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奥村隆 「息子と僕のアスペルガー物語」 39回 <3491>

2016-02-01 12:10:02 | 健康管理

現代ビジネスhttp://gendai.ismedia.jp/articles/-/37115より転載しました

2013年09月28日(土) 奥村 隆

奥村隆「息子と僕のアスペルガー物語」【第39回】
「あなたの育て方が悪いから息子さんはASDになった」と言う医師

しばらく息子の顔を見ていない

僕はしばらく前から、非常に忙しい毎日を過ごしている。その理由はたった一つ、「東京オリンピックが決定したこと」にある。

9月7日(日本時間8日)にブエノスアイレスで開かれたIOC総会で、2020年のオリンピック開催地が東京に決まったのはご存じの通り。それを受けて僕は、担当している番組で、オリンピック絡みのVTRを連日のように制作し、放送することになった。

こう言うと、「ASD(自閉症スペクトラム障害)を抱えている奥村さんは、予測していなかったオリンピック開催地決定のニュースのせいで、パニックになってしまったのではないか」と心配してくださる方もいるかもしれない。

確かに、この決定も、それを受けた日本国内の盛り上がりも、僕にとっては事前に想定していた話ではない。だから、矢継ぎ早に関連した番組の仕事を命じられた直後は、焦りのような強い感情が湧き上がってきて、すぐには頭も身体もうまく動かなかったのは事実だ。

しかし、実際に仕事が始まってみると、その内容はある程度事前にスケジュールが立てられるので、感情の激しい揺れは収まった。むしろ、あまりにも忙しいことにやや閉口気味である(ただし、忙しさによって僕がパニック状態に陥ることはない。パニックになって精神的に恐慌をきたすより、多忙による疲労の方が、僕にとってはつらさが少なく、まだましである)。

そういう事情で、取材や編集などの作業に忙殺され、ほとんど自宅に帰れていないので、息子の顔もろくに見ていない。妻はどうやら、息子について相談したいことがあるような気配なのだが、おそらくはこのところ超多忙になった夫を気遣って、何も言わない。

したがって僕は、ここ2週間あまり、息子に何らかの変化が起こっているかどうかを把握していない。妻が何も言ってこないのは、特に重大なことは起きていないからだろうと自分勝手な推測をしている(妻の辛抱強さと寛容さに甘えているわけで、何とも申し訳ない)。

だからというわけではないが、今回もまた読者からの質問にお答えしたいと思う。まずは前回、回答を保留したあの質問から。ただし、すべての回答が、あくまでも僕の個人的な体験、学習、感想などに基づくものであることは、あらかじめお断りしておく。

僕も自分なりに、いろいろ資料や書籍を読んで発達障害やASDに関する知識を蓄積したつもりだが、当然ながら素人勉強であり、限界がある。厳正なデータや学説や治療を求めている方や、深刻な状況にある方は、きちんとした専門家に当たって頂きたいと思う。

「奥村さんのしつけが間違っていたんですよ」

【30代の主婦・Cさんからの質問】
奥村さんの連載を読んでいて、自分の娘がASDなのではないかと疑い始めています。そこで医師に診断してもらいたいと思っているのですが、どんな先生がいいのでしょうか。奥村さんの基準でOKですので、教えてください。

【奥村の回答】
「家族の言動が、奥村さんや息子さんのそれと似ているので、発達障害かどうか、きちんと診てくれる病院や医師を教えてほしい」という趣旨の質問は、これまでも多くの読者から頂いています。ほとんどの方が、自分のお子さんがASDではないかという疑いを持っており、それにもかかわらずなかなか良い医師に巡り会うことができず、とても苦しんでおられるようです。

その苦しみと悩みを、僕もわかるつもりです。なぜなら僕も、最終的に息子を診てくださることになった先生に巡り会うまで、かなりの数の医師や病院を当たったからです(その辺のことは、あえてこれまでほとんど書いてきませんでした)。

ただし、息子と僕が現在お世話になっている医師や病院の名前は、先方との約束で、残念ながら申し上げることができません。かわりに、多くの医師や病院を当たった経験から、「こんな医師に診てもらうのだけはやめた方がいい」と僕が思う例を二つほど挙げたいと思います。

くどいようですが、Cさんのご質問にもありますように、あくまでも僕個人の基準によるものなので、そのつもりでお読み頂ければと思います。

また、言うまでもなく、医師にもいろいろな人がいます。以下では、僕や他の人たちの経験に基づいて「困った医師」の例を挙げていますが、本当に患者に寄り添って少しでもその悩みを軽減しようと尽力している立派な医師も、当然ながら多く存在します(僕たちが今お世話になっている先生もその1人です)。その点をお断りしておきます。

困った医師① 「お子さんがASDになったのは親の育て方のせいだ」と平気で言う人

日本社会で、発達障害に対する認知度が上がり、理解が多少なりとも進んだ現在、一般人ならともかく、こんなことを言う医師がいるはずがない---。そう考える人が多いと思います。

しかし実際は、平然と「親の育て方が悪いから子供がASDの症状を呈するようになるんだ」といった類の暴言を吐く医師が、悲しいことにある程度、存在するようです。実は、僕も1人、そういう先生に会ってしまいました。

息子や僕自身がASDらしいとわかり、しかし具体的にはどう対処すればいいかわからず、不安な気持ちでいろいろな医療機関を訪ねていた時期のことです。その医師は、一通り息子の言動を説明した僕に、突き放したような口調でこう言いました。

「奥村さん、あなたのしつけが間違っていたんですよ。きちんとしつけをしないから、息子さんがわがままに育ってしまったんです。

今、子供のASDと言われている問題の多くは、それが原因です。まずは、あなたが親として、しつけのやり方を勉強してください」

僕はこの答えに非常にショックを受け、何も言葉を返すことができませんでした。病院を出た後の帰途、心は重く沈み込み、気分が悪くなったほどでした。口を衝いて出るのは「そうか、俺が悪かったのか・・・」という独り言ばかりで、帰宅してからもすっかり思い悩み、食欲も湧きませんでした。

それほどまでに医師の言葉にひどく打ちのめされたのですが、実際は、同じような思いをされた親御さんがかなり多いのではないか。データなどはありませんが、僕はそう推測しています。

自分がASDだとはっきりわかった今、僕は「あの医師が言ったことは間違っている」という確信を持っています。それには、もちろん理由があります。

ASDを含めて発達障害には、まだ医学では解明されていない部分があるものの、先天的か後天的かとなると、先天的なものだという説が一般的です。これは、僕も自分の経験から正しいと思います。

僕の場合、幼児期から、母親の胎内にいたときの記憶を持っていたり、小学校入学の直前までまったく喋れなかったりと、本格的に親のしつけを受ける前、すでにASD特有の言動を顕著に見せていました。なので、親のしつけの悪さによってASDになるとはとても思えません。

暴言を吐かれても、冷静に言い返そう

「親の育て方が悪いせいで発達障害になる」との見方が間違っていると考える理由は、もう一つあります。

僕には2歳下の弟がいます。母は僕たち兄弟を、まったくと言っていいほど平等に、同じように育ててくれました。僕のASD的な言動についてはさほど気にしていなかったようですが、社会生活を送るために必要なことは、厳しく何度も言われ、ときには注意されたり叱責されたりした記憶もあります。他の家庭と比べても、僕が母から受けてきたしつけは、おそらく厳しさという点ではそんなに劣っていないと思います。

でも、子供時代から少年時代にかけての僕は、社会生活におけるルールや、人の気持ちへの配慮といったことがまるで理解できず、周囲との軋轢(あつれき)が絶えませんでした(しかも、そのことに自分ではまったく気づいていませんでした)。そのため周囲からは嫌われ(そのことにも高校生になるまで気づかなかった)、大学で「Numbers研究会」という数学のサークルに入るまで、親しい友達は1人もできませんでした(第15回参照)。

一方、弟は、小学校時代の僕のように、頻繁にうるさく挙手をして授業を妨害したり、バレンタインデーに女子児童たちに「なんで僕にチョコくれないんだよ?」と聞いて回ったり(第10回参照)、といったことは一切しませんでした。口数が多くありませんでしたが、他人を思いやることができる少年でした。僕と違って友達は多く、先生からの信頼も篤かったと両親は話しています

つまり弟は、母から僕とほぼ同じしつけを受けて育ったのに、まったく別のタイプの人間に育ったというわけです(ただし、学校の成績は似たようなもので、小学生時代こそ僕の方がやや勉強はできたものの、中学時代以降は弟も実力をつけ、大学受験のときの偏差値はほとんど変わりませんでした)。もし、親の育て方やしつけのせいでASDを抱えるようになるのであれば、僕だけでなく弟もASDでなければおかしいでしょう。

もちろん、僕たち兄弟という一つの事例だけを根拠に、「親のしつけが子供のASDを引き起こすことは絶対にない」とまで断言するのは行き過ぎかもしれません。しかし、似たような兄弟姉妹のケースを、僕はいくつも知っています。

何の根拠もないのに、「お子さんのASDはあなたの育て方が悪かったせいです」と医師から暴言を吐かれ、深く傷ついた親とも、僕は何人か会っています(僕もその1人だったので、そういうときのショックは身をもって理解しているつもりです)。中には、立ち直れないほどのトラウマを抱えてしまった人もいます。

もし、そんなことを言う医師に運悪く会ってしまっても、怒る必要も傷つく必要もありません。"倍返し"をする必要もありませんが、あくまで冷静にこう言い返して席を立ちましょう。

「ASDが先天的なものだとされているのを、ご存じないのですか? 市販されている本にも書いてありますよ。発達障害について、もっと勉強したらいかがですか?」

患者を助けるより、自著のセールスに熱心なのか

困った医師② 「私の書いた本を読んで勉強しなさい」と説教する人

この発言は、発達障害に関する著書を持つ医師が口にしたものです。僕が、息子のASDについて対策を考える上で何か参考になる本がないかと書店で探していたとき、たまたま目にして購入した書籍がありました。夫婦でそれを読んだ後、妻が息子を連れて、その本の著者である医師の病院を訪ね、診察してもらったときのことです(僕はどうしても都合がつかず、行けませんでした)。

医師は微笑一つ見せぬ憮然とした表情のまま、ほんの数分間だけ息子の様子を観察した後(それも非常に投げやりな感じだったと妻は振り返っていました)、彼女にこう言ったそうです。

「お子さんをどうすればいいかは、私が書いた『○○○○』という本にすべて載っています。それを読めば解決します」

「実は、先生の『○○○○』というご本は主人と一緒に読ませて頂きました」

 医師はまったく動じる様子もなく、すぐにこう返してきました。

「私は『△△△△』という本も書いている。それも読んで勉強しなさい」

「はぁ?」

「院内の売店で売っているから、買って帰りなさい。では、そういうことで」

「・・・・・・」

妻は思わず絶句するしかなかったそうです。

僕は、この医師の対応には二つの問題点があると思います。

一つは、言うまでもありませんが、患者の治療よりも自分の著書のセールスに熱心であること。もう一つは、そもそも子供のASDは、数分だけ観察したところで具体的な傾向などを判別できるものではなく、そのことを医師は当然知っていながら(さすがに知らないことはないでしょう)、妻と息子を素人だと見くびって"手抜き"をしたことです。

日常生活の時間の大半において、息子の言動は、いわゆる"普通"の子供と何ら変わりはありません。話す内容によっては、利発な子供に見えてしまう可能性すらあります。

息子は基本的に、特定の場合にのみASD特有の言動を見せるのです。たとえば、予定していた時間が1分でも守れなくなったときに、いきなりパニックを起こしたり、会話の内容があるトピックに及んだときに、いきなり相手の気持ちを傷つけるような乱暴な言葉を吐いたりするわけです。

一口にASDと言っても、それが表面に現れるときの言動は、人によってさまざまです。僕と息子の間ですら、「他人の感情が読めない」とか「時間に細かくこだわる」といった点を除けば、多くの"症状"が異なっています。だからASDへの対処方法も、人それぞれに異なるのが当然で、医師には、個々のケースに応じた細かい診断と治療法を示すことが求められます。

それだけのことを、わずか数分間だけ子供の言動を観察しただけでできるはずがありません(だから通常、医師はもっと時間を取って患者を診ます)。まして、いつも苦労している親の話をじっくり聞くこともせずに、子供のASDの深刻さを理解することは不可能でしょう。

前述した医師は、発達障害に関する専門的な知識は大学で勉強したのかもしれませんが、発達障害を持つ人間やその家族のことを本質的に理解しているのでしょうか。また、理解しようと努めているのでしょうか。彼が患者を助けるよりも、患者に自著を買わせることに熱心だという妻の報告を思い出すたびに、僕は疑問を禁じ得ないのです。

同時に、こうも思うのです。発達障害が専門の医師であっても、そして、どんなに優秀な医師であっても、自分が発達障害を持っていなければ、それを抱える人間の心理を正確に理解するのは非常に難しいのではないか、と。

だから、これまで数々の病院や医師を経てきた僕は今、基本的に「医師には必要以上に期待しない」と決めています。病院は「自分が息子のためにやっていることが間違っていないと確認する場」に過ぎないと考えているのです。

そのくらいがちょうどいいスタンスだと思いながら、現在も息子を定期的に病院に連れていっています。もしCさんも娘さんを医師に診せることになったとしても、過度に頼ろうとせず、僕のようなスタンスでいた方が、精神衛生上はいいと思います。

周囲の迷惑となる言動は、すぐに「こら!」と叱る

【30代の主婦・Dさんからの意見】
奥村さんの連載を読んでいて、「ASDは個性だ」という言葉に勇気づけられました。私の小学生の息子もASDを抱えていますが、彼が個性の良い部分を伸ばせるように、自分の中で自己肯定感を高められるように育てたいと思っています。

そこで一つ質問です。この連載を読む限り、奥村さんは、ASDを持つ息子さんや後輩S君に対し、いつも冷静かつ論理的に対応しているようです。

しかし、息子さんが周囲に迷惑をかけるような言動を取ったときは、叱らないのでしょうか。叱ったら、本人の自己肯定感を低下させるから、叱らない方がいいのでしょうか。ぜひ参考にしたいので、教えてください。

【奥村の回答】
周囲に迷惑をかける息子の言動があったとき、僕は必ず叱ることにしています。場合によっては、相当厳しく叱ります。息子が1人で勝手に「自分はこういう言動をとっていてもいいんだ」と思い込んでしまうと、成人後、大変なことになるからです。(実際、大変なことになっている大人を何人も知っています)。

もちろん、「叱るだけ」には絶対にしないようにと心がけてもいます。叱ると同時に、「なぜお父さんは君を叱ったのか」「君はどのように周囲に迷惑をかけたのか」「どうすれば迷惑をかけずにすむのか」といった点を、論理的に、噛み砕いて説明するよう努めています。それをしないと、今後の状況が改善されないばかりか、叱られただけの息子はふてくされてしまい、内に籠もってしまう恐れがあります。

どんなに才能ある人間でも、他者と関わらずに生きていくことはできません。僕の親としての最大の義務は、成人した後の息子が、1人で社会生活を営めるように育てることだと考えています。仮に息子が大人になってから、周囲に迷惑をかける言動を取ったとき、「自分はASDだから仕方がない。それよりも周囲がASDへの理解を深めるべきだ」などと言っても何の解決にもならず、誰にも相手にされなくなるでしょう。

ASDを抱えた本人と親が、社会の中で、他者との関わりを大切にすべく相応の努力をしない限り、決して周囲は理解を深めてくれない---。それが、ずっと自分と息子のASDと付き合ってきた僕が出した結論です。

だから僕は、今日も息子が周囲に迷惑をかけたら、それがASD特有の言動によるものであっても、即座に大声で「こら!」と叱ります。そして、これからも叱り続け、その理由を冷静かつ論理的に説明し続けると思います。

〈次回に続く〉

※この連載は原則として毎週土曜日に掲載されます。

~~~~~~~~~~~~~~~

♫ 「息子と僕の~」を読んできましたが、今回の記事はとても参考になると思いました。

私も子供を二人育てていますが、かつて育児書に記載されていた、医師の言葉がわすれられません「ぜんそくは母原病」というのです。母親の育児が問題だとしていて、若い私は、怒りを覚えたのを忘れていません。

医者も完璧ではないのです。患者はそう思い込んでいますが、残念ですが、いい加減な医者も多く存在するのは、確かなようです。

結局はこの著者のように、いくつも病院をあたってたどりついた病院が良かったというのです。

もしかして、貴方のお子さんがアスペルガーだと思っているのなら、特別に診断を必要としなくてもいいのではないでしょうか?

この記事を読んで見て、対処する仕方が解ればいいのですから。

子供の個性だと思って、気楽に育児をしたほうがいいのではないでしょうか?

かつての私も息子の一人に悩んだ母親です、悩まない母親はいませんから。

育児というものは、完璧を目指しては損をします。

見つめるところが、ずれてくるからです。母親のそうした悩みはちょっと脇に置くぐらいの余裕を持つ事です。

そして、子供と向き合って楽しいことを、すること、話をすること、それに尽きると思います。

子供に命令ばかりしないで、「○○君は何をしたいの?」と聞いたりしてみてください。

そして「それ、面白そうだね、一緒にやろうかな。」と話をしたりするのが、いいのです。

子供は愛情を受けて育つべきだと、子供の権利ではないかと、私は思います。

ただ、親がそれが愛情だと思い込んでしまっている可能性があるので、時々立ち止まって

自分を振り返ってみるといいです。そうすれば、自分を修正できます。

みんな育児は初めてだから。2人目3人目も子供の個性が違いますしね。笑。


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2018-07-17 15:26:42
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