アイリス あいりす 

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【創作】父とわたし 父に叱られて

2020-02-04 21:04:14 | 創作文

父に叱られて

 小学生の時、なんでそうなったのか、全く覚えていないのですが、とにかく父が物すごく怒って泣きじゃくる私を物置に押し込めました。

外はすでに夕暮れ時となって、暗くなっていました。「出してよ、出してよ!」

物置の戸を叩きながら叫んでも、大声で泣き叫んでも、台所の戸が動く気配もないのです。それどころか、隙間から見える台所の窓の電気も消されてしまい、こっちは、ますます暗闇が広がったみたいだったのです。

 その時にふと、「この辺に懐中電灯があったと思うけどー」と手探りで壁を伝うと、「あったあった」明かりがつけば、いつもの物置だから、叱られたことも忘れて、私は遊びだしたようです。

ところが、家族は私の泣き声、叫び声が止んでしまい心配になり、母がそっと物置の戸を開けました。すると、私がしゃがんで独り言をいいながら、遊んでいたのが、大そう可笑しかったらしく、笑いだしたのでした。

私が戸が開いたのに気づくと母の横に姉も顔をだし、後ろには父の顔も見えました。皆で大笑いしているのでした。

私は急に、押し込められた事を思い出し、母に抱きついて、それから母の白いかっぽう着の上から母を叩きました。私はこんなに、辛くて悲しくて怖かったのに、みんなで笑うなんて、本当にひどいと思ったのでした。

 

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