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学界ではまだ、「ソフトウェア工学の問題は要求仕様の不備」というのだろうが・・・

2013-06-11 10:00:21 | ネットワーク
 日経BP社が出す資料は、一般に学界の論文などでは、情報源として引用しないと思う。格の低い情報源とされる。同じデータでも、国家、および外郭団体(IPAなど)が出される資料のほうが、正確とされる。
 一方、いわゆる「社長さん」は、日経なんとか大好き!だ。ここで、学界と産業界の意識の差が出る。




 で、今回の御題。

 日経コンピューター2013年5月30日号の120ページ
 読者の声 今号のテーマ システム障害

の右の図、「この1年で遭遇した「システム障害」の要因は何ですか」

を列挙すると(ヒストグラムを上記リストに書き換え)


1.ハードウェアの障害 42件
2.ネットワークの障害 38件
3.運用オペレーションのミス 38件
4.独自開発したソフトウェアのバグ 37件
5.人的リソースやスキルの不足 37件
6.パッケージ・ソフトウェアのバグ 18件
7.システム負荷の増大 17件
8.要求仕様の誤り 14件
9.OSやミドルウェアのバグ 13件
10.その他 4件


となっている。

よく、アカデミックの分野で言われる、「要求仕様の誤り」はかなり低く、
ハードとネットワークの障害が多いのだ。これは、肌感覚にあう。




最近の問題は、ネットワークの問題が多い。
また、ソフトは、まったくの大規模新規開発が少なくなっているので、
たしかに、部分改修や、一部システムの新規開発により、バグは出たとしても、
要件定義レベルの大幅な間違いは起こりにくい。

 学界のソフトウェア工学の場合、SEMATもそうだが、海外からの情報が多い。
 海外と日本の開発はことなり、海外は内製が多いのに対し、日本はSIerが
作ることが多く、SIerは、銀行システム、流通、製造業など分野ごとにセクションを
持っている場合が多い。

 従って、日本の場合は、SIerが、同じ分野の似たような仕事を何回もする
ことがおおい(ERPを何社分もつくったり、いくつもの病院の電子カルテを
作ったり)。
 この場合、はじめの顧客の要件定義に失敗しても、SIer会社は学習し、
要件定義ミスがだんだん少なくなることが予想される(しかし、後の顧客
ははじめの顧客より遅く投入するわけだから、要件定義がよりうまく行っても、
先行者利益は限定的となる。ここにトレードオフがある)

 だから、実務的に考えると、「要求仕様の誤り」が少ない理由はうなずける。




 一方、BYODなどにより、ネットワーク負荷を予測し、新しい機械を導入したり
タブレットなど新しい端末が導入されれば、ハードやネットの障害は増える。
知識不足になることもあるだろう。だから、上記リストの上位も理解できる。





 学界的には、「ハードも、ネットも、運用オペレーションも、全部要求仕様!」
として、要求仕様の問題に帰着させるかもしれないが、そうすると、一般の人の
肌感覚とあわなくなってくるんじゃないかと思う。

 現在は、新規開発より、保守運用が中心であり、
 プログラマ、SE,要求分析者より、インフラエンジニアが勝ち組でモテる時代なのだ!

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