「古都逍遥 京都・奈良編」「花の詩」「日常のこと」や花や風景写真

 京都・奈良を中心に古刹・名刹や「花の詩」等の紹介。花や風景写真、オリジナルの詩、カラオケ歌唱など掲載しています。

南禅寺「大寧軒」

2006年09月01日 23時15分11秒 | 古都逍遥「京都篇」
 一昨年は「京都・庭園見学―岡崎」と題して岡崎地区において多くのイベントが実行されてたが、その中の目玉の一つとして非公開庭園であった南禅寺大寧軒庭園の期間限定の公開があった。

 「大寧軒」は南禅寺の塔頭の一つであった「大寧院」跡であり、明治末期に茶人・藪之内紹智の作庭で庭園が造成されたがこれまで一般公開されていなかった。激動の維新の政変や大戦の渦中にも堪え、いま閑静な美観と造園の心を映し出し、奥深い古都の情緒をたたえている。
 数奇屋造りの広間から対座するその名庭は、春夏秋冬、昔ながらの四季の趣が心をとらえて離さない。
 茶人に趣向による作庭らしく、配石、苑路など随所に露地風の趣きがある。
座敷正面に優雅な曲線を持つ築山林泉庭である。奥に幅の広い流れがあり、そこに三方正面(三方どこから見ても鳥居の正面)の石造の鳥居がある。この鳥居は、右京区太秦にある「木嶋座天照御魂神社(蚕の社)」の鳥居を模して作られたという。鳥居の下から清泉が湧き小川となって池に注がれている。雅趣にとんだ落ち着いた庭で、全体が繊細にして華麗なる技法をみせた庭園で和敬静寂のたたずまいを醸し出している。随所に見られる玄武岩の庭石は、兵庫県の天然記念物に指定されている柱状列石を持ち込んだもので、銘石といわれている。

所在地:京都府京都市左京区南禅寺。
 交通:地下鉄東西線「蹴上」駅下車、徒歩7分。
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