Anisos Vallagarina Bianco Rosi Eugenio 2012
ROSI EUGENIO
ローズィ・エウジェニオ
★これまで続けてきた途方もない実践と検証。そして導き出された最適かつ最小限の介入。
エウジェニオのすべては、数えきれない実験の元に成り立つといっても過言ではない。
トレントの南、ロヴェレート近郊の町ヴォラーノ。
スプマンテの生産やマルツェミーノを代表として昔から盛んに栽培・醸造が行われてきた土地。
とはいうものの、基本的にはスフーゾ(量り売り)の文化であり、多産に適したペルゴラ仕立てのブドウ棚の風景が良く似合う土地。
父のブドウ作りが彼にとってのスタート、そして醸造家としての道を選ぶ。
いかに的確に、効率よく、合理的に、、、そのような言葉ばかりの醸造から解放されるきっかけとなったものは、土地の適性、ブドウ樹の計り知れない可能性を自ら体験したこと。
畑は大小10か所以上に点在し、マルツェミーノをはじめとし、カベルネやメルロー、ノズィオーラ、ピノビアンコ、シャルドネ等を栽培。
しかしそれぞれの畑は細かく寸断され、合わせてもわずか6haにしか過ぎない。
畑の土壌は、この地域全般に言える砂質、粘土質土壌、標高750mにあるBarassaの畑(シャルドネ)やノジオーラ、ピノビアンコの畑は、細かく砕かれた石灰岩が多く含まれており、非常にミネラルに富んでいる。
標高の高さや痩せて岩石の多い特徴が似ていることから「Piccolo Dolomiti」(小さなドロミテ渓谷)と呼ばれている。
栽培に関しては、完全に無肥料にて栽培を行い、使用しているのは極少量の銅と硫黄物(特に銅は6月初めまでしか使っていない)、そして天然由来のハーブやエキス類を粘土と攪拌した調合剤を散布。ほとんどの畑が、農薬などの使用が始まる以前に放棄された土地であることから、一切の薬品類の残留がない土地であること、そして手つかずの森林に囲まれ、複雑な生物環境が保たれていることは、彼の考える栽培に欠かせない要素の一つである。
土地の安定、ブドウ樹それぞれの栽培の安定、畑で起きる目覚ましい成長は、エウジェニオの価値観に多大な影響を与えることとなった。
カンティーナでの作業ではどうすることもできないほどの果実の熟成、樹の健全化は、彼の膨大な経験を凌駕し、新たなる一歩を踏み出させることとなった。
醸造に関して、、、、エウジェニオの考える、そして思いつくほとんどの行為に対して、数えきれないほどの実践と考察を続けてきた、それは異常とも言っていいほど、、、。
それほど彼の探究心に終わりはない。
白ブドウでのマセレーション(果皮浸漬)を行った醗酵の与える効果、そして熟成に至るまでの様々な実験。
醗酵という、ある意味「安定」した状態を維持することで、これまでにない果実の個性・味わいを表現。そして近年、樹齢を重ねたノズィオーラが、エウジェニオの想像をはるかに超える伸びしろを持っていたこと、結果ノズィオーラの成長とともにワイン自体がひとまわり大きくなり、2010、2011と圧倒的な成長を見せてくれた。さらにそれぞれの品種が、驚くほど緻密に組み上げられたビアンコ、アニーゾス。
ペルゴラという仕立ての良さを十分に引き出し、弱さをしっかりと補うべく改良した仕立ては、樹上での長期間の熟成を可能にした。
収穫後マセレーションを行いつつ野生酵母による醗酵を行い、果皮と接触していることで非常に安定した状態で熟成。
マルツェミーノの持つ果実的デリケートさと柔らかさを十二分に感じさせてくれるポイエーマ。
これまでの彼には感じられなかった圧倒的なポジティヴさ、素直すぎる飲み心地と飾りっ気のない果実。
完全に一皮むけたエウジェニオを感じられる味わい。
対照的に、ドーロンはマルツェミーノの持つタンニンのしなやかさと、果実の甘味を表現。3か月に及ぶアパッシメント(ブドウの影干し)の後、除梗せず90日を越えるマセレーションを行い、野生酵母による醗酵。
十分な果実的甘味と柔らかなタンニン、繊細な奥行きをもつ。
50日を越えるマセレーション、十分すぎる奥行きと骨格を持つにもかかわらず、カベルネ・メルローらしからぬ圧倒的な果実感としなやかさをもつエゼジェズィ09。
十分な果実の凝縮とタンニンを感じつつも、素晴らしい飲み心地と余韻、強さだけではないエレガントさ、しなやかさを感じる。
ロザートは偶然から生まれた産物でありつつ、彼らしさに溢れたワイン。
偶然から生まれた産物でありつつ、彼らしさに溢れたワイン。
エセジェジィの畑で収穫前、雹によって傷ついてしまった一区画のブドウをマセレーションせずに圧搾、野生酵母による醗酵を行ったロザート。
しかし、ロザートが持っている一種の不安定さ(果皮のアントシアニンの保護もなく、白ブドウの持っている抗菌作用もないということ)、これを補うために行ったこと、それはバッラルサ(標高750mの畑)で収穫したシャルドネを中心としたヴィナッチャ(圧搾の終った果皮・種)を加えるという驚くべき手段、、、、。
1か月に及ぶ白ブドウ(果皮のみ)のマセレーション。結果、非常に不安定であるはずのロザートの醗酵過程を、白ブドウの果皮で守ること。
結果、驚くほどの安定を手に入れた。それでいて、もの凄いバランス感のあるロザートが生まれることとなった。
そして09.10.11という3つのヴィンテージを組みあわせるという荒業によって誕生したカベルネフラン。
マセレーションだけではない、酵母による保護を最大限利用した奇抜すぎる手法。
圧搾後は極力酸素との接触を避けつつ、そこに翌年のヴィンテージを加える。
(結果、樽の中で眠っていた酵母が活性化し、その分酸素から耐えられる期間が伸びるという事につながる)、これを3回繰り返した結果、SO2の添加を極端に減らすことができる。
強烈な土地環境(強い砂質、自根による植樹)で収穫したカベルネフラン、その繊細な香りを十分に尊重した結果、ヴィンテージをなくすという手段に踏み切るという大胆さ。
エウジェニオの探究心と、尽きることのない実験。
彼以外には決してできない唯一の、そして素晴らしい存在感を持ったワインを造りだす。
エヴィーノさんの資料より
DOCアニーゾス2012
*今年も本当に美味しい!よりドライに!より複雑に!キレよく!
先行して切れ上がるミネラルのハーブ感に追いつく様に柔らいシトラスや花梨の酸や蜜が口一杯に広がります。
程良い粘度がフィニッシュまで続き、余韻の軽く反り上がるキレは抜群の美味しさ!
ノジオーラ、ピノ・ビアンコ、シャルドネ。
樹齢30年~。
収穫後、それぞれマセレーションした状態で野生酵母による醗酵を促す。
圧搾後、500Lの木樽にて1年間熟成、 醸造過程でSO2は完全無添加、ノンフィルターにてボトル詰め。
1/20/2016試飲
ドライ感のある2012年はとっても複雑でエレガント、品の良い粘度感とミネラルからくる鉱物的な心地良い苦みとのバランスに鼻から抜ける蜜の心地良いボリューム感は強過ぎず、何とも言えず、高貴で品があります。
本当に美味しい!
インポーターはエヴィーノさん 12本
(MORITAYAより)
http://d.hatena.ne.jp/akirais/20160824/1471998581
ブレリアスにて
抜栓日:2016年8月23日
やや濃い目の色合い。アンバー系。濁りあり。粘性は中程度。
第一印象はビオ系の香りと酸化的ニュアンス。ナチュールはわかります。酸や味わいは優しい印象。参加者さんは「シャルドネのニュアンスを感じる」と数名の方はおっしゃっていました。自分には全然わかりません。自然派のシャルドネ、と言われてもあまり経験多くないし、品種特性をうまく捉えられないんです。落ち込みます。
体にしみるタイプのワインであることは間違いないです。
ROSI EUGENIO
ローズィ・エウジェニオ
★これまで続けてきた途方もない実践と検証。そして導き出された最適かつ最小限の介入。
エウジェニオのすべては、数えきれない実験の元に成り立つといっても過言ではない。
トレントの南、ロヴェレート近郊の町ヴォラーノ。
スプマンテの生産やマルツェミーノを代表として昔から盛んに栽培・醸造が行われてきた土地。
とはいうものの、基本的にはスフーゾ(量り売り)の文化であり、多産に適したペルゴラ仕立てのブドウ棚の風景が良く似合う土地。
父のブドウ作りが彼にとってのスタート、そして醸造家としての道を選ぶ。
いかに的確に、効率よく、合理的に、、、そのような言葉ばかりの醸造から解放されるきっかけとなったものは、土地の適性、ブドウ樹の計り知れない可能性を自ら体験したこと。
畑は大小10か所以上に点在し、マルツェミーノをはじめとし、カベルネやメルロー、ノズィオーラ、ピノビアンコ、シャルドネ等を栽培。
しかしそれぞれの畑は細かく寸断され、合わせてもわずか6haにしか過ぎない。
畑の土壌は、この地域全般に言える砂質、粘土質土壌、標高750mにあるBarassaの畑(シャルドネ)やノジオーラ、ピノビアンコの畑は、細かく砕かれた石灰岩が多く含まれており、非常にミネラルに富んでいる。
標高の高さや痩せて岩石の多い特徴が似ていることから「Piccolo Dolomiti」(小さなドロミテ渓谷)と呼ばれている。
栽培に関しては、完全に無肥料にて栽培を行い、使用しているのは極少量の銅と硫黄物(特に銅は6月初めまでしか使っていない)、そして天然由来のハーブやエキス類を粘土と攪拌した調合剤を散布。ほとんどの畑が、農薬などの使用が始まる以前に放棄された土地であることから、一切の薬品類の残留がない土地であること、そして手つかずの森林に囲まれ、複雑な生物環境が保たれていることは、彼の考える栽培に欠かせない要素の一つである。
土地の安定、ブドウ樹それぞれの栽培の安定、畑で起きる目覚ましい成長は、エウジェニオの価値観に多大な影響を与えることとなった。
カンティーナでの作業ではどうすることもできないほどの果実の熟成、樹の健全化は、彼の膨大な経験を凌駕し、新たなる一歩を踏み出させることとなった。
醸造に関して、、、、エウジェニオの考える、そして思いつくほとんどの行為に対して、数えきれないほどの実践と考察を続けてきた、それは異常とも言っていいほど、、、。
それほど彼の探究心に終わりはない。
白ブドウでのマセレーション(果皮浸漬)を行った醗酵の与える効果、そして熟成に至るまでの様々な実験。
醗酵という、ある意味「安定」した状態を維持することで、これまでにない果実の個性・味わいを表現。そして近年、樹齢を重ねたノズィオーラが、エウジェニオの想像をはるかに超える伸びしろを持っていたこと、結果ノズィオーラの成長とともにワイン自体がひとまわり大きくなり、2010、2011と圧倒的な成長を見せてくれた。さらにそれぞれの品種が、驚くほど緻密に組み上げられたビアンコ、アニーゾス。
ペルゴラという仕立ての良さを十分に引き出し、弱さをしっかりと補うべく改良した仕立ては、樹上での長期間の熟成を可能にした。
収穫後マセレーションを行いつつ野生酵母による醗酵を行い、果皮と接触していることで非常に安定した状態で熟成。
マルツェミーノの持つ果実的デリケートさと柔らかさを十二分に感じさせてくれるポイエーマ。
これまでの彼には感じられなかった圧倒的なポジティヴさ、素直すぎる飲み心地と飾りっ気のない果実。
完全に一皮むけたエウジェニオを感じられる味わい。
対照的に、ドーロンはマルツェミーノの持つタンニンのしなやかさと、果実の甘味を表現。3か月に及ぶアパッシメント(ブドウの影干し)の後、除梗せず90日を越えるマセレーションを行い、野生酵母による醗酵。
十分な果実的甘味と柔らかなタンニン、繊細な奥行きをもつ。
50日を越えるマセレーション、十分すぎる奥行きと骨格を持つにもかかわらず、カベルネ・メルローらしからぬ圧倒的な果実感としなやかさをもつエゼジェズィ09。
十分な果実の凝縮とタンニンを感じつつも、素晴らしい飲み心地と余韻、強さだけではないエレガントさ、しなやかさを感じる。
ロザートは偶然から生まれた産物でありつつ、彼らしさに溢れたワイン。
偶然から生まれた産物でありつつ、彼らしさに溢れたワイン。
エセジェジィの畑で収穫前、雹によって傷ついてしまった一区画のブドウをマセレーションせずに圧搾、野生酵母による醗酵を行ったロザート。
しかし、ロザートが持っている一種の不安定さ(果皮のアントシアニンの保護もなく、白ブドウの持っている抗菌作用もないということ)、これを補うために行ったこと、それはバッラルサ(標高750mの畑)で収穫したシャルドネを中心としたヴィナッチャ(圧搾の終った果皮・種)を加えるという驚くべき手段、、、、。
1か月に及ぶ白ブドウ(果皮のみ)のマセレーション。結果、非常に不安定であるはずのロザートの醗酵過程を、白ブドウの果皮で守ること。
結果、驚くほどの安定を手に入れた。それでいて、もの凄いバランス感のあるロザートが生まれることとなった。
そして09.10.11という3つのヴィンテージを組みあわせるという荒業によって誕生したカベルネフラン。
マセレーションだけではない、酵母による保護を最大限利用した奇抜すぎる手法。
圧搾後は極力酸素との接触を避けつつ、そこに翌年のヴィンテージを加える。
(結果、樽の中で眠っていた酵母が活性化し、その分酸素から耐えられる期間が伸びるという事につながる)、これを3回繰り返した結果、SO2の添加を極端に減らすことができる。
強烈な土地環境(強い砂質、自根による植樹)で収穫したカベルネフラン、その繊細な香りを十分に尊重した結果、ヴィンテージをなくすという手段に踏み切るという大胆さ。
エウジェニオの探究心と、尽きることのない実験。
彼以外には決してできない唯一の、そして素晴らしい存在感を持ったワインを造りだす。
エヴィーノさんの資料より
DOCアニーゾス2012
*今年も本当に美味しい!よりドライに!より複雑に!キレよく!
先行して切れ上がるミネラルのハーブ感に追いつく様に柔らいシトラスや花梨の酸や蜜が口一杯に広がります。
程良い粘度がフィニッシュまで続き、余韻の軽く反り上がるキレは抜群の美味しさ!
ノジオーラ、ピノ・ビアンコ、シャルドネ。
樹齢30年~。
収穫後、それぞれマセレーションした状態で野生酵母による醗酵を促す。
圧搾後、500Lの木樽にて1年間熟成、 醸造過程でSO2は完全無添加、ノンフィルターにてボトル詰め。
1/20/2016試飲
ドライ感のある2012年はとっても複雑でエレガント、品の良い粘度感とミネラルからくる鉱物的な心地良い苦みとのバランスに鼻から抜ける蜜の心地良いボリューム感は強過ぎず、何とも言えず、高貴で品があります。
本当に美味しい!
インポーターはエヴィーノさん 12本
(MORITAYAより)
http://d.hatena.ne.jp/akirais/20160824/1471998581
ブレリアスにて
抜栓日:2016年8月23日
やや濃い目の色合い。アンバー系。濁りあり。粘性は中程度。
第一印象はビオ系の香りと酸化的ニュアンス。ナチュールはわかります。酸や味わいは優しい印象。参加者さんは「シャルドネのニュアンスを感じる」と数名の方はおっしゃっていました。自分には全然わかりません。自然派のシャルドネ、と言われてもあまり経験多くないし、品種特性をうまく捉えられないんです。落ち込みます。
体にしみるタイプのワインであることは間違いないです。