やっつけ映画批評!

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お伝えするやっつけ映画批評!

フリーソロ 2019 80点

2020-01-30 06:59:26 | 映画
フリーソロ 2019
80点

命綱無し、パラシュート無しで
断崖絶壁クライミングに挑んだ青年の記録...




第91回アカデミー賞長編ドキュメンタリー映画賞受賞作です

ドキュメンタリーのジャンルが抱える
継ぎ接ぎ編集感、エンタメ性の低さ
といった問題は感じず

とても映画的な
というかそこらへんのエンタメ作を語る映画の何十倍も楽しめました


素手で山というか岩にしがみつきながら
頂上まで延々とよじ登っていくスタイルの
クライミングの基礎知識から始まり

難しいポイント
難所の紹介とそれの打開策というか
難所のコツみたいなのを
初心者にも分かるように説明してくれるし

山全体を引きのショットで写しながら
具体的なルートも示してくれるという

知らない人にもクライミング業界の
ディテールがビンビンに伝わる
とてつもなく親切な設計で

じゃあ
いまのは命綱アリで練習してましたけど
同じルート安全装置無しで登りますからね〜

はーい
ここさっき練習で何回も失敗したとこですよ〜

の超エキストラハードモードに切り替わる
超スパルタスポ根要素がガッツリありつつ

彼の恋人?パートナーが彼を愛する理由

そもそも彼が文字通り命をかけて
クライミングをする理由

そして撮影班が彼を撮影する理由と

色んな理由探しという
濃厚なヒューマンドラマもあって

隅々まで楽しめましたし
とんでもない量の手汗握らせていただきました


本物の命懸けのスポーツと
それによる心のうねりが
高次元で合わさった
大傑作スポ根スリラー映画でした!


アメリカンアニマルズ 2019 65点

2020-01-28 22:42:04 | 映画
アメリカンアニマルズ 2019
65点


図書館の高額な本を盗もうとする学生たち...





実際に映画で起こる出来事を
こなした人達によるインタビューで
過去を振り返りながら

回想として
役者が学生時代を演じるという
超トリッキーな構成となっておりました


学校の図書館にあるでかい本を盗む
っていうオーシャンズ11の1/1000くらいの
スケールのケイパーものなんですが

実際にやった人間のインタビュー
頼りがいのない素人学生連中
次々に起こるアクシデントと

超地味楽勝犯罪のはずなのに
それらの要素が
うまいこと絡まり重なり
とんでもなく
スリリングな事態になっていくのは

あまりに馬鹿すぎるんですけど
馬鹿すぎるがゆえの余裕のなさなんですが

そこらへん楽しめました


栄光話に本人登場はよくありますが

こういった犯罪行為
ネガティブな行為に本人登場というのは
物凄く新鮮味ありましたし

ドキュメンタリーというか
再現VTRというか
そこらへんをぼかしながら進む

真実は
彼らのセリフからではなく

表情から読むしかない

っていうのは監督腕あるなあ〜と
感じました


ただ
やっぱり計画が弱すぎて面白くないっていうのと
計画の弱さによる盛り上がりの弱さがあるので

すこし退屈にも感じましたが


この映画でしか味わえない
実際に事件を起こした人にインタビューしながら
の手法にすごい威力を感じられるダメダメ
ケイパーもの映画でした〜

アップグレード 2019 55点

2020-01-27 09:00:14 | 映画
アップグレード 2019
55点

体にチップを埋め込んだ復讐に燃える男...





ソー、ソー2、ソー3
の脚本家のリー・ワネルが監督を務める
バイオレンスアクション映画です


AIチップを埋め込んで復讐する
という厨二病設定も

未来設定
自動運転とか、ドローンでの監視カメラとか

未来設定が胡散臭いんだけど
なんか楽しくて
この世界観なかなかよかったです

AIと一緒に戦うアクションシーンは
ドラッギーなカメラワークと
メカメカしい格闘技とで
それも楽しく見れました


バキバキの監視社会
ゴリゴリのハイテク社会にも関わらず
「この店はインターネットに掲載されてない店だな」
とか
「監視カメラドローンが来る前にうんたらかんたら」
とか

結構ツッコミどころもあって、
もう少しインターネットとの付き合い方
監視社会の向き合い方

あたりこれからの課題に
何かしらの意見は欲しかったです


終盤のアレもなんだかめんどくさいし
格闘シーンも序盤の方が盛り上がるしと

失速気味に終わってしまった
SFアクション映画でした

無双の鉄拳 2019 70点

2020-01-26 09:35:51 | 映画
無双の鉄拳 2019
70点

嫁を取り戻そうとするマドンソク...




OLさんの太ももよりも
太い腕周りでお馴染みのマドンソク主演の

大切な人を取り戻せ型アクション映画です


ささやかで静かな日常に
忍び寄る危険な空気がまず上手くて

冒頭20-30分ほとんど何も起きてないのに
その危険な空気感だけで
かなり面白かったです

夫婦の関係、パワーバランスなんかも
繊細に伝わって来るのも良かったです


そこからは
ベタベタな人探し展開にはなるんですが

時にはベタに
時には腕力で
少しずつ真実に近づいていく感じは
意外性はほとんど無いんですが
飽きずに見れました


ただ
ここらへんは好みの問題なんですが
腕力アクション意外のアクション

たとえば勤務先の魚市場の仕事道具を使ったアクションとか
見たかったですし

もうちょっとクセの強い敵キャラも
いても良かったかなあとも思いましたし

なにより
韓国映画ならではの
胸糞シーン、バイオレンスシーンを
求めてしまった自分もいたので

そこらへんもう少し欲しかったなあとも
思いました

ただ胸糞感はあまりないので
間口の広い作品にはなっていますが...


マドンソク兄貴の腕力と力が存分に
見れるアクション映画でした


プロスペクト 2019 65点

2020-01-20 00:54:02 | 映画
プロスペクト 2019
65点



父親と謎の星に着陸した娘...






こじんまりとした宇宙SF作品です

AIバキバキのハイテク宇宙船路線ではなく
アナログ操作の宇宙船の感じ

全然強くない鉄砲?レーザービーム?
だったり、
布感がめっちゃある宇宙服とか
応急処置ほんとにできんのそれ?
え?その応急処置ほんとに大丈夫?

みたいなレトロ感満載の宇宙ガジェットの
数々が逆に新鮮に感じました


そんでこの映画
めちゃめちゃ良いのが

もちろんこの作品で映画初出演の
激かわいいソフィータッチャー
エマ・ワトソン、エルファニング系の
可愛さのある
ソフィータッチャーが拝めることとか

開始20分で何が起こるのか全く予想できない
話にもってくストーリーテリングとか

も褒めたいんですが

この映画の魅力は
なんと言っても
語りすぎない、説明しすぎない
静かさだと思いました

宇宙船の設定、ガジェットの設定
謎の星の設定、
謎の星で採掘できる鉱石の設定、
登場人物の過去の設定

などなど
説明すればいくらでも説明できる設定を
ほとんど説明せず

観客にそれらの意味を委ねてくれてる
信頼してくれてる感じがとても
良かったです


ほんとに
説明は必要最低限で
観客に色々と想像させる余地を残す
わざと余白を作ってくれてるのは

説明ゼリフに飼い慣らされた
日本人にとって貴重な体験だったと
思いました

アナログ感満載の宇宙ガジェット
先読みできない美少女主演のストーリー
そして
観客に色々と委ねられた情報量の想像が

楽しめる掘り出し物感満載の
SFアクション映画でした〜