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水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

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2010年10月22日 | 日々のあれこれ
 先日学習した東大の過去問の一節。

 ~ 人に話せない心の秘密も、身体に秘められた経験も、いまでは情報に吸収され、情報として定義される」とウィリアム・ボガードはいう。私たちの私生活の行動パターンだけではなく、趣味や好み、適性までもが情報化され、分析されていく。 … 個人の身体の周りや皮膚の内側とその私生活のなかにあったプライバシーは、いまでは個人情報へと変換され、個人を分析するデータとなり、情報システムのなかで用いられる。 ~

 いま現代文で読んでいる教科書の一節。

 ~ 電話の通話記録、クレジットカードやATM使用、街中の監視カメラなど、「私」の行動は今日、電脳空間に記録され蓄積されている。 ~

 ふと思ったけど、パソコンに入っているデータ、たとえばアマゾンの注文履歴とか、ちけっとぴあの購入履歴とか、メールの内容とか、とんでもない量のデータを総合されたら、一人の人間の姿がうかびあがることはまちがいない。
 宮部みゆきさんに頼めば相当分厚い一冊に仕上げてくれるだろう。
 そこで立ち上がる人間像というのは、はたして自分が思っている「自分」になるだろうか。
 みんなが思っている「自分」になるだろうか。
 興味深さとおそろしさと両方ある。
 以前ならなんに記録にも記憶にも残らないような情報も、電脳空間に蓄積されてしまっている。
 本屋さんでちょっとエロい本を買おうとしたとする。
 もちろん買わないけど。
 でも小心者だから、たぶん内田樹先生の『街場のメディア論』と『漫画好きですが、何か』の間にはさんでレジに出すような気がするのだ。たとえばだけど。
 アマゾンでの注文は、誰にも知られずに注文できているはずなのに、コンピューターを調べられたら一発ではないか。
 犯罪につながるものを購入したように記録を改ざんすることも、その気になればできるだろう。
 本当に『ゴールデンスランバー』の時代になっている。
コメント
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