アイリス あいりす 

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【創作】父とわたし 同級生のからかい

2020-02-04 20:23:08 | 創作文

同級生のからかい

小学生の時、登校時は集団登校でした。田舎でも車が行きかう道路を横断する事から、そうなったようです。

近所の小学生があつまり、上級生の言うとおりに整列すると、同じ学年の男子が、いつも私の前にいるのですが、振り向いて「おい!キューピー」とからかうのでした。あの裸のキューピーのことです。

私はそれがいつも嫌でたまらなかったのです。

何日かして、一緒にお風呂に入った時に父にその事を話すと、「どこの子だ?」「OOくんだよ。」「ああ、あの子か、それなら今度言われたら、『なんだい、猿!』と言ってやりなさい。

次の登校時に、私は父に背中を押されたように、勇気を振り絞ってOOくんのからかいをまた受けた時、「なによ‼ サル!」と言い返しました。この時はっきりと覚えていますが、のどに何か引っかかりがあって、それを押しのけるようにして、言葉を発したように思います。ですから、言い返すのにはとても力と勇気が要ったのです。

OOくんはとてもショックを受けた顔をして前をむき、2度とそのようなことを言う事はありませんでした。

 

それから、1年ほどしてからの夏の日のことです。

家の近くの田んぼで、OOくんを見かけました。私は友人と一緒にいたのですが、「OOくん何してるの?」と、以前のことを忘れたかのように、話しかけました。「OOを探している」と虫をさがしているようでした。

そして、遠くから男の子が何人かで、私達をみつけたようで、はやし立てました。それは男子と女子が一緒に遊んでいる事を揶揄する、子供どうしのはやしたてでした。

それでも、OOくんは、怒ることもせずに、気にもせずに「お~い!虫をさがしてんだよ。」と言い放ち、田んぼの中で私達と一緒に、虫をさがしていました。そしてはやした子らも、どこかへ行ってしまいました。

OOくんは、あの日のことを忘れたのかもしれませんが、その日の会話で、私とOOくんは、自然と仲直りできたように思っています。

 

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