「古都逍遥 京都・奈良編」「花の詩」「日常のこと」や花や風景写真

 京都・奈良を中心に古刹・名刹や「花の詩」等の紹介。花や風景写真、オリジナルの詩、カラオケ歌唱など掲載しています。

「瑞巌山圓光寺」(ずいがんさんえんこうじ)

2006年02月22日 21時43分13秒 | 古都逍遥「京都篇」
 ルポのネタを探すために書をひもといていると、日本最古の木活字が京都の洛東にある臨済宗・瑞厳山圓光寺の資料館にあるとあった。早速、休日を利用して訪ねてみた。

 一条下り松、この界隈の寺院は全て訪ねたはずであったが、ついぞ見過ごしていた所であった。二間ほどの山門をくぐると観音像が出迎えてくれた。まず資料館に入った。正面に渡辺始興筆による「寿老人図」(寛保2年・1742)の大屏風絵が目に飛び込んできた。お目当ての木活字は右手にあった。
 慶長4年(1599)、徳川家康に与えられた木活字で、「孔子家語」(こうしけご)を出版しているいわゆる世にいう「伏見版」で、「圓光寺版」ともいうと説明されている。そしてこの木活字は現存する活字では日本最古のもので、5万個の一部が展示され重要文化財になっていた。

慶長6年(1601)徳川家康は文治政策として国内数学の発展を図るため下野足利学校の学頭だった三要元佶(さんようげんきつ)禅師を招いて伏見に学問所を開いたのに始まり、圓光寺版と呼ぶ図書も出版、当時の木活字(重文)が現存する。寛文7年(1667)現在地に移転。明治維新で荒廃したが、尼衆専門道場として再興された。現在は南禅寺派研修道場として坐禅会などが実施されている。また「十牛の庭」の新緑・紅葉は美観を呈し、特に秋は「栖龍池」を紅に染める。絹本着色元佶和尚像・紙本墨画竹図屏風(重文)は円山応挙筆。

 静かな庭園に天使の琴の音が澄み切って聞こえる、その正体は「水琴窟」であった。石で出来た水盆に柄杓で水を滴らせると、なんとも美しい音が響いてくるのだ。日本庭園でよく見かける水琴窟ではあるが、当寺のものは中でも随一の音色である。
 所在地:京都府京都市左京区一乗寺小谷町13
 交通:京都駅から市バス一条下り松下車、歩10分。
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