やっつけ映画批評!

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お伝えするやっつけ映画批評!

旅のおわり世界のはじまり 2019 55点

2020-03-31 23:11:13 | 映画

旅のおわり世界のはじまり 2019
55点

世界ふしぎ発見的な番組のリポーターを
担当する前田敦子...


日本とウズベキスタンの国交樹立25周年、
及びナヴォイ劇場完成70周年記念の国際共同製作作品。

黒沢清がオリジナル脚本を執筆
&監督を努めます

ちなみにナヴォイ劇場というのは
ウズベキスタンの首都タシュケントにある
オペラやバレエのための劇場で

なんと
第二次世界大戦の時にソ連の捕虜になっていた日本人によって1947年に立てられた
劇場です

ちなみに柱や基礎は
ある程度出来ていたそうなので
全てを日本人が作った訳ではないみたいです

で、前フリ長くなりましたが

旅のおわり世界のはじまりですが

世界ふしぎ発見的なミステリーハンター役を
前田敦子が演じながら
テレビに映らない番組の裏側

草野仁、黒柳徹子が見たくなかった、

もはや、やらせのような、
あまりにも前田敦子が可哀想な目にあうので

なんか世界ふしぎ発見的な番組を
素直に楽しめなくなってしまう内容と
なっておりました

結構、時間経過が適当だったり
スタッフの前田敦子の管理とかが
ザルすぎてなんじゃそりゃ

みたいなツッコミどころもありましたが

ヤギと前田敦子の境遇を
わかりやすく重ねたシーケンスは
現実の苦味を感じられて良かったです

ただね
話の推進力がやっぱり弱いのと
どうでもいい恋愛要素あったりするので

基本的には面白くありませんでした

もう少し
ウズベキスタンに
親近感が湧くような
何か繋がりでもあればよかったなあと思える

ミステリーハンターはつらいよ
映画でした〜


最初の晩餐 2019 80点

2020-03-31 16:09:06 | 映画
最初の晩餐 2019
80点


父の葬式で集まる家族...





常盤司郎監督の長編デビュー作品です
監督脚本原作を務めています


父親の葬式をきっかけに

都会でカメラマンをする染谷将太
結婚して子供もいる戸田恵梨香
そして
斉藤由貴

の家族が再び集まり
お通夜で出てくる
ちょっと変わった料理を食べる度に

父との記憶を思い出す
回想する

といった
お通夜の料理からの回想
そんでまた
お通夜の違う料理からの回想

の言ってしまえば繰り返しの映画なんですが

料理にまつわるエピソードのひとつひとつが
とても丁寧に描写されていて

先の読めないコース料理を食べてるような
そんな心地の良い味わいがありました


料理をきっかけに
徐々に紐解かれていく
家族それぞれの秘密や

家族間の繋がりの温度差

そしてなにより

家族ってなんなんだろう

というベタだけど
普遍的、でもとても身近で大切なテーマを

説教くさくならず
むしろ
家族ってめんどくさいだけじゃん

という立場から
家族の温かみを感じさせる脚本演出は
非常にハイレベルだなと感じました


家族と一口に言っても十人十色で
各キャラクターごとに
価値観が全然ちがうのも

情報量とても多くて楽しめました


家族との時間があって、今がある

同じものを食べてきた時間があって
ここまで生きている

家族との向き合い方
家族と食卓を囲む時間がどれだけ
尊いのか

そんなあたりまえのことを
再確認させてくれるような
素晴らしい家族映画でした〜

小さな恋のうた 2019 75点

2020-03-27 21:25:32 | 映画
小さな恋のうた 2019
75点


メジャーデビューが決まりそうな
沖縄の高校生4人組バンド...




監督は
羊と鋼の森の橋本光二郎

原作はなくて
モンゴル800の小さな恋のうたが
原案となっております


オスプレイが飛び交い
米軍基地がいたるところにある
沖縄が舞台です

モンゴル800
モンパチは映画の世界には
存在していないので

高校生バンドが歌うモンパチの歌は
彼らのオリジナル曲という
ずるいけど
説得力のある設定という青春音楽映画です


こんな青臭いメンバーが
メジャーデビューしちゃうのかよ
え〜
なんて舐めてかかっていましたが

開始30分で来るまさかの展開に
まず驚かされました


そこからの展開は
なぜバンドを組むのか
なぜ歌うのか

の音楽をする意味と向き合いながら
練習し本番に備えていく青春音楽要素は
もちろん



フェンスや水平線、部室、
リビングとキッチン、部屋とベランダ
などなど
いろんな境界線を描き
境界線をこれでもかと意識させ


境界線を設けたことによって

衝突は避けられているが
人との繋がりは分断されてしまう


ほんとに、そうなのか

逆に
境界線を設けなかったら
衝突は起きるのか?
人との繋がりは分断されないのか?


と常に境界線について考えさせる
テーマ性の深さは
志の高さを感じました


個人的にはもう少し
政治色強め

オスプレイなどの爆音なんか
味わってみたかったなとも
思いますが

十分に楽しめる
大人の鑑賞にも耐えうる
青春音楽映画でした

宮本から君へ 2019 80点

2020-03-24 12:57:22 | 映画
宮本から君へ 2019
80点

絶対に勝たなければいけない喧嘩をする
池松壮亮...



監督はディストラクション・ベイビーズの
真利子哲也監督は


原作は愛しのアイリーンの原作者
新井英樹の同名漫画が原作で

テレビドラマ化もされてて
がんばれ!熱血不器用サラリーマン
といった感じかなあと
思っていましたが

パッション池松演じる主人公の
とんでもない熱量にぶっ飛ばされました


映画のストーリー自体は
一直線なんですが
時系列をバラバラにした構成なので

シーンとシーンの行間読み
処理する情報量はそこらへんの
サスペンス映画より多かったですし

時間が経つにつれて増していく
熱量、ほとばしるパッションが
そこに配合されて

めちゃくちゃ熱い
めちゃくちゃ面白い!

仕上がりとなっていました


ヒロイン蒼井優が受けた心の傷
主人公が向き合う絶望

は痛いほど伝わってきましたし

肝心の
喧嘩までのロジック
喧嘩のロジック
も凄まじい暴力描写で目を覆いたくなるほど
褒めたいんですが


僕はこの映画、
一番感動したのは

何度も、4回くらい
何度も出てきた傘の演出です

傘が何度も出てくるんですが

傘をさしてる人は誰なのか
傘には誰が入っているのか
傘の大きさはどうなのか

みたいな所にも注目してみると
また一段と
彼らの愛のカタチみたいなのが
見えてくると思います

そりゃ4回も出てくれば
何かしらの意味があると思うんですけど
傘には誰も触れてなくないですか?

めちゃくちゃ勿体ないと思うんですけどね...


はい


パッション池松壮亮の愛と暴力が炸裂する
がんばれ不器用サラリーマン青春、映画でした〜


無限ファンデーション 2019 45点

2020-03-24 08:47:26 | 映画
無限ファンデーション 2019
45点


演劇部に誘われた内気な女の子...




ミュージックビデオ作ろうとしたけど
映画にしました

しかも
なんとなくのストーリーがあるだけで
ほぼ即興劇です

という実験的作品ですが
あまりうまくいってないんじゃないかと
個人的には思いました

ちなみに監督は
59歳おおさきあきらさん

主演は
志乃ちゃんは自分の名前が言えないの
南沙良さんです


ミュージックビデオから着想を得た
作品なので随所、音楽とその歌詞で
何となく、丸く収めちゃおう
それっぽくしちゃおうという

音楽のちからを信じたところありますけど
個人的にはその音楽の力をかりるやつは
ストーリーの面白さあってだと思うので
全然刺さりませんでしたし


なにより
なにより

即興劇、設定だけ与えて
あとは演者に任せるっていう演出は
全然良くありませんでした

まずね
次のセリフをめちゃくちゃ考えてるのか
よくわかりませんが
全員の動き、セリフが遅すぎるんですよ

ひとりが喋り出すとほかの人たちが
固まっちゃったり

ついで
役者がその場で考えたセリフっても
やっぱり言葉が軽いんですよね

俗に言ういい台詞なんてありませんでしたし
やたらと
セリフの前に「なんか〜」ってのを付けるのも
こりゃダメだなと


設定だけの即興劇ってのは
映画に持ち込んじゃダメだと
思いました

即興劇だからこそ出でくる
若々しさ瑞々しさ生々しさよりも

演技の遅さ、セリフの拙さ、
演技してる感が勝ってしまった

ダメダメ演劇部の青春映画でした〜