アイリス あいりす 

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【創作】父とわたし 番外編 山本五十六と明治維新

2020-08-15 22:10:37 | 創作文

山本五十六と明治維新

 

田舎の小学生だったころ、父と親戚の内科医の先生がお酒を飲んでいる時でした。

ふたりは山本五十六の事を話していたのでしたが、先生と父は、笑いあっていたのです。「な?」と言い、二人で顔を見合わせて笑っていたのです。その時、私がいたので、先生は山本五十六の名前を教えてくれました。「ごじゅうろくと書いていそろくと言うんだ。」

珍しい名前ですから、私は覚えていました。その後授業で教科書にその名前が出てきた時に、びっくりしたものです。

山本五十六は、教科書ではヒーローになっていました。先生と父とのあの五十六を笑った事を、忘れていなかった私は、その違いに困惑しました。

なぜ、先生と父は、あんなふうに笑ったのか、その理由もわかりませんが、そうかと言って、教科書のヒーローが本当で、先生と父は勘違いしているなどとは、少しも思わなかったのです。

中途半端な考えのまま、私は60歳をすぎてから、PCの中で山本五十六について書かれているサイトを見つけました。

そこには、山本五十六はフリーメーソンだったことが、書かれていて、なんだか教科書とは違うもののようでした。私にとっての歴史は、こうしてひも解かれていったのです。

また高校生の時、日本史の授業で、坂本龍馬の話がありました。坂本龍馬といえば、高知県ではヒーローです。その坂本龍馬は、下級武士であったうえに、脱藩していたということなんですが、船に武器弾薬を積んで用意してきたと、教科書にありました。

私は中学生になってから、世界文学全集を毎日読んで過ごしていたために、教科書の中に書かれていない不可解な所があることを、先生に質問をしました。「先生、坂本龍馬が、船に武器弾薬を用意したお金はどこから出たのですか?」と。

ところが、先生はものすごい剣幕で、怒ったのです。「君は明治維新の素晴らしさよりも、お金の方が大事なのか?」と、そして結局はうやむやで授業は終わりました。友人たちは、「先生はきっと知らなかったのよ。」と言って慰めてくれたのですが、この先生は調べることが趣味な先生でした。国会図書館というものがあることも、私達に教えてくれたのです。

慌てた様子の先生に怒られてその後ずっと忘れていましたが、60になる前にこの事を思い出した私は、PCによって調べることができました。そしてそれは、60の手習いとなり、独学にまい進してきました。

坂本龍馬の武器弾薬の資金源を追うと、長崎市グラバーに行きつきました。

長崎市のグラバー邸宅は、若い時に観光に行きました。そのグラバーに由来のある、沢山の秘密が出て来たのです。

それは、日本史の先生の誇張した「素晴らしい明治維新」の秘密そのものだったのです。

 

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