拒食症、見えない愛の難しさ 《NO.52》

あなたの娘さんが、拒食症だとあなたから聞いたわね。

「大変ね、それで、病院で見てもらってるの？」
と聞いたら、「行ったことない」っていってたわね。

すでに、１０年も経っているって、

なぜ、連れて行かないのでしょう。

「行った方がいいと思うけど？」
「あ、もう治っているから。」って

うそでしょう？

あなたの夫も、おかしいわね。
娘を心配していないのかしら？

親子で旅行にいっているって？

それで治るのかしら？

あなたの言葉の端から、ため息がでてるでしょ。

あなたが治療することは、無理があるとおもうけど・・・

あなたと夫が考えていることは、わからないけど。

娘さんが「こうなったのは、お母さんのせいよ」
といったとか。

いいにくいけど、あなたと娘さんとの
関係に、きっと行き違いが生じて、きっとそのままの
状態を今も、続けているのだと思うのです。

そのことで、娘さんは、長い間言えないできたことを、
そういう言葉で、表したのね。

あなたは、とても、尽くすタイプのようだし、
我慢づよく、人生を生きて来た人だと
思うのよ。

それでも、娘さんの本当の心からの言葉は、
これが、初めてなのではないかしら？

娘さんはきっと、あなたにわかってほしいと思っているはずよ。

だけど、あなたには、ちょっと無理かしらね。

批判されて気持ちのいい人はいないけれど、
自分のことを、振り返って、反省するのも、
人として、大切なことよ。

愛情って、目には見えなくて、感じるものなのよね。
それって、本当に説明するのも、もどかしいほどで。

あなたの愛情と、娘さんの求めている愛情が、
ちょっとずれているみたい。

きっとそれだけだから。

娘さんの話を聞いてあげて、たくさん、たくさん聞いて
あげて。

あなたは先輩として、話を聞くだけでいいのだから。
忠告も反論もしないことよ。

いいたいでしょうけど。

まずは、聞くことに徹して、１年くらいは我慢して。

そうすると、娘さんは言葉をはいて、自分の考えを整理するから、
そこからが、また、はじめの一歩になると
思います。

これらが出来ないわよ。って思うのなら、

やはり病院につれて行った方がいいですよ。

あなたのお腹に１０ヶ月もいて、痛い思いをして、
産んだ娘さんでしょ？

社会に子供を送り出すのも、それと変わりないくらい
親にとって、辛いものなのよね。

もう一度、愛情は目には見えないのよ、
だけど、行いでそれがわかるの。

あなたの人生で、これほど辛いことはないでしょう。

だけど、親として出来ることがあるはずよ。