ドウン・ラン・ジーはミャンマー中央部マンダレー地方の郷土料理です。
現在は竹で編んだ円卓状のお盆に各種の料理を盛った小皿をのせて客に供しますが、古くは大皿にいろいろな料理を盛り付け、家族がそれを囲んで好きなものを小皿にとる、楽しい食事を意味したらしい。
マンダレーで食べたドウン・ラン・ジー。これにご飯とスープが付きます。お替り自由。
長崎の卓袱(しっぽく)料理も円卓を囲んで摂る食事です。「しっぽく」という言葉はもともと「たくさんの具」という意味だそうで、起源は多くの種類の食材を盛り合わせた大皿にあるようです。
四角い卓であれば、自然と上座・下座の関係が生じてしまいますが、円卓ならばどの席に着いても中央に置かれた料理からの距離がほぼ等しくなり、客同士の力関係が緩和され、自由な雰囲気で楽しく食事をする機会となります。
それに急なお客で参加人数が増えた時なども、大皿で食べていればうまく対処できそうです。わけっこして楽しむ賑やかな食卓。
マンダレーの家庭料理のスタイルがはるばる日本に伝わり、伝統的な「銘銘膳(めいめいぜん)」と呼ばれる一人前コースから、より自由な雰囲気の大皿一緒盛りコースが主流になっていった、と考えるとなんだか楽しい。
なによりミャンマー語の「ドウン・ラン」が、親しいヒトタチが集って楽しむことを意味する日本語の団欒(だんらん)という言葉のもとになったのですから。
なーんて書くと、あなたは信じちゃうかもしれないけどこれは完全なウソッパチでありました。
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