やっつけ映画批評!

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ゾンビの中心で愛をさけぶ 2019 60点

2019-12-27 13:33:44 | 映画




ゾンビの中心で愛をさけぶ 2019
60点

離婚寸前夫婦が
ゾンビパニックで部屋の中に閉じ込められる...




スウェーデンデンマーク合作の
異色ゾンビ映画でした


ゾンビ映画というよりは
ゾンビ映画的設定を活かした
ラブストーリーとなっていて

グロゴアなどの人体破壊描写はほぼ無くて
すっきりと観れました


序盤ね
ゾンビ感染が拡大していく世界の静かな混乱
おもにテレビですけど

部屋から出ずに静かな混乱を表現してくのは
ロールプレイング感もあって良かったです


外はゾンビいるから
2人手を取り合うしかないっていう究極の
吊り橋効果的設定からはじまり

互いを知っていく
知ろうとしていく過程は

他のゾンビ映画のような激しいアクションが
ないのでじんわりと
夫婦の関係を辿れるのも良かったです

ただ
ライフライン
水、電気、ガス
トイレとかも
どうなってんの問題は
最後までノイズに感じてしまいましたし


もうちょっと追い込まれてからの
極限状態みたいなのも味わいたかったし

ゾンビ映画のアクション的な見せ場も
1箇所でいいから欲しかったなあとも
思いました


しかし
見事な着地
2人が体現する愛の威力は
なかなか凄まじいものがあった
変化球ゾンビ映画でした〜



翔んで埼玉 2019 70点

2019-12-27 13:32:54 | 映画


翔んで埼玉 2019
70点


東京都知事養成高校に通うGACKT...




原作はマヤミネオの1982年頃の同名漫画
監督はテルマエ・ロマエの武内秀樹

です


原作も読みましたが
癖が強すぎて全然ダメでしたが

この謎の映画化は
僕が昔、北浦和に住んでいたこともあって
親身になって楽しめました

映画のストーリーは
埼玉県人が東京に行く時に必要となる
通行手形を廃止しようと頑張るという
意味不明で混沌としている話なんですが

一応、これ都市伝説です的エクスキューズが
あるので、
オーバーな演技、
説明的すぎるセリフ、
そもそもリアリティは
度外視できたのが良かったです



散りばめられすぎた
悪質な埼玉県のディスりネタ

埼玉と千葉の関東上位争い
茨城、群馬、栃木の関東下位争い
あたりのローカルネタは

関東最弱の山梨県出身の僕から見ても
なんかもう色々酷すぎて

めちゃくちゃ面白かったです
なんすか
穴という穴にピーナッツを詰められるって



ただ、これただの
地方格差を笑いの出汁にするだけの
作品になっていなくて

それこそ
わざわざ1982年原作を2019年にやる意義
というか必然性のようなものすら感じられて


つまりは
地方格差はなぜ生まれ、年々広がるのか?
そして
その格差を1番笑っているのは誰か
という

まさに、今の分断社会を
ナンセンスコメディを武器にぶっ叩く
スタイル

郷土愛こそが東京一極集中という
ディストピアを壊すんだ
っていうメッセージは

田舎者にとってかなり刺さる物がありました
個人的な解釈かもしれませんが...


笑っているのにかなり劇薬な
実はハイセンスコメディ映画でした〜




劇場版 ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん  2019 80点

2019-12-19 23:10:12 | 映画


劇場版 ファイナルファンタジーXIV
光のお父さん
2019
80点


父にオンラインゲームをやらせてみた...





ゲーマーのブログが原作で
2017年には
大杉漣、千葉雄大で
深夜ドラマ化もされていますが

今回は
吉田鋼太郎と坂口健太郎
にて映画化です


114分の上映時間の
およそ半分がゲーム画面という
かなり攻めた映画になっているのに



オンラインゲームを通じた
父と息子の関係の変化
互いに抱える現実の着地は

2019年の邦画でも最上位に来るような
満足度を感じられました

ある意味での
父のオンラインゲームスポ根的な
要素があって

最初は何もわからなかったのに
徐々にゲーム沼にハマってく感じ

操作になれてく感じ
キーボードの扱い上手くなる感じ

めちゃくちゃ笑えるし
おっさん可愛いってなるし

ファイファン14やったことありませんが
終盤のある展開には
ゲームのあの高揚感
感じられました



もうね
他も上手いんですよ

家族の距離感の描き方とか
身バレのヒヤヒヤ感とか
チャットの文字だけのやり取りに込めた本音とか

ホントたまんないですけど

なにより

ゲームを通じて
過去を取り戻そうとする
なんとか現実を変えようともがく
息子のセルフセラピー

ゲームを通じて
未来を変えようとする
現実と戦おうとする
父親の挑戦が

派手な演技演出とかではなく

ゲームキャラの顔の表情で
なぜか伝わってくるってのは


他の映画では決して味わえない
素晴らしいものがある
息子と父のオンラインゲーム映画でした






世界で一番ゴッホを描いた男 2018 65点

2019-12-18 23:57:36 | 映画


世界で一番ゴッホを描いた男 2018
65点



20年、ゴッホの複製画を描き続けた男が
ゴッホの原画を観にいこうとする...




中国オランダの合作の
ドキュメンタリー映画です

贋作ではなく
複製画としてゴッホの油絵を描きまくり
それで
生計を立てている中国人の画家
というより
複製画職人におよそ6年間密着した

映像をみてもかなり距離の近い
警戒心のない状態で撮られているのが
わかるドキュメンタリーでした



複製画職人という
文化系な職業に聞こえるも
上半身裸で延々と
ひたすらに複製画の油絵を描き続ける光景は

完全にガテン系
もろに肉体労働
しかも給料は激安と

なんだかすごい世界を見てしまったような
感覚に襲われました


それでも
ガテン系給料が激安な中でも
自分の描いた絵がどこか
高尚な場所で飾りているはずだという

文化系な願いがお金以外のモチベーションになってたりもするんですが
それの顛末は触れないでおきますが


この映画
なにが凄いかっていうと
層の厚さなんだと感じました


ゴッホの複製画を描くという層
複製画マーケットという層
貧困も肉体労働も生前のゴッホが貧しかったこととか

もういろんなフィルターがかかりすぎて

絵を描くことの本質を見失っている

ゴッホを世界で1番書いてるのに
本物を知らない

その全部のフィルターを
とっぱらって
1人の絵描きとして
ゴッホの原画と向き合った時に起こる

何か
の威力は凄まじいものがありました


顔のアップ、絵のアップ、
顔のアップ、絵のアップ

単純なカメラワークに込められた
静かな変化はこれ一見の価値ありの
ゴッホ複製画ドキュメンタリー映画でした


パージ:エクスペリメント 2019 70点

2019-12-16 22:42:38 | 映画


パージ:エクスペリメント 2019
70点



12時間、全犯罪が許される夜パージ
導入前の実証実験が行われる...





1作目パージ
ではある一家を

2作目のパージ:アナーキー
では街全体を

3作目のパージ:大統領令
では政治的な陰謀を

とスケールアップし
バイオレンスとスリラーの配合を
ちょこちょこ変えて毎度楽しませて
くれたシリーズの

4作目ですが

時系列としては1番最初
パージが成立する前の実証実験を描いた
作品となっております


ちなみに
実験に選ばれたのは
ニューヨーク州の
スタテンアイランドという
実在する島ということですね


で、アメリカ政府としては
国の犯罪率を下げるために
パージ法を成立させたいんですが

果たしてそれは本当なのか
真の目的は何なのかが

全3作以上に色濃く映し出されていて


あくまで
映画というフィクション
パージ法というフィクショナルな設定
なんですけど


国が、政府が
一部の権力者がやってること
もちろん日本も
国を問わずやってること
国が政府が
やりたいことというのは

極論
煮詰めてしまえばパージなんだろうなと

香港の逃亡犯条例改正案なんか
わかりやすいですけど

日本ですでに制定済みの
共謀罪なんかも

言ってしまえば皮を被ったパージ法
なんじゃないかな

と思えてくる
国の言ってること
マスコミが報道することに
疑いを持たないと
パージ制定しちゃうよ

っていうのが
めちゃくちゃ怖かったです


理不尽展開
胸アツ展開
色々あってエンタメとしても
楽しめますが

それだけじゃ絶対ダメ

なんなら世界で最初にパージ法成立
しそうな国は日本

なんてこともありえる
激ヤバスリラーアクション映画でした