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水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

団体戦1

2009年07月19日 | 日々のあれこれ
 昨日は、終業式のあと、1年生対象の進路講演会。
 在籍中に数回お話をきくことになる、河合塾の方のお話である。
 数年前に初めておこしいただいた時、その内容のわかりやすさと、生徒をやる気にさせる話しぶりにみな感動し、以来ずうっと来ていただいている方だ。
 聴衆の、つまり大講堂に座った生徒諸君の様子をみながら、その空気にあわせてお話ししてくださるところもたいしたものだと思う。
 だから、その内容や口ぶりから、私たちの生徒の現状も見えてしまう面もある。
 大学受験とはどういうものなのか。今何を考え、何をやらなければならないのか。
 きわめて具体的なお話だったと思うが、みんなが食い入るようにきいている状態とは言えなかった。
 よって、話し手のテンションがあがり、高いレベルの内容にシフトしていくことはなかった。
 1年生だからしょうがないと言ってはいけないが、現状は受け入れなければならない。
 今後、どう育てていかねばならないのかを、教員間でちゃんと話し合わないと、一貫校に追いつくどころか、離されていく一方になってしまう。
 2、3年部員は終業式後、野球の応援にでかけたが、学年主任として当然1学年の方に残り、この現状をしみじみと感じていた。
 午後は、東大キャンパスツアーの引率である。
 はやめに本郷三丁目についたので、初代けいすけという有名なラーメン屋に行ってみようかと思ったが、外で待っている人もいたので諦めて赤門から東大キャンパスは入った。久しぶりに母校の食堂に寄ろうかと思ったのだ。
 うそです。母校じゃありません。
 でも東大本郷キャンパスは、もとは加賀藩の江戸屋敷の敷地だから、白門とも呼ばれる石川門をくぐり金沢城内の大学に通っていた身としては、ゆかりがないわけではない。一人参勤交代である。
 食堂にいくと「みずもち先生ですよね」と声をかけられた。
 数年前に川越東を卒業し、埼玉大を出た後東大の院で化学を勉強しているという。
 東大に足を踏み入れたのは20年ぶりぐらいで、川東OBが東大にいる確率とを考え合わせると、なかなかの奇遇である。
 直接教えたことはないが、自分の代の学年だった。
 数分立ち話をし、懐かしい味のカレーを食べて、集合場所に向かった。
 1年2組の6名とともに、約二時間のキャンパスツアー。
 大学構内をゆっくり歩くなんてほんと久しぶりで、図書館に入ったときは、学生にもどれたらなあと思った。
 「こころ」でKが「私」にひそひそ話をしたのは、どの席かなと思ったりするのも楽しい。
 ツアーの最後に、案内してくれた学生さんが、質問に答えてくれる時間がある。
 この仕事ってバイトなんですかとか、何時間ぐらい勉強しましたかとか尋ねてみた。
 案内役のふたりのうちお一人は開成高校出身で、学校の雰囲気としてふつうに東大を受けるよねという空気があることはよくわかった。予想通りだけど。
 河合塾の方が、「受験は団体戦だ」と最後に力説されていたが、空気作りもそのひとつだろう。
 かといって、やみくもに東大を受けろと叫んでいても、生徒達はひいていく一方であることも予想される。
 自分のやりたいことを見つけ、それができる学部学科をみつけようというきれいごとの指導はしたくない。
 どんな学問をやるにせよ、入れるものなら東大にいって損をすることはないから。
 難しいところだ。
 
 
 
 
 
 
コメント
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