任侠学園 2019 70点

任侠学園 2019 120

70点

高校を経営することになったヤクザ...

原作は2007年に発刊されて

コンノビンさんの同名小説

監督はどちらかというとドラマ畑出身の

木村ひさしさんです

ヤクザが高校の立て直しをはかる

というトンデモ設定ですが

ヤクザたちが普通にいい人たちなので

安心して見ていられました

一見なんの問題もないようにみえる高校で

起きる色んな問題に対して

ヤクザたちが親身になって

トラブルを解決していくさまは

とてもロジカルに感じられましたし

ときおりみせる任侠ギャグは

どれも笑わせていただきました

特に夜中に生徒を叱る場面は

いかにもヤクザなやり方で

ちょっぴりバイオレンスなんだけど

めちゃくちゃ生徒に響くっていうね

あのシーンはめちゃくちゃ

良かったと思います

あとあと

高校経営と高校の問題児とか

結構風呂敷の広げ方が大胆で

これ、2時間で終わらないんじゃないの？

駆け足なっちゃうんじゃないの？

って1時間くらいのとこで

思ってたんですけど

意外や意外

選択と集中で

経営にも問題児にも

ヤクザの抗争要素が絡んできて

きれーに風呂敷を畳んでくれたなっていう

感じで満足度はなかなか高めでした

任侠と学園モノのギャップの

生み出すコメディが心地よい

任侠学園映画でした〜

初恋 2020 80点

初恋 2020 115分

80点

ヤクザの抗争に知らず知らずに

巻き込まれた、天才ボクサー

作品のクオリティバラつきありすぎな

三池崇史監督のオリジナル作品です

なんと初の恋愛映画ということです

ヤクザの裏切りの計画からはじまる

敵対組織との抗争と

窪田正孝演じる

天才ボクサーとある少女との出会いという

別々の話が徐々に

交錯衝突融合していき

任侠映画でもあり

恋愛映画でもあり

アクション映画でもあり

そして

コメディ映画でもあり

と

物凄い熱量情報量で

ストーリーが展開していき

変身していく様子は非常に

見応えがありました

特にコメディセンスが良くて

ヤクザ内でのヘビーな会話だったり

キレっキレのアクションの最中の

スパイスとして

超良質なコメディが散りばめられていて

ヤクザで怖いんだけど笑える

アクションがかっこいいんだけど笑える

みたいな

ひと粒で二度おいしいみたいな

複雑な味わいはとても楽しめましたし

ついで

また

任侠映画にどこか感じるチープさに

本気度の高い邦画の持つグラマラスさが

高い次元で融合されていて

これはまた

ある程度の大人であれば

万人受けするだろうっていう

間口の広さ、エンタメとしての機能の豊富さ

なんかを感じられました

なんだか

当たりにムラがある

三池監督ですが

今作は間違いなくホームラン級の

ノンストップアクションコメディ恋愛

映画でした〜

王様になれ 2019 65点

王様になれ 2019 114

65点

カメラマンになりたいけど

ラーメン屋で働いてる青年に

あるチャンスが回ってくる...

The pillowsの30周年記念企画として

制作されたオリジナル映画です

ピロウズとはどんなバンドだったのかを

後世に伝える手段として。

ストーリーを通してピロウズが如何に多くの人に愛されてきたのかを伝えていきたい

とpillowsボーカル山中さわおさんが

原案を担当しています

the pillowsの

他にも誰しもが知ってる

あの有名アーティストや、

知る人ぞ知るバンドマンが

本人役で

出てきて

結構ガッツリ1曲歌い上げるので

pillows好きはもちろん

ロキノン系好きな方は一見の価値ありだと

思いますし

ストーリーも

冴えない20代後半の青年が

音楽と出会い、

自分の諦めかけてた夢を再び

追いかけ始める

っていう

青春要素もあるので

そちらもなかなか楽しめます

が

やはり

残念ながら僕は

the pillowsの

楽曲をちゃんと聞いてこなかったので

ACIDMAN、ストレイテナーから始まって

インストバンドのほうに行っちゃった

僕は、

正直、うーん

悔しいんですけど、

劇中で流れるthe pillowsの楽曲は

思い入れも思い出もなかったので

そこまで、胸が熱くなるってことは

なかったです

ただ

音楽がきっかけで

再び夢を追いかけ始める

新しい恋が始まる

そんな

誰にも奪えない

人間のエネルギーに満ちた

ドキュメンタリーとフィクションの

間のような青春音楽映画でした

サムワングレート 輝く人に 2019 65点

サムワングレート 輝く人に 2019 92 NETFLIX

65点

長年付き合った彼氏と別れた女性...

NETFLIX配信限定の

ラブコメというか

どちらかというと

恋愛を通じた人間の成長を描いた

ヒューマンドラマです

失恋した主人公の話をメインに

主人公と

大学時代のふたりの女友達 の

3人の恋愛観、人生観を

うまーく展開していくのは

大きな盛り上がりこそありませんが

とても楽しめました

彼氏と別れた陽気な女性

ふわふわした金髪女性

LGBTの黒人女性

と個性のまるで違う友達3人が

抱えるそれぞれの問題に対して

それぞれが一応の答えを出すんですけど

これが正解！最高！

この選択が人生の幸せ！

みたいな

ハッピーなだけの終わりではなく

これでよかったんだろうか

的な大人ビターな着地が

個人的に

めちゃくちゃよかったと思いますし

恋愛に対する

しんどい部分、

恋愛したことで傷ついた心が

どういう動きをするか

何をした時になにを思い出すのか

的な

失恋の1番しんどい部分を

時間軸をシャッフルしながら描くのも

すごく良かったと思います

あとあと

たぶん

この3人、これから

歳を重ねるにつれて、会う回数が

減って行くんだろうなあ

結婚して子供できたりしたら

価値観も結構合わなくなってくんだろうなあ

と

感じる

モラトリアムの終わり感

なんとも言えない余韻を感じられて

良かったと思います

そんで

20代の後半の大失恋は

改めて

まじできついと感じる

大人ビターな恋愛映画でした

9人の翻訳家 囚われたベストセラー 2020 60点

9人の翻訳家 囚われたベストセラー 2020 105

60点

世界的ヒット間違いなしのミステリー小説を世界同時発売するために集められた9人の翻訳家...

監督はフランス出身

タイピストの

レジス・ロワンサルです

門外不出のミステリー小説を翻訳するために

集められた翻訳家たちが

ある事件に巻き込まれていく

という

密室サスペンスで

序盤、翻訳作業

中盤、事件に翻弄される

終盤、種明かし

的な流れになって行くんですが

そのどれもが

中途半端でイマイチだなあと

思いながら見ていました

まず

翻訳作業なんですが

翻訳家ってたぶんこうなんだろうな

というこちらの想像を超えてくるような

ディテールや、翻訳家あるあるみたいなものを感じられませんでしたし

中盤の、事件に翻弄されるパートも

結構、犯人綱渡りというか

その場のアドリブまかせというか

計画と言うより運の要素が強く感じてしまい

あまり乗れませんでしたし

終盤の種明かしも

時系列を弄った見せ方は悪くないんですが

やっぱり、にわかには信じられないというか

そもそも

翻訳家、小説家としてのレベルが

伝わってこないので

こいつらって結局どのレベルなの？

感が最後まで伝わってこなくて

それが肝心な

犯行の動機のノイズになっていたように感じました

密室を活かしたサスペンスというより

回想主体の語り口もなんだかなあと

思いましたし

そもそも9人いらなくね？とか

警察めちゃくちゃ人数多くね？とか

てかそのヒントめちゃくちゃネタバレじゃね？とか

細かいところが気になって

あまり楽しめなかったのが本年の

密室翻訳作業サスペンス映画でした〜