庭と,保育所的(長時間)
利用のご家庭をどうつなぐか? 相互理解を促進するか? ということに
かなり心を砕いておいででした.
ふたつの施設の園長先生たちは旧知の間柄とのことで,図らずもお二人の
座談会が実現してしまったのですが,建築こども園の園長先生がおっしゃった
「いろんなご家庭があるので」「選択肢があることはいい,園庭保育園のような
園がひとつあるのとないのとでは大きく違う」という一言は耳に残りました.

園庭保育園は確かにすごい.でも半分のご家庭しか,選ぶことができない.
その理念に共感できる人たちが集まってきて,その環境をどんどん発展させて
いく.もともと,環境への共感力がある人たち.

じゃあ,そうではないご家庭とこどもたちはどこへ行こう?

建築こども園は,そういうご家庭やこどもたちも(もちろん,もともと環境への
共感力が強い方たちも)引き受けている.園庭保育所の仕掛けを100%だとしたら,
70%出力くらいに押さえておくことで,幅広い層を受け入れ,環境(づくり)への
共感力があまり高くなかったご家庭の共感力も高めていく装置となっているのかも
しれない.

このふたつの園を一日で見比べられたのはとても良い経験でした.座談会になって
しまった経緯も含めて,めちゃくちゃ有意義な一日でした.
もともと,建築こども園の方には調査などで入らせていただいたこともあったのです
がやはり再訪して,そのときどきのいろんな視点から見ていくことはすごく大切だと
思った次第です.

それから両園の園長先生がおっしゃっていた,「子育てを通して親自身が生き直したり
成長したりする,園はその親子の育ちをサポートする」ということは,この時代に
ものすごく大切なことだと思いました.

自分も子育てをしながら(させてもらいながら)彼と一緒に成長しようと思った次第です,
簡単ではないですけど.

 

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オープンハウス見学ご報告(産科婦人科医院)

2010-03-20 17:30:56 | 【雑感・寄稿文他】建築・都市・環境探訪

(山田あすか)

藤木隆男先生の事務所で設計された産科婦人科医院のオープンハウスに行ってきました.

さすが藤木先生!のデザインで,しっとりとおちついてふんわりと優しい空間.
「ここで産みたい!!」と本気で思いました.引っ越しちゃおうかな(笑).



中庭を囲むかたちの建物で,回遊性があります.
また空間の「ひだ」が滞留性(これからそう呼んでみようかな)をもたらしています.



この中庭は,日だまりも日陰もあって,守られている感じがして,すごく居心地のいい空間でした.


どこもかしこも素敵だったのですが,
個人的には↓こういうちょっとした空間がたくさんあることが,感動的でした.



以前,JIHaの『医療福祉建築』に寄稿したペーパーに書いたのですが,
ひとりになったり,あかちゃんとふたりだったり,パートナーや家族と数人だったりする
・・逃げ場のような,静かに自分と向き合うような空間が必要だと思っていたのです.
初めて「おかあさん」になるときの環境には.
(何度目の出産でもその子にとっては初めての誕生で,その子にとってのおかあさんになるのは初めて.)
それがここにあって,自分の出産体験当時を思い出したら泣きそうになってしまいました.
いわゆる大病院で,多床室で,居場所になるような場所なんてなくて,1人でぼうっとできるのは,
夜明け前の廊下の突き当たり・・余分なベッドが置いてある「隙間」の空間だけだったんです.

そういう体験があるから,こういう場所があることの意味をすごく理解できて,
もちろん自分にとっては良かったのですけど(笑).
でもこういうところで産みたかったな!

↓わたしはたぶんここを居場所にすると思います.
はしっこで,人が通らなくて,外が見えるところが好きです.


人の通りに向かう居場所もあって,選択肢があることがとてもいいと思いました.


藤木先生がご挨拶で,「どんな建築もひとつの部屋からはじまる」ということを
とても大事に思っているのだとお話しされていました.
それは,いちばん身体に近い「部屋」という空間をつくることを大事にしないといけない,
という意味だとも,「部屋」というものをどのように考えるのか?という
空間の仕切り方について哲学をもてと言う意味とも思う,と.
以前,児童養護施設のシンポジウムでも先生はこの言葉をおっしゃっていて,
そのときは,こども1人ひとりの部屋(個室)をよりよくつくることがとても
大事だと考えるようになったのだとおっしゃっていました.



それが今回のデザインでは例えば,この入院室にあたるのかな?と思いました.
すごくいいお部屋です.明るいし,風通しもいい.
表情が柔らかくてとても落ち着きます.


いい建築をみると,ほんとうに嬉しくなりますね!

藤木隆男建築研究所のサイトで,いずれ詳しくご紹介があると思います.
わたしのつたない説明で興味をもたれたら是非ご覧になってください.

そうそう・・今回の医院は,住宅が併設でした.
そちらも(もちろん)すっごくいいおうちで,一緒に行った方と「ここに住みたい!!」と言い続けていました.
藤木先生に住宅設計で出会える場がこちらにあるらしいので,ご検討中の方はいかがでしょうか?
うちも,そんな機会があったら,ほんとにお願いしたいです!

 

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