やっつけ映画批評!

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簡潔に魅力(たまに罵詈雑言)を!
お伝えするやっつけ映画批評!

鈴木家の嘘 2018 75点

2019-08-31 22:40:31 | 映画





引きこもりの兄を抱える妹と
両親の四人家族...




松竹ブロードキャスティングの
オリジナル映画プロジェクトの第6弾

監督脚本は今作がデビュー作の
野尻かつみさん
44歳です


ごく普通の家族が
ある嘘をついたことで
みんなで嘘をつき続けなければならなくなる

という
大きな嘘をつくと、
小さな嘘を30はつかないと
いけないみたいな
話になっていくのが面白かったです


家族を守るための大きな嘘を
守るための小さな嘘が

積み重なり高く高く嘘が登っていくような

この嘘のタワーは、
誰がいつどこでどう壊すの
それとも守り通せるのっていうスリルは

地味な話ですが
かなりヒヤヒヤさせられました


そして
その積み重ねていく小さな嘘には
過去に誰かがついた嘘なんかも
紛れ込んでたりもするので

そこらへんも
うまいなーと
感心しながら見てました


個人的には
母親のつく嘘がぶっささりました

僕にも根暗な弟がいるんですが

母親がたまに語る弟像は
僕の知ってるものと随分かけ離れていて

毎回ドン引きしちゃうんですけど

そんなことは母親、
百も承知なんですよね
おそらく

けれど、
その家族の虚像を作らないと
母親としていられない

っていう、自分を守るために
わざと
嘘をついてたりもするんじゃないかなと


だから

この映画の嘘は

家族を守る嘘、自分を守る嘘
知らない嘘、知ってる嘘と

色んな種類の嘘が混ざりあって
という

嘘のグラデーションが
非常に濃密でした


ちょっと長いですが
嘘をついたことがある人にはささる
日本人的な機微に溢れた家族映画でした






二百三高地 1980 70点

2019-08-31 07:52:07 | 映画


#二百三高地 1980
65点

「日露戦争奇跡の勝利」と聞こえはよいが、圧倒的無駄死に、馬鹿過ぎる大和魂、根性論精神論などの「無能な日本」は令和になっても絶賛継続中...!

外人の死を重く、日本人の命の価値の軽さを延々と描く地獄天丼展開は...明日は我が身かも

日本をもっと嫌いになれる185分

来る 2018 70点

2019-08-30 20:44:49 | 映画


来る 2018
70点


アレの恐怖に脅える
妻夫木聡と黒木ハルの新婚夫婦...





告白の中島哲也監督作品です

沢村いちさんの小説が原作です


怖いというより
とにかく不気味な
いやらしいスリラー映画でした

映画のテイストの変化、時間の経過、
そして視点転換が
とにかく楽しくて不気味で

なおかつ情報量が豊富で
2時間14分、物凄いカロリーを
持っていかれました

前半部の
超糞イクメン野郎、妻夫木聡への胸糞
限界突破スレスレ新米母親、黒木ハルの

日本のどこかで確実に起きている
核家族の静かな悲劇という

怖さだけでも相当やばいのに

それに忍び寄る
アレ、という恐怖が

掛け算的に合わさって
えげつのない不気味さを味わえましたし


とんでもない斜め上の
終盤と見応えたっぷりでした


そして

映画を通じて描かれる



様々な「仕切り」の表現が
非常に楽しめました

部屋の部屋や壁はもちろん、
カーテン、カラオケのドア、
お店の窓、ガラス
など
至る所に

空間と人の心を区切る仕切りの演出が
施されていて

結界とか

なんなら人間の本質を心とするならば
肉体も仕切りですし


一貫して


窓を閉めていたはずの部屋に
虫が入ってくる恐怖

自分の仕切りに何かが入ってくる恐怖が
繰り返されていたように感じました


だからこそ
仕切りを超えて入って来たものを
受け入れてしまった者の異質さが
際立つ終盤は

映画の中だけで完結するものではない
今に続く
生きてる怖さなんかがありました


足せるもの全部足しました
というエンタメジャパニーズホラー映画でした

ハンターキラー 潜行せよ 2019 65点

2019-08-27 22:21:13 | 映画


ハンターキラー 潜行せよ 2019
65点


極秘任務につく
原子力潜水艦艦長のジェラルド・バトラー




アメリカの国防総省と海軍の全面協力

リアルガチな現役潜水艦を
2日間解放してもらって撮影を行ったという

興行収入こそ大コケしてますが
なかなかの力作映画でした


潜水艦内のリアルさはもちろんのこと

敵対する潜水艦との攻防
対潜水艦用の兵器への対処など

潜水艦の中、水中で行われるアクションの
迫力もさることながら


別の地上部隊の活躍、暗躍も
なかなか楽しめました


ストーリーもベタながらも
ありそうでなかった設定

主人公の乗る潜水艦の安否が
戦争の引き金になっちゃうのかもの
スリルは結構よくて

ピンチの度ハラハラしてしまいました


ただ
さすがにこれはないだろっていう
潜水艦のモンキーターンとか

そもそも音がデカいという原子力潜水艦の
艦内で
乗組員たちが音センサー対策に
息を潜めるのってどうなのとか

結構気になるところもあって
なーんかこう乗れない部分もありました


そもそも
登場人物が全体的に薄いし
説明的なセリフ、
安易なセリフが多かったりと

潜水艦とかのハード面の頑張りは
伝わってくるものの

そういった人物描写とかのソフト面の
ぬるさで全体的な満足度は低めです


それでも
敵の敵は味方的な展開はやっぱり燃えるし
そもそも
国を守るってなんだろう、
人との信頼ってなんだろう

と意外にも考えさせられるところもある


そこそこに面白い潜水艦映画でした~



キングコーン/世界を作る魔法の一粒 2007 55点

2019-08-27 08:15:19 | 映画


キングコーン世界を作る魔法の一粒 2007
55点


とうもろこしを作り始める若者2人...



アメリカでのとうもろこしの作付面積は
日本の国土とおなじ面積ですが

そこで作られるのは食べれる
とうもろこしではなく

虫が食べないよう
農薬で枯れないよう遺伝子組み換えされた
デントコーンという
加工用のミュータントとうもろこしで


加工に加工重ねて
ほとんどのお菓子、ジュースに入っている
甘味料になったり
シリアルになったり

畜産用の餌になったり


とか
ミュータントとうもろこしを
口にしない日はない
といった現状がアメリカにあることついで




1キロ12円でしか売れない
とうもろこし農家の
自転車操業感、
というより国から補助金を
貰わないとやっていけない
きな臭い実態を見せつけられます



とうもろこしの闇にどっぷり浸かり
見えてくる真実

国のお偉いさんが吐き出す綺麗事
圧倒的経済効率のみを考えた
美しいロジックに
みんな騙されてるんだろうなあとも


そして、なにより
「ミュータントとうもろこしを食べ続けると親より早く死ぬ」
という
極論に聞こえるような事実が見え隠れする


そんな
ミュータントとうもろこしが
どっかの馬鹿で間抜けな
愛国者気取りの人たちのおかげで

日本にやってきます

ついでに食肉も他も色々と


何も知らないと早死します

という
とうもろこし映画でした